コートで着替えたコルネへのコードバイオレーションに批判殺到 [USオープン]
「USオープン」(8月27日~9月9日/アメリカ・ニューヨーク/ハードコート)の女子シングルス1回戦で、ヨハンナ・ラーション(スウェーデン)に6-4 3-6 2-6の逆転負けを喫したアリゼ・コルネ(フランス)。その試合中、コート上で“着替えた”ことが大きな話題となっている。
USTA(全米テニス協会)は、コルネが試合中にコート上でウェアを着替えたことについて、チェアアンパイアが警告した判断が誤っていたことを認め、謝罪した。テニスでは男女が異なった扱いを受けているという、顕著な例だった。
火曜日の1回戦でヒートポリシーによりオフコートの室内で10分間の休憩を与えられたコルネは、その間に汗だくになったウェアを着替えた。彼女は制限時間を守るために大急ぎで着替えたため、ウェアを裏返しに着たことに気づかなかったのだ。
ボーイフレンドに指摘されて初めて気づき、ベースラインの後方でコルネは一度ウェアを脱いで直してから着たのだ。そこでチェアアンパイアのクリスチャン・ラスクはコルネにコードバイオレーションを宣告した。
「驚いたわ! 素早くシャツを着替えただけなのに、コードバイオレーションをとられた。まったく予想していなかったし、“おかしいんじゃない?”と抗議もしたわ」とコルネは水曜日に行われた記者会見で語った。
USTAもコルネの考えに同意した。
「今後、このような事態が起きないようにする。彼女が警告だけで、それ以上のペナルティや罰金を科せられなかったのが、せめてもの救いだった」とUSオープンを運営するUSTAは発表した。
ラスクの警告に対してソーシャルメディアでは、アンディ・マレー(イギリス)の母親でフェドカップ・イギリス代表の監督も務めたジュディ・マレーなどから、多くの批判が溢れていた。
「正直な気持ちを言うなら、あの判断はあり得ないし、ピーッという音でかき消されるべき。本当にくだらない。彼女は何も間違ったことをしていない。ひとつもね。敬意を欠いた行為は何もなかった。シャツが逆だったから直しただけ。これが議論になること自体おかしい。USTAが謝罪したから安心したけど、二度と起きてはならないこと」と2度のUSオープン準優勝を誇るビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)は語った。
女子選手がオンコートで着替えることは非常に珍しいケースだが、男子選手はエンドチェンジなど、いつでも着替えられる。そしてスタンドからは野次が飛び交う。火曜日の1回戦で、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)はエンドチェンジの際、体を冷やすためにずっと上着を着ないままベンチに座っていた。
WTAはアンパイアの警告が不公平であると主張し、コルネの行為にルールに違反することは何もなく、「アリゼは何も間違ったことはしていない」という声明を発表した。
今回のエピソードはこのスポーツに対する男女の扱い、視点の違いにおいて大きな議論となっている。
最近議論になったのは、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)が着用した全身タイツ風のウェアについて、フランス・テニス連盟(FFT)会長のベルナール・ジウディセリによる発言だった。
「今後は着用が許されない。ゲームと場所をリスペクトしなければならない」
コルネはこの事例についてもコメントした。
「もちろん、男女間の不平等はまだまだ改善の余地がある。でも、いい方向には進んでいると思う。みんなが同じ方向を向いている。このまま継続すればいいの。ただし、私たちの会長さんのように、時代錯誤の誤った発言をしてしまう人もいる。あのような発言は本当にショッキングだった」
「ベルナール・ジウディセリ会長がセレナのウェアについて発言した内容は、今回私にコートで起きたことよりも1万倍は悪質だと思う」とコルネは続けた。
コルネのウェア事件が起きた10分間の休憩について、WTAのルールにも「極度の暑さ、湿度というタフなコンディションの中では、選手は第3セットの前に休憩をとれる」と表記されている。
だが、男子にはこのようなルールはない。そこでUSTAは火曜日、コート上の気温が40℃を超えたとき、第4セットに入る前に10分間の休憩を与えることを発表した。
「男女の間でいつも基準の違いはある。でも、それをなくしてく必要がある」とアザレンカは主張した。(C)AP(テニスマガジン)
※トップ写真はアリゼ・コルネ(フランス)
Alize Cornet of France on Day Two of the 2018 US Open at Flushing Meadows Corona Park on August 28, 2018 in New York City. (Photo by Marek Janikowski/Icon Sport via Getty Images)
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