阿部宏美(愛知啓成)が高校チャンピオンへ [東海インターハイ]
第75回全国高等学校対抗テニス大会および第108回全国高等学校テニス選手権大会(東海インターハイ・テニス競技/8月2~4日団体戦、5~8日個人戦/霞ヶ浦テニスコート、四日市ドーム、三滝テニスコート)の大会7日目/最終日、女子は個人戦シングルスの決勝が行われ、阿部宏美(愛知啓成)が押川千夏(仁愛女子)を2-6 6-3 7-5で下して初優勝。ダブルス決勝は石川琴実/野口綾那(白鵬女子)が伊藤さつき/中島美夢(相生学院)を6-4 6-3で退け、日本一の称号を手にした。
阿部と押川の一戦は9時から四日市ドームの8番コートでスタート。お互いにミスの少ないラリーの応酬から幕を開ける。まずチャンスを手にしたのは押川だった。「ミスも少なくチャンスボールも決められた」と語るように、3-2で迎えた第6ゲームでブレークに成功。その後はゲームを連取して6-2で第1セットを奪う。
リードを奪われた阿部は一昨日から右太ももを痛め状態は万全ではなかったが、決勝当日は痛み止めの薬、そしてテーピングの巻き方を変えたことで痛みも緩和した。足を使ったテニスを2セット目以降も続け「ポジションを下げず、とにかくラリーを続ける」戦略を試みた。これが見事に的中する。
第2セットの第5ゲームでブレークを奪い、3-2から4-2、5-3とサービスをキープ。リターンゲームで集中力を高め、第9ゲームでふたたびブレークチャンスをものにした。最終セットに勝敗は委ねられた。
最終セットは序盤からこう着状態が続いたが、試合は第7ゲームで動く。阿部が2度のダブルフォールトをおかしてゲームを落とすと、続くゲームも奪われゲームカウントは3-5。しかし、追い込まれても「相手のほうが疲れているように見えた」と冷静さは失わない。押川を前後左右に走らせ、ミスを待つことで勝機を見出していく。
ラリー戦でミスが増え始めた押川をじわじわと追いこむと、阿部は3-5から一気に4ゲームを連取。3時間の熱戦に終止符を打ち、ポーカーフェイスの阿部は優勝にわくスタンドの仲間に笑顔で応えた。
前日に「いいコンディションで明日(の決勝)を迎えたかった」と語っていた阿部。決勝当日はともに3年間を戦った同級生たちのサポートを受け、愛知から後輩たちも会場入り。「応援されている感じで、これは(試合を)諦めちゃいけないって…」と涙を拭った。女子の愛知県勢では2011年の吉冨愛子(椙山女学園)以来7年ぶりの高校チャンピオン誕生。うれしい自身初の全国タイトルを獲得した。
押川は最終セットの第9ゲームで優勝まで2ポイントと迫るも、あと一歩が届かなかった。「試合前からラリー戦は覚悟していた。優勝を意識して焦ったのかもしれない」と悔しさを滲ませる。ただ、チャンスとみるや果敢に攻め続ける姿勢は見事。今年の国体は地元・福井県での開催。この悔しさをぜひ福井の地でぶつけてほしい。
ダブルスを制した石川/野口は1回戦から危なげない試合運びで頂点へと駆け上がった。8ゲームズプロセットマッチの1回戦から準々決勝は相手に3ゲーム以上を奪われず、準決勝と決勝もストレート勝利。関東大会を制した実力を見せつけ、完全優勝を果たした。
白鵬女子のNo1、2として団体戦の頂点を目指したふたり。結果はベスト8止まり。石川は「団体で負けた分もリベンジできてうれしい」と喜ぶ。野口がベースラインからゲームを組み立て、石川がネットプレーで仕留める形は決勝でも機能。伊藤/中島の反撃を跳ね返し、白鵬女子として初のインターハイ王者となった。
(編集部◎中野恵太)
※トップ写真は、優勝を決めて笑顔を見せる阿部宏美(愛知啓成)
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