ナダルが大会史上もっとも遅く終わった試合の主役に [フレンチ・オープン]

今年最後のグランドスラム「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦9月27日~10月11日/クレーコート)の男子シングルス準々決勝で、第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)がノーシードから勝ち上がってきた19歳のヤニク・シンネル(イタリア)を7-6(4) 6-4 6-1で退けた。
 
 この勝利でナダルは“ロラン・ギャロスでキャリア13度目の準決勝進出”を成し遂げただけでなく、“大会史上もっとも遅く終わった試合”の主役となった。

 風が強く冷え込んだその夜、午前1時半近くに終わった準々決勝でロラン・ギャロスを12度制した男は若きシンネルの序盤の挑戦に持ち堪えた。彼は苦しめられたその第1セットをタイブレ―クで取ると、最終的にストレート勝ちをおさめた。

 今年のフレンチ・オープンは大会史上初めて照明を使用することを決めていたため、夜遅くまで試合を続けることが可能になった。

「もちろん、深夜1時半に試合を終えるのは理想的ではない。でも(最大の)問題は気候だ。プレーするには寒すぎる。正直、凄く寒かったと思わないかい?」と語ったナダルは、「これほどまでに負担のかかるコンディションでプレーするのは、体にとって少し危険なことだ」とも考えていた。

フレンチ・オープン2020|トーナメント表

 彼らの準々決勝は、火曜日の22時半過ぎに始まった。それは雨で延期された試合があったため、通常の4試合でなく5試合が組まれた過密スケジュールのフィリップ・シャトリエ・コートのこの日最後の試合だった。そしてこの試合はまた、第12シードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)が第3シードのドミニク・ティーム(オーストリア)に対して演じた5時間を超える5セットの末に勝利を決めたため、特に開始が遅れることになった。

「なぜ大会が今日、シャトリエ・コートに5試合も入れたのか本当に分からないよ。それはリスクだった」とナダルは苦言を呈した。

 今大会で5試合をプレーしたナダルはまだ1セットも落としておらず、金曜日の準決勝の相手であるシュワルツマンに対して9勝1敗の戦績を誇っている。

「あと2日間あるから、練習して少し休んで回復する時間を取って準備を整えるつもりだよ」とナダルはコメントした。

 シュワルツマンにとっての有利な点は、クレーコートのローマにおけるナダルとの最新の対戦で初勝利をおさめているということだ。

「(だからと言って)自分が大いに自信を持つかは定かではないけど…。でもまあ、僕には彼を倒す力があることを知っている。それは重要なことだ」とシュワルツマンは話した。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)

※写真はラファエル・ナダル(スペイン)
PARIS, FRANCE - OCTOBER 06: Rafael Nadal of Spain walks off the court giving a thumbs up following victory in his Men's Singles quarterfinals match against Jannik Sinner of Italy on day ten of the 2020 French Open at Roland Garros on October 06, 2020 in Paris, France. (Photo by Julian Finney/Getty Images)

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