前年王者のフランスがスペインに3連勝、2002年以来となる2年連続の決勝進出 [デ杯準決勝フランス対スペイン]
男子テニスの国別対抗戦、デビスカップ・ワールドグループ準決勝「フランス対スペイン」(9月14~16日/フランス・リール/室内ハードコート)のダブルスで、ジュリアン・ベネトー/ニコラ・マウ(フランス)がマルセル・グラノイェルス/フェリシアーノ・ロペス(スペイン)を6-0 6-4 7-6(7)で倒し、前年度覇者のフランスが2002年以来となる2年連続の決勝進出を決めた。
リールのサッカー・スタジアム、ピエール・モロワの室内ハードコートで、ともに36歳であるベテランのベネトーとマウは、グラノイェルスとロペスのスペインペアをストレートで倒した。
金曜日にふたつのシングルスの双方で勝っていたフランスは、決勝でクロアチア対アメリカの勝者と対戦する。
スペインは、元々は出場する予定だった世界1位のラファエル・ナダル(スペイン)なしに戦わねばならなかった。ナダルは、フアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)に対するUSオープン準決勝で、右膝の故障のため棄権を余儀なくされていた。
ベネトーとマウは、昨年のベルギーに対する決勝でプレーすることになっていたが、監督のヤニック・ノア(フランス)は、ぎりぎりになってリシャール・ガスケ(フランス)とピエール ユーグ・エルベール(フランス)のペアを起用することを決めた。
この監督の決断は、当時のふたりをひどく失望させた。引退を考えていたベネトーが、観客席で国歌を聴きながら無念の涙を流したことは有名だ。ベネトーはのちに、それは彼のキャリアでもっとも辛い瞬間だったと告白していた。
この週末、エルベールが故障でプレーできなくなったことで、もう一度チャンスを手にしたふたりは、ノア監督を失望させなかった。ノア監督は、ベネトーがUSオープン中に引退を表明したあとに、彼を招集していた。
「すごく幸せだ。彼らはなんと素晴らしい贈り物を僕にくれたことだろう。信じられないほどだ」とノア監督は喜びを表現した。
ノア監督は今季を限りにデ杯監督の座から去り、決勝のあとにアメリー・モレスモー(フランス)にバトンを渡すことが決まっている。
「彼らは本当にいいプレーをした。私が監督の座についてから見た中で、最高のものだったよ」
ベネトーとマウは、18分で終えた第1セットでわずか4ポイントしか落とさず、文字通り飛ぶようなスタートを切った。グラノイェルスとロペスのスペインペアは、試合の序盤にはまったく元気がなかったが、第2セットの出だしに、第1セット全体を通して奪ったのと同じ数のポイントを取って、ようやくサービスゲームをキープした。
フランスペアはあらゆる分野で優位に立ち、第3ゲームでふたたびブレークに成功。このゲームでは、ロペスがボレーしようとしたボールが、自分の目の近くに当たるというアクシデントが起きていた。
第3セットでスペインペアが8ポイントを連取する中、マウは第2ゲームをラブゲームでブレークされ、スペインが2-0とリードした。スペインは次のゲームでサービスゲームをキープし、一時3-0としたが、第7ゲームでベネトーの一連のアグレッシブなリターンが功を奏し、フランスがブレークバック。マウがフォアハンドをロペスの体にぶつけてブレークポイントをつかみ、ベネトーがスペインペアを呆然とさせるフォアハンドのリターンを決めた。
スペインはタイブレークで3つのマッチポイントをセーブしたが、ベネトーは3度目のチャンスでは間違いを犯さず、素晴らしいバックハンドのウィナーで勝負に終止符を打った。
「膨大な喜び」と気持ちを表現したベネトーは勝利を決めたあと、今回はうれし涙を噛み殺しながら仲間たちと抱擁を交わした。デ杯に召集されると知らなかったUSオープン敗退時に引退を表明し、招集されたため数日で戻ってきた彼は、「代表に呼び戻されたときは、うれしいという言葉では足りなかった」と明かした。
ベネトーは、これが選手としてキャリア最後の試合と聞かれ、「今朝、僕は自分に、“これが僕のキャリア最後の試合だ”とは言わなかった。僕はそのことをごまかし、今日コート上でやるべきことに集中した」と答えた。
今日のようにできるならプレーを続けろ、とインタビュアーに言われたベネトーは、「11月以降まで続けつつもりはない」と今年限りの引退を明言した上で、決勝が終わるまで引退を延期するかに関して、「今年のデ杯メンバーとして決勝時にもベンチにはいると思うが、ツォンガなどケガしていた選手も戻ってくるし、コートに立つかは分からない。今この時点で先のことを考えるのは難しい」と言葉を濁した。(C)AP(テニスマガジン)
※写真は昨年のパリの大会でのジュリアン・ベネトー(フランス)
PARIS, FRANCE - NOVEMBER 03: Julien Benneteau of France plays a backhand against Marin Cilic of Croatia during Day 5 of the Rolex Paris Masters held at the AccorHotels Arena on November 3, 2017 in Paris, France. (Photo by Dean Mouhtaropoulos/Getty Images)
Pick up
-
PR | 2024-10-20
『ノアから世界へ』——ノア・テニスアカデミー所属、駒田唯衣選手&富田悠太選手インタビュー
全国に35校のテニススクールを展開する業界大手の『ノアイ
-
2024-10-27
第63回テニマガ・テニス部「テニス丸ごと一冊サービス[増補版] 解説編』キャンセル待ち受付中
キャンセル待ち受付中=====テニマガ・テニス部 部活プ
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ
Pick up
-
PR | 2024-10-20
『ノアから世界へ』——ノア・テニスアカデミー所属、駒田唯衣選手&富田悠太選手インタビュー
全国に35校のテニススクールを展開する業界大手の『ノアイ
-
2024-10-27
第63回テニマガ・テニス部「テニス丸ごと一冊サービス[増補版] 解説編』キャンセル待ち受付中
キャンセル待ち受付中=====テニマガ・テニス部 部活プ
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ