クビトバにケガを負わせた男に懲役8年の判決、犯人は常習の犯罪者

2度ウインブルドンを制したペトラ・クビトバ(チェコ)を彼女の自宅においてナイフで刺してケガを負わせた男が、火曜日に懲役8年の判決を受けた。

 33歳のラディム・ゾンドラは、チェコ・ブルノの地方裁判所において、クビトバに深刻なケガを負わせた罪で有罪判決を受けた。検察官は、2016年12月にチェコ・プロステヨフの彼女のアパートで起きたクビトバへの攻撃について無罪を訴えたゾンドラに対し、12年の禁固刑を要求していた。

 火曜日にマイアミ・オープンの準々決勝でアシュリー・バーティに6-7(6) 6-3 2-6で敗れたあと、クビトバはこの判決についてコメントをした。

「ええ、もちろん聞いたわ。そのことは今朝、聞いた。私はその知らせを受け入れた。満足だし、何より今、終わったことをうれしく思う」

 クビトバのスポークスマンであるカレル・テイカル氏は、「彼女は法廷の判決を尊重する」と語った。

「彼女は判決を受けた人物を、自分にケガを負わせた攻撃者と同一人物であると認識した。ゆえに判決には満足している」とテイカル氏は言った。ゾンドラには上訴する権利があり、また検察側も(判決の刑期に不満がある場合)上訴する権利を擁している。

 クビトバは、ケガをしたラケットを持つ側の手である左手に手術を受け、回復には5ヵ月以上が必要とされた。

 その後、クビトバは今年1月のオーストラリアン・オープンで決勝に至っており、これは彼女にとって2014年ウインブルドン優勝以来のグランドスラム大会決勝進出だった。彼女は現在、キャリア最高の世界2位に位置している。

 この事件の裁定にあたり、クビトバの証言がカギを握る証拠を提供したと裁判官のダグマー・ボルドフスカ氏は明かした。

 ゾンドラが家のベルを鳴らしたとき、クビトバはドーピングコントロールの訪問を予期していたためにドアを開けたと証言している。容疑者は、ボイラーの検査に来たと言うことで家の中に入ることに成功した。

 犯人からナイフによる攻撃を受け、クビトバは手の腱と5本の指すべて、そして2本の神経にダメージを受け、4時間近くにわたる修復手術を強いられた。

 クビトバが出血しているときにゾンドラは金を要求し、彼は1万チェコ・クラウン(約440ドル)を受け入れると、彼女の自宅から去った。ゾンドラには前科があった。

 2012年にゾンドラは、引退後の年齢にある孤独な老人を狙って襲っていたギャングのメンバーであったことで、7年半の懲役判決を受けていた。

 判決が執行猶予付きとなったため解放されたあと、彼は2015年に、弁護士に強盗を働くための内報を3人のギャングに与えた。この3人は、その弁護士を拷問した末に5万チェコ・クラウンを盗んだ。そしてゾンドラは昨年、この内報のために2年半の懲役判決を受け、現在すでに服役中だった。(C)AP(テニスマガジン)

※写真はマイアミ・オープンで記者の質問に答えるペトラ・クビトバ(チェコ)
MIAMI GARDENS, FLORIDA - MARCH 20: Petra Kvitova of the Czech Republic fields questions from the media at a player availability session on Day 3 of the Miami Open Presented by Itau on March 20, 2019 in Miami Gardens, Florida. (Photo by Michael Reaves/Getty Images)

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