トップシードのプリスコバが2回戦で姿消す「たまにはそういうこともある」 [USオープン]
今年ふたつ目となるグランドスラム「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月31日~9月13日/ハードコート)の大会3日目は、トップハーフの男女シングルス2回戦と男女ダブルス1回戦が行われた。
通常の状況ならカロリーナ・プリスコバ(チェコ)はフラッシングメドウで第1シードになるはずではなかったため、2回戦で敗れたことに彼女は間違いなく失望しただろう。確かに人々は注目すると思うが、それは特にビッグニュースというものではなかった。
それにしても、2020年に普通のことなどあるだろうか? 新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックを理由に女子の世界トップ2がニューヨークに行かない道を選んだため世界ランク3位のプリスコバがドローのトップの座に浮上し、そしてその彼女が3日目までに姿を消した。
2016年USオープン準優勝者のプリスコバは世界50位のカロリーヌ・ガルシア(フランス)に1-6 6-7(2)で敗れたが、その試合中にラケットを投げつけるなど感情を露わにした。そのあと行われた記者会見でも、彼女はぶっきらぼうに答えて不機嫌さを滲ませていた。
プリスコバはマイクを前にそわそわし、ため息をつき、目をぐるりと回してあきれた表情を見せた。記者が速くなった新しいサーフェス、観客がいないことによる雰囲気の欠如、高いシードによるプレッシャーなど敗因について質問すると、彼女は「あなたが言ったものの、どれでもないわ」と答えた。
「私はいいプレーができなかった。ただそれだけよ」
他のメディアのひとりがこの会見に退屈しているんじゃないかと彼女に聞いたとき、彼女は「ええ、ちょっぴりそうね。あなた、試合は見たの?」と言い、そのすぐあとに「あなたが十分にテニスを理解しているのかわからないわ」と悪態をついた。
グランドスラム大会でのトップ5に対する戦績が0勝8敗だったガルシアに対してプリスコバは第2セットを取るチャンスを手にしていたが、それをやってのけることはできなかった。
彼女は試合が終わったあと、何故それが起きたのかについて説明することができなかった。しかし試合の統計を見ると、ガルシアがプリスコバの2倍以上となる30本のウィナーを決め、サービスエースはお互いに3本ずつだった。
「たまにはそういうこともあるわ」とプリスコバはため息をついた。「私はロボットじゃない。だから私は毎日素晴らしいプレーをしなければならい訳ではないわ」。
ガルシアは次のラウンドで、ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したキャサリン・ベリス(アメリカ)を6-1 6-2で破って勝ち上がった第28シードのジェニファー・ブレイディ(アメリカ)と対戦する。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)
※写真はカロリーナ・プリスコバ(チェコ/右)とカロリーヌ・ガルシア(フランス)
NEW YORK, NEW YORK - SEPTEMBER 02: (L-R) Caroline Garcia of France and Karolina Pliskova of the Czech Republic touch rackets after Garcia won their Women's Singles second round match on Day Three of the 2020 US Open at the USTA Billie Jean King National Tennis Center on September 2, 2020 in the Queens borough of New York City. (Photo by Al Bello/Getty Images)
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