ジョコビッチが前哨戦とは違うサーブクロックの設定に戸惑い [USオープン]
今年ふたつ目となるグランドスラム「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月31日~9月13日/ハードコート)が月曜日に開幕し、初日はトップハーフの男女シングルス1回戦が行われた。
第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)は確かに、少しばかり気を取られる場面があった。彼はポイント間の時間に関するUSオープンのルールについて、はっきりとは理解していなかった。彼はアーサー・アッシュ・スタジアムにいた数少ない人々の中に陣取る自分のチームの方向に向かって叫んだ。とはいえ最後には、2020年にずっと繰り返してきたように勝利をおさめた。
「集中力を失ってしまったよ」とジョコビッチは打ち明けた。「何度かストレスを感じる場面があった。そのせいで叫んでしまったんだ」。
世界ナンバーワンのジョコビッチは月曜日の夜にグランドスラムで18勝目となるタイトルに向けての挑戦を開始し、ダミアー・ジュムホール(ボスニア・ヘルツェゴビナ)に対する6-1 6-4 6-1の勝利で今季の連勝記録を「24」に更新した。
「この連勝を続けたいかって? もちろんだよ。でもそれを最優先事項としてして毎日考えているかと聞かれれば、答えはノーだ」とジョコビッチはコメントした。彼は2011年シーズンに、開幕から驚異的な41連勝をマークした。
「もちろんそれは、追加的なモチベーションだ。もっと力強くプレーするため、よりよいプレーをするためのエネルギーとなるよ。すべての試合に適切な緊張感を持って臨めるんだ」
試合前のテレビインタビューで、ジュムホールはジョコビッチについて「彼が100%でないよう祈るよ」と話していた。
ジョコビッチは先週のウエスタン&サザン・オープンで優勝するまでの道のりで首の痛みと胃の問題を抱え、金曜日の準決勝と土曜日の決勝でそれぞれ3セットを戦っていた。しかしかつて世界ランク23位だったが現在108位のジュムホールとの対戦前の48時間は、完全回復に十分な時間だったようなのだ。
「今日はコート上で、いい気分だったよ」とジョコビッチは振り返った。彼はロジャー・フェデラー(スイス)の「20」、ラファエル・ナダル(スペイン)の「19」というグランドスラム獲得タイトル数の記録を追いかけている。そしてライバルのふたりは、どちらも今回のUSオープンに出場していない。しかしそれは、ここ8つのグランドスラム大会で6度優勝しているジョコビッチが圧倒的優勝候補である理由の一部にしか過ぎない。
彼の1回戦のもうひとつの小さな問題は、サーブクロックの設定だった。主審はこれを、前哨戦のときよりもずっと早くスタートさせていたのだ。
月曜日の試合中にこのシステムに疑問を投げかけたのは、ジョコビッチだけではなかった。
「なぜスタートさせた?」と彼は主審に聞き、前大会ではポイント間にタオルを取りに行くための時間がもっとあったと指摘した。
主審のダミアン・ドゥミュソワ氏はUSオープンでのペースは意図的により速くなっていると答え、ジョコビッチは「ここでは違うやり方をしてるって? 何故だ? 説明はないのか? 知らせてくれてありがとう」と言い返した。
試合後ジョコビッチは、「誰も知らせてくれていない。コミュニケーションが欠如しているから不信感が生まれるんだ。気持ちを乱されてしまうよ。僕たちはあるテンポでプレーし、ウエスタン&サザン・オープンの際にそれに慣れた。2日後にはまた別のルールとなり、僕たちはそれについて知らされていなかった。これは受け入れがたいことであり、フェアではないと僕は思うよ」と苦言を呈した。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)
※写真はノバク・ジョコビッチ(セルビア)
NEW YORK, NEW YORK - AUGUST 31: Novak Djokovic of Serbia serves during his Men's Singles first round match against Damir Dzumhur of Bosnia and Herzegovina on Day One of the 2020 US Open at the USTA Billie Jean King National Tennis Center on August 31, 2020 in the Queens borough of New York City. (Photo by Matthew Stockman/Getty Images)
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