ノーシードの齋藤惠佑が準決勝進出、ダブルスは男女決勝進出8人のうち7人が日本勢 [世界スーパージュニア]
「大阪市長杯 世界スーパージュニアテニス選手権大会」(ITFグレードA/大阪府大阪市・ITC靱テニスセンター/本戦10月16~22日/ハードコート)の本戦5日目は、男女シングルス準々決勝と男女ダブルス準決勝が行われた。
シングルスの日本勢でここまで勝ち残っていたのは、齋藤惠佑(グローバルプロテニスアカデミー)と東竜平(相生学院高校)の二人。東は第2シードのブ・ユンチャオケテ(中国)に4-6 1-6で敗れたが、齋藤がクリスティアン・レアビー(オランダ)を6-0 6-0で圧倒し、男女を通じて日本人として唯一シングルスの準決勝に駒を進めた。
◇ ◇ ◇
わずか50分の圧勝だった。ITFジュニア世界ランクで264位の齋藤に対して、レアビーは130位。対戦はなかったが、今年7月に齋藤がベスト8だったオランダのグレード4の大会で優勝したのがレアビーだった。
「その印象が強かったので、やる前はビビってました。でも試合をしてみたら、ストロークのテンポが自分に合っていてやりやすかった」と齋藤。164cmと小柄だが、ストロークに安定感があり、よくコントロールされたショットを左右へ打ち分ける。
逆にレアビーのほうは左利きの齋藤のボールの回転にタイミングが合わないのか、アンフォーストエラーを量産。一向にゲームを奪えず終盤は気力も失い、齋藤が失ゲーム「0」の完全勝利をおさめた。
「1回戦突破できればいいな、くらいの感じ」で臨んだ今大会、その初戦で第6シードのルイ・ヘルマン(ベルギー)と当たるドローは決して恵まれていたとは言えないが、昨年も1回戦では第3シードを破った齋藤である。7-6(8) 6-1で競り勝つと、2回戦では今年の全日本ジュニアU16優勝の三井駿介(アクトスポーツクラブ)、準々決勝では第12シードのゼイン・カーン(アメリカ)と、ランキングでは自分より上の選手を連破する快進撃だ。
本来バックハンドが得意だというが、「コーチのアドバイスで、フォアをもっと使って展開するようにしたら、いい感じでポイントも取れるし、自分のペースもつかみやすくなった」と思い当たる好調の理由を話した。男子では3年連続となる日本選手の決勝進出をかけて、明日は第1シードのヴァランタン・ロワイエ(フランス)に挑む。
なお、敗れた東もワイルドカード(主催者推薦枠)での本戦初出場でベスト8は大健闘。ブレーク合戦で競り合った第1セットを落として流れを奪われたが、180cmの長身とリーチを生かした攻撃的なプレーを随所に見せ、「思ったより通用する部分が多くて、自信になりました」と今大会を振り返った。
ダブルスでは男女ともに日本勢の活躍が際立つ。昨年優勝した佐藤久真莉(CSJ)は今回ジェン・チンウェン(中国)と組んで第1シードで臨み、この日の準決勝では第8シードのアリーチェ・アメンドラ/マルティナ・ビアジャンティ(ともにイタリア)に6-3 6-3で快勝。決勝の相手は第7シードの川村茉那(CSJ)/光崎楓奈(h2エリートTA)で、川村とは同門対決となる。
川村/光崎は、昨年佐藤のパートナーだったパク・ソヒョン(韓国)とマナンチャヤ・サワンカエウ(タイ)の第3シードペアを6-3 3-6 [10-5]で破っての決勝進出だ。
男子は4強のうち3組が日本人ペア。まずは、藤原智也(サン城陽テニスクラブ)/山中太陽(西宮テニスクラブ)の地元関西ペアが高畑里玖(相生学院高等学校)/丹下将太(早稲田実業学校高等部)との日本人ペア対決を6-3 6-3で制した。
続いて三井/池田朋弥(スポルトテニスアカデミー)が第4シードのステファン・ストーチ(オーストラリア)/ブを6-4 6-3で破り、男子では12年ぶりの日本人ペア同士の決勝対決を実現させた。
(ライター◎山口奈緒美)
※写真は日本勢で唯一シングルス準決勝に進出した齋藤惠佑(グローバルプロテニスアカデミー)
撮影◎真野博正
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