「夢の実現」ーークロアチアがデビスカップで2度目の優勝
男子テニスの世界国別対抗戦、デビスカップ・ワールドグループ決勝「フランス対クロアチア」(11月23~25日/フランス・リール/室内クレーコート)の最終日。
日曜日の最初のシングルスで、マリン・チリッチ(クロアチア)がルカ・プイユ(フランス)を7-6(3) 6-3 6-3で下し、最後のシングルスを待たずして前年度覇者フランスに対するクロアチアの勝利を確定させた。
元USオープン・チャンピオンのチリッチは情け容赦のないパフォーマンスにより、北フランスで行われたこのベスト・オブ・5マッチの戦いで、クロアチアが逆転不可能な3勝目を挙げた。
チリッチはこの週末、1セットも落とさずに戦った2試合の双方に勝ち、チームリーダーとしてのステータスに見合う働きを見せた。
彼はコート上でクロアチア・チーム全員に囲まれ、同国のコリンダ・グラバルキタロビッチ大統領に温かく抱擁されたあと、クロアチアの国旗を肩にかけた。
「世界チャンピオンになるというのは、毎日起こることじゃない」とチリッチは言った。
「僕らにとって、この国にとって、夢の実現だ。僕らは本当に情熱的だ。ファンたちを見てみればわかるだろう。クロアチアでも、すごいことになるだろうと思う」
クロアチアは、2005年以来となる2度目のデビスカップ・タイトルを獲得した。デビスカップが伝統的なフォーマットでプレーされるのは、今年が最後となる。来年から、この男子トップチームの大会は、シーズン末に中立の会場における18チームによるトーナメントという形式で行われることになる。
ピエール ユーグ・エルベール/ニコラ・マウ(フランス)が土曜日のダブルスに勝ったあとも、初日のシングルスで2敗した開催国フランスは1勝2敗の劣勢に立たされていた。彼らが0勝2敗から挽回して優勝した1939年以来の代表となるためには、最終日のシングルスの双方に勝つ必要があった。
しかし、彼らの挽回の希望は、すぐに叩き潰されることになった。
世界7位のチリッチは、第1セットでファーストサービスが思うように入らず苦労していたにも関わらず、一度も相手にブレークポイントを与えなかった。
勝負を5試合目にもち込もうとする試みの中で、フランスのヤニック・ノア監督はラインナップを変更し、プイユがジェレミー・シャルディ(フランス)に代わってこの日最初のシングルスをプレーしたが、プイユは繰り返しバックハンドのミスをおかした。プイユは総じて44本のアンフォーストエラーをおかし、対するチリッチはミスを29本に留めた。
昨年、ベルギーに対して勝利を決定づける勝ち点を取り、フランスの史上10回目の優勝を決める立役者となったプイユは、強いサービスのおかげもあってスコアでついていき、何本かの賢いドロップショットでチリッチを驚かせた。
しかし、チリッチはタイブレークでそのプレーレベルを引き上げ、4ポイントを連取してセットを終わらせた。その中でも強烈なフォアハンドのパッシングショットは見事で、プイユはただ茫然と見送ることしかできなかった。
プイユのプレーレベルはその後、劇的に落ち、反対にチリッチは高いプレーレベルをキープ。第2セットでも早々にブレークを果たして4-2とリードした。
一連のいいサービスを放ったプイユは、第8ゲームで4つのセットポイントをセーブすることに成功した。しかし、チリッチは次の自分のサービスゲームをきっちりキープし、見事なフォアハンドのクロスでセットを締めくくった。
大声で声援を送る地元フランスの観客たちのサポートにも関わらず、第3セットのプイユは力なく見えた。彼は第5ゲームでまたもバックハンドをミスしてサービスをブレークされ、結局、それが運命を封じた。
5-3からのゲームでプイユはマッチポイントを2度セーブしたが、チリッチが見事なロブを放ったときには、ただそれを見送ることしかできず。これが2度目のブレークを生んで試合に終止符が打たれた。
フランステニス連盟は、チームの勝敗が決まったあとの最後のシングルスをプレーしないと発表した。(C)AP(テニスマガジン)
※写真は表彰式でデビスカップを掲げるクロアチア代表チーム
LILLE, FRANCE - NOVEMBER 25: Team Croatia celebrate during the trophy ceremony after winning the Davis Cup during day 3 of Davis Cup final at Stade Pierre Mauroy on November 25, 2018 in Lille, France. (Photo by Sylvain Lefevre/Getty Images)
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