USオープンで強制棄権のバボス/ムラデノビッチがパリで2連覇 [フレンチ・オープン]
今年最後のグランドスラム「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦9月27日~10月11日/クレーコート)は大会最終日を迎え、男子シングルスと女子ダブルスの決勝が行われた。
新型コロナウイルス(COVID-19)の検査で陽性と診断された選手とトランプをプレーしたという理由から検疫のために女子ダブルスからの棄権を強制されたニューヨークでのUSオープンとは違い、クリスティーナ・ムラデノビッチ(フランス)はロラン・ギャロスの女子ダブルスで切り札を出した。
ムラデノビッチとティメア・バボス(ハンガリー)は日曜日にパリで女子ダブルスのタイトルを防衛し、同ペアでのグランドスラム4勝目を挙げた。それからムラデノビッチはUSオープンでのプレーを阻んだアメリカの公衆衛生当局に対して皮肉るように、またブノワ・ペール(フランス)とトランプをすることを楽しみにしていると語った。
ペールはニューヨークで受けた検査で、選手として唯一陽性と判定された。ムラデノビッチは彼と1度練習したことやトランプをプレーしたことで、自身は検査で陰性だったにも関わらず危険にさらされているとみなされた。ムラデノビッチとバボスはUSオープン女子ダブルスで第1シードだったが、ムラデノビッチは検疫のための隔離を命じられたためペアはダブルスからの棄権を強制された。
パリで第2シードだったバボス/ムラデノビッチは、決勝で第14シードのアレクサ・グラーチ(チリ)/デザレー・クラブチェク(アメリカ)を6-4 7-5で倒した。
優勝後の表彰式でのスピーチで感情的になり、ムラデノビッチは話すのに苦労して何度も口を止めた。彼女はニューヨークでは不運に苦しめられたが、ペールや検疫を強制された他のフランス人選手たちとまた“楽しいトランプ”をプレーすることを楽しみにしていると言ってペールに力強いメッセージを送った。
ニューヨークのホテルでの隔離は精神的に消耗させられ、体に残酷なものだった。ムラデノビッチはトレーニングすることができず、フレンチ・オープンのための準備を台無しにされたと明かした。ロラン・ギャロスのシングルスで、彼女は1回戦負けを喫していた。
「肉体的にも精神的にも今日の私は疲労困憊しており、あなたが最初から最後まで私を引っ張ってくれたわ」とムラデノビッチはパートナーのバボスに声をかけた。「あなたとトロフィーを手に今ここにいるという事実は、本当に感動的なことよ」。
昨年のフレンチ・オープンを制しただけでなく、ふたりは2018年と20年にオーストラリアン・オープンでも優勝している。バボスとの4タイトルのほか、ムラデノビッチは同胞のカロリーヌ・ガルシア(フランス)と組んで2016年のロラン・ギャロスで栄冠に輝いていた。(APライター◎ジョン・レスター/構成◎テニスマガジン)
※写真は女子ダブルスで2連覇を達成したティメア・バボス(ハンガリー/左)とクリスティーナ・ムラデノビッチ(フランス)
PARIS, FRANCE - OCTOBER 11: Timea Babos of Hungary (L) and Kristina Mladenovic of France pose with the winners trophy following victory in their Women's Doubles Final against Desirae Krawczyk of The United States of America and Alexa Guarachi of Chile on day fifteen of the 2020 French Open at Roland Garros on October 11, 2020 in Paris, France. (Photo by Julian Finney/Getty Images)
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