女子は相生学院(兵庫)が同校初の春夏連覇を達成 [東海インターハイ]
第75回全国高等学校対抗テニス大会および第108回全国高等学校テニス選手権大会(東海インターハイ・テニス競技/8月2~4日団体戦、5~8日個人戦/霞ヶ浦テニスコート、四日市ドーム、三滝テニスコート)の大会3日目は、男女団体の準決勝と決勝が行われ、女子決勝は相生学院(兵庫)が仁愛女子(福井)を2勝0敗で破り、3年ぶり2度目の日本一に耀いた。
第1シードの相生学院は愛知啓成(愛知)を2勝1敗で破って決勝に進出。シングルス2本を分け合い、田中菜冴美/古賀麻尋のダブルスが粘る安井愛乃/日野有貴子を6-2 4-6 6-2で振り切っての勝ち上がりだった。
選抜に続いて相生学院に敗れた愛知啓成だが、「結果は満足できるもので、(選手は)最後まで全力を出し切ってくれた」と伸居勝己監督。キャプテンの安井愛乃も「悔しさより3回戦(早実戦)や四日市商との準々決勝に勝てたうれしいも大きい」と納得の表情。春夏の連続4強入りは同校初となる。この結果は何よりも実力の証と言えるだろう。
もう一方の準決勝は、仁愛女子がS1押川千夏とS2溝口英蘭のシングルス2本でストレート勝利。野田学園(山口)を2勝0敗で下して決勝に駒を進めた。
2年ぶりの頂点を目指した野田学園は準決勝敗退に終わったが、キャプテンの倉橋奈摘を中心にチームがよくまとまっていた。1回戦から接戦をものにする戦いぶりはさすがの一言。田中聰規監督も「全体的にはよくやったと思う。(選手たちは)ノーシードから這い上がる勝ち方も学べたのでは」と手応えを口にした。
インターハイ決勝は相生学院と仁愛女子に決まり、選抜と同じ組み合わせとなった。注目の一戦はスタートから相生学院が流れをつかむ。シングルス2本とダブルスの3試合すべてで第1セットを先取。最後までこの勢いを継続したのはS2の中島美夢だった。「1ポイント1ポイントを集中した」ことで、持ち味の攻撃力を存分に発揮。選抜の決勝でもストレート勝ちを収めた相手、溝口英蘭に6-3 6-2と快勝する。
S1とダブルスの第2セットは、お互いの意地がぶつかる試合展開となった。そんな中、S1の伊藤さつきと押川千夏の試合が動く。リードを奪ったのは伊藤。5-5で迎えた第11ゲームでブレークに成功。日本一まであと一歩と迫るも、ここで押川も反撃を開始する。
何度も訪れたチャンピオンシップポイントを跳ね返され、その隙にダブルスの第2セットは仁愛女子がタイブレークの末に奪取。プレッシャーもさらに大きくなることでミスも増えた。しかし、ここで「応援してくれる仲間の声援が一番力になった」と伊藤。果敢に攻め続ける相手のショットに耐えながら、最後は押川のボールがエンドラインを大きく越え、相生学院のインターハイ優勝が決まった。
「春夏連覇は選手たちの夢だった。ここまでやってきた甲斐があった」と丸尾幸弘監督の表情も和らぐ。チームの主将を務め、今回は応援に回った姫野ナルは「本当にうれしい。応援でみんなのサポートができた」と振り返り、登録メンバーのキャプテンを務めた田中菜冴美も「応援の力も本当にすごかったし、そのおかげで優勝できた」と喜びを噛み締める。
これまで選抜とインターハイで優勝経験がある相生学院だが、今年は同校初となる春夏連覇を達成。経験豊富なメンバーが揃い、1年生の新戦力、木本海夢夏も加わったことで過去最高の成績、選手層で偉業を果たすこととなった。
仁愛女子は選抜と同じく相生学院の前に屈したが、「それぞれの役割をきっちりと果たしてくれた」と冨田典江監督。決勝後に涙を流した主将の押川は「自分が第2セットを取っていれば結果も変わったかもしれない」と唇をかむ。決勝は3試合ともに出だしの悪さが最後まで尾を引いたが、仁愛らしい最後まで諦めないテニスを今年の夏も見事に見せつけた。
大会4日目となる8月5日からは個人戦がスタート。男子シングルス1~4回戦と女子ダブルス1~3回戦、準々決勝が行われる。試合開始時間は9時の予定。
(編集部◎中野恵太)
※トップ写真は、優勝後に恒例となった歓喜のジャンプを披露した相生学院(写真◎小山真司)
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