USオープン出場選手7人が「バブルの中のバブル」に
今年ふたつ目となるグランドスラム「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月31日~9月13日/ハードコート)が新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの中で開幕した月曜日、ウイルス検査で陽性と診断されたブノワ・ペール(フランス)と接触したことから7人の選手が「バブル(安全地帯)の中のバブル(隔離ゾーン)」と表現されるものの中に入れられた。
全米テニス協会(USTA)が関係した選手の名を発表していないため匿名を条件に話してくれたその人物は、AP通信にその7人の選手が誰かは明かさなかった。
しかし第30シードのクリスティーナ・ムラデノビッチ(フランス)は1回戦に勝ったあと、同胞のペールと時間を過ごしたために自分の動きが制限されていることを認めた。
ムラデノビッチは1時間ほどペールと練習し、USTAが『管理下に置かれた環境』と名付けたものに使っているホテルのロビーでペールや他の何人かと30~40分ほどトランプをしたのだと明かした。
「私は基本的にバブル(USTAが大会のために用意した安全地帯)の中の新しいバブル(隔離ゾーン)の中にいるから、許されることはあまりないの。おかげで私にとって、競技をする上でメンタル的に活力がある準備万端の状態になるのが難しくなるわ」とムラデノビッチは説明した。彼女はワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したヘイリー・バティスト(アメリカ)を7-5 6-2で倒したあと前屈みになって雄叫びを上げた。
何ができて何ができないのか聞かれると、ムラデノビッチはくすくす笑った。
「シンプルに説明するわ。私は自分の試合をプレーすることを許されているの。文字通り、それ以外のことは何もできないわ」と彼女は答えた。
彼女と他の6人の選手はペールとの接触でウイルスに感染する可能性があるため、4日置きでなく毎日検査を受けなければならない。
自分の兄と時間を過ごすことはできるが他の誰とも交流できず、ジムでトレーニングすることを禁じられ、「選手のために用意された他のどんな施設も使うことができない」のだとムラデノビッチは不自由さを嘆いた。
「そんなことを受け入れるのかなり厳しいわ。私は(ペールの)陣営ではない訳だから」
ペールはここまでのところ、陽性と判定された2人の中で唯一のプレーヤーだ。
そのような状況で戦おうとすることは彼女にとって不愉快であり、今の世の中で国際的な大きなイベントを開催することの難しさを思い出させることでもあった。
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