地元カナダの17歳オジェ アリアシムについて、ジョコビッチもコメント [ロジャーズ・カップ]

 カナダ・トロントで開催されている「ロジャーズ・カップ」(ATPマスターズ1000/8月6~12日/賞金総額593万9970ドル/ハードコート)の男子シングルス1回戦で、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)がラッキールーザーのミルザ・バシッチ(ボスニアヘルツェゴビナ)を6-3 7-6(3)で下し、2回戦に駒を進めた。

 また元世界3位のスタン・ワウリンカ(スイス)は劣勢を覆し、第16シードのニック・キリオス(オーストラリア)に1-6 7-5 7-5で逆転勝ちをおさめた。

 ロジャーズ・カップで4度優勝した経験を持ち、今年のトロントでは第9シードのジョコビッチは、バシッチに対する試合でサービスをうまく機能させていた。彼は9本のサービスエースを奪い、ファーストサービスの76%を入れて、ファーストサービスからのポイントの76%を取っただけでなく、セカンドサービスからのポイントの79%を取った。

 彼は第2セットの終わりに多少の問題を抱え、サービスを落としてタイブレークを強いられたが、結局ストレートで試合をものにした。2016年ロジャーズ・カップで優勝した経験を持ち、先のウインブルドンで優勝したばかりのジョコビッチは、次のラウンドでワイルドカード(主催者推薦枠)で本戦入りしたベテランのピーター・ポランスキー(カナダ)と対戦する。

 グランドスラム大会優勝歴3回のワウリンカは、膝の手術に続き調子を取り戻そうと苦闘する中、世界ランク195位として大会を迎えていた。彼はもともと予選出場権を与えられていただけだったが、元ナンバーワンのアンディ・マレー(イギリス)が出場を取り消したため、急遽ワイルドカードでの本戦出場権を手に入れた。

 キリオスは1回戦にしては非常に好カードとなったこの試合の第1セットを支配しつつ、2度ワウリンカのサービスをブレークし、7本のサービスエースを記録した。

 しかし、ワウリンカはここから反撃し、ファーストサービスの86%を得点に変えて、第2セットを取る。彼は第3セットの最後のゲームでキリオスのサービスをブレーク。キリオスはワウリンカのリターンに対処できず、ワウリンカは手にした2度目のマッチポイントをものにした。

「スタンにとって、健康で、痛みなく、このような試合を勝ち抜けるというのはいいサインだ」とキリオスはコメントした。

「彼はいいレベルでプレーしている。彼は世界クラスのバックハンドを持つ男だ。こういった試合は、彼に自信を与えることだろう。でも僕は、この試合から何ひとつポジティブな点を持ち帰ることはできない」

 そのほかの試合では、ロビン・ハッサ(オランダ)が日本の錦織圭(日清食品)を7-5 6-1で下した。また、サム・クエリー(アメリカ)、フランシス・ティアフォー(アメリカ)、ライアン・ハリソン(アメリカ)、カレン・ハチャノフ(ロシア)、ステファノス・チチパス(ギリシャ)らが初戦を勝ち上がった。ティアフォーは2回戦で、ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)と対戦する。

 新鋭デニス・シャポバロフ(カナダ)もまた、センターコートのナイトマッチで46位のジェレミー・シャルディ(フランス)を6-1 6-4で下し、2回戦に進んだ。19歳ながら26位と、男子シングルス本戦ドローの中でカナダのナンバーワンであるシャポバロフは、エドモントン・オイラーズ(カナダのプロ・アイスホッケー・チーム)のキャプテン、コナー・マクデビッドを含む母国の観客の声援を浴びながら戦い、勝利を決めた瞬間、力強い叫びを上げた。

 シャポバロフは2回戦で、第14シードのファビオ・フォニーニ(イタリア)と対戦する。

 一方、ワイルドカードで出場した17歳のフェリックス ・オジェ アリアシム(カナダ)は、ルカ・プイユ(フランス)を6-4 6-3で下す番狂わせに成功し、同大会本戦初出場にして2回戦進出を決めた。今週初めにキャリア最高の133位に至ったモントリオール出身のオジェ アリアシムは、アビバ・センターのセンターコートで18位のプイユを下すのに、1時間18分を必要とした。

「彼はこの勝利で本当に気持ちを高揚させている。僕は、『よし、続けざまに勝って、ふたりのカナダ人が2回戦に進出するようにしよう!』という気持ちだった」と今回ダブルスでオジェ アリアシムとペアを組んでもいたシャポバロフは言った。

「すごくうれしいよ。これはカナダテニスにとって、吉日だ」

 もうすぐ18歳の誕生日を迎えるオジェ アリアシムは、相手に許した6度のブレークチャンスのうち5度をセーブし、反対に手にしたブレークポイント6本のうち3本をものにした。

「そのことを1年を通しずっと考えていたから、奇妙な感じだ。僕は、『よし、今年、僕は18歳になる。すごくわくわくするな』と思っていた」とオジェ アリアシムは言った。

「誕生日のプランはすでに立てていたけど、今はここで大会がある。だから僕にはほかの優先事項があるというわけだ」

 彼は、第1セットの第2ゲームでプイユのサービスをブレークし、3つのブレークポイントをしのいで3-0とリードを奪い、力強く試合を始めた。

 彼が5-3からサービスに入ったとき、プイユもブレークして意地を見せた。しかし、彼は奮起してブレーク仕返し、客席でカナダの旗を振るファンたちから、大歓声を引き出した。

 第2セットでつかんだもうひとつのブレークポイントをものにしたオジェ アリアシムは、試合の残りで自分のサービスをキープして、マスターズ(ATP1000)でキャリア2度目となる勝利を確保した。

 彼は2回戦で、予選を勝ち上がったダニール・メドベデフ(ロシア)と対戦する。メドベデフは月曜日に第13シードのジャック・ソック(アメリカ)を下す番狂わせを演じていた。

 4月のインディアンウェルズの1回戦で、オジェ アリアシムは同胞のバセッツク・ポスピショル(カナダ)を倒し、マスターズ・レベルの大会で勝利を挙げた、初の21世紀生まれのプレーヤーとなっていた。

 オジェ アリアシムは、2016年にトロントでのロジャーズ・カップの予選で敗れ、モントリオールで行われた2017年大会では左手首の故障のため、ワイルドカードでの出場を取り下げなければならなかった。彼は2018年を161位の選手として始めた。

 ジョコビッチは、大会を1日前の夜に始めていた。彼はウインブルドン準優勝者のケビン・アンダーソン(南アフリカ)とペアを組み、ダブルス1回戦でオジェ アリアシム/シャポバロフのカナダ10代ペアを倒していたのだ。

「フェリックス、彼はまだ18歳にもなっていないというのに、このレベルでプレーし、コート上で献身と意志の強さを見せている。そういったものを目にするのは、かなり素敵で新鮮なことだ」とジョコビッチは言った。

「我々は若い選手がいいプレーをし、世界最高峰の選手たちに挑戦するところを見たい、と思っている」(C)AP(テニスマガジン)

※写真はフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)
TORONTO, ON - AUGUST 07: Felix Auger-Aliassime of Canada celebrates victory over Lucas Pouille of France following a 1st round match on Day 2 of the Rogers Cup at Aviva Centre on August 7, 2018 in Toronto, Canada. (Photo by Vaughn Ridley/Getty Images)

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