キーズがウォズニアッキを圧倒し、2年ぶりのツアー優勝 [ボルボ・カーズ・オープン]
WTAツアー公式戦の「ボルボ・カーズ・オープン」(WTAプレミア/アメリカ・チャールストン/4月1~7日/賞金総額82万3000ドル/クレーコート)のシングルス決勝で、マディソン・キーズ(アメリカ)がカロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)を7-6(5) 6-3で破り、2年ぶりのツアー優勝を果たした。コーチのフアン・トデロとふたたび手を組んでの成功で、期待していたものよりもずっと多くを手に入れる結果となった。
24歳のキーズは今年最初のクレーコート大会に自分がどう対処できるか――クレーは彼女の得意なサーフェスではない――トデロとふたたび噛み合うのか、わからずにいた。トデロは2013年、2014年に彼女とともに働いていたコーチだった人物で、5年の別離を経て今週から彼女のもとに戻ってきたのである。
すべての懸念は、キーズが通常なら安定性のあるウォズニアッキを圧倒したときに静められた。
「本当によい最初の週だったわ」とキーズはトデロとの協力体制について微笑みを浮かべながら語った。
「これを続けられるよう願っているわ」
もしそうできるなら、キーズがどれほどのことを達成できるだろうかーーそれは誰にもわからない。
第8シードで世界ランク18位のキーズはこの日、継続的にパワフルなサービスを打ち込み――そのうちひとつは、およそ時速195kmにおよんだ――圧倒的なフォアハンドで第5シードのウォズニアッキを消耗させ、キャリア4勝目となるタイトルを獲得した。
試合の流れは、ウォズニアッキが第1セットに0-30から巻き返し、3つのデュースを潜り抜けて6-5とリードを奪ったあとに変わった。キーズがプレーを安定させて4ポイントを連取し、タイブレークに持ち込んだ。
0-2と劣勢に立たされたキーズだったが、それから7ポイントのうち6本を取った。その中には、ウォズニアッキがショットを打つのにいい体勢でベースラインの内側に踏み込みながら、“アウト”と判断して見送ってしまったためにウィナーとなったバックハンドもあった。キーズは歯切れのいいフォアハンドでセットを締めくくった。
前述の場面についてウォズニアッキは、キーズのショットが長く伸びたのだと思うと振り返った。
「ときどき、まずい瞬間に目測を誤ってしまうことがあるの。今日の彼女は私にとって強すぎたわ」
ウォズニアッキは、これに先立つ2度の対戦でキーズを破っていた。
マッチポイントでウォズニアッキの返球を叩いてネットに詰めてボレーを決めたキーズは、満面の笑みを浮かべて勝利を祝った。
キーズが今季初のタイトルを獲得したことで、今年これまでに行われた15大会で15人の違ったチャンピオンが誕生したことになり、このWTAツアーの興味深いトレンドは継続することになった。
大会に先立ち、オーストラリアン・オープンでの4回戦進出が最高成績だったキーズにとって、このところはややよくない時期が続いていた。
彼女は、チャールストンにやって来る前にトデロとクレーコートで10日間ほどの時間を費やし、ふたたび手を組んで働くことでポジティブな結果を出せるかもしれないと思ったのだという。
とはいえ、準々決勝で2017年USオープン優勝者のスローン・スティーブンス(アメリカ)を、準決勝で2016年リオデジャネイロ五輪金メダリストのモニカ・プイグ(プエルトリコ)を、そして決勝で2018年オーストラリアン・オープン優勝者のウォズニアッキを倒したこの進撃については、思い描いてさえいなかった彼女は言った。
「自分の成績に関しては、期待し過ぎないよう努めていたの」とキーズはコメントした。
「ただ本当に、ふさわしいやり方でプレーしたいと思っていた。すごくいい練習をして、何試合かこなそうと努めていたのだけれど、時間が経つにつれてコート上でどんどん自信を感じるようになり始めた。そして、最終的に優勝者になることができたわ」
キーズはトデロの性格について、自分に合わせることでうまく機能するのだと言った。
アップダウンの激しいキーズだが、トデロは彼女を快活にし、笑わせ、過去の問題よりポジティブなよいことに気持ちを集中させる方法を知っているのだという。
キーズは、ウォズニアッキを打ち負かしたことだけでなく、戦術的にも勝ったことを誇りに思っていた。ウォズニアッキは非常に正確で容赦がないため、突破口を見出すことに関してはツアーでもっとも難しい選手だという。
「私は今年さらに先に進んでいく中で、この試合を頼みにすることができる」と彼女は手応えを口にした。
それで、クレーコートに関しては?
「クレーコート・スペシャリストよ」と彼女はジョークを言った。
「クレーは間違いなく、私のお気に入りのサーフェスとして、リストの上にくるわね」(C)AP(テニスマガジン)
※写真はマディソン・キーズ(アメリカ)、2月のフェドカップで撮影
ASHEVILLE, NORTH CAROLINA - FEBRUARY 09: Madison Keys of USA returns a shot to Kim Birrell of Australia during the first round of the 2019 Fed Cup at U.S. Cellular Center on February 09, 2019 in Asheville, North Carolina. Keys won 6-2, 6-2. (Photo by Grant Halverson/Getty Images)
Pick up
-
PR | 2024-10-20
『ノアから世界へ』——ノア・テニスアカデミー所属、駒田唯衣選手&富田悠太選手インタビュー
全国に35校のテニススクールを展開する業界大手の『ノアイ
-
2024-10-27
第63回テニマガ・テニス部「テニス丸ごと一冊サービス[増補版] 解説編』キャンセル待ち受付中
キャンセル待ち受付中=====テニマガ・テニス部 部活プ
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ
Pick up
-
PR | 2024-10-20
『ノアから世界へ』——ノア・テニスアカデミー所属、駒田唯衣選手&富田悠太選手インタビュー
全国に35校のテニススクールを展開する業界大手の『ノアイ
-
2024-10-27
第63回テニマガ・テニス部「テニス丸ごと一冊サービス[増補版] 解説編』キャンセル待ち受付中
キャンセル待ち受付中=====テニマガ・テニス部 部活プ
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ