ワウリンカはヤングに敗れ、錦織との対戦は実現せず [シティ・オープン]
アメリカ・ワシントンDCで開催されている「シティ・オープン」(ATP500/7月30日~8月5日/賞金総額214万6815ドル/ハードコート)の男子シングルス1回戦。
スタン・ワウリンカ(スイス)の手術により修復された左膝は、問題なく動いていた。今、厳しいシーズンを潜り抜けていく中で、この3度グランドスラム大会で優勝した男に欠けているのは、成功によってもたらされる『自信』だろう。
ワウリンカの最新の早期敗退は、火曜日の夜のワシントンDCで起きた。彼はこのハードコートの大会の1回戦で、予選を勝ち上がった世界234位のドナルド・ヤング(アメリカ)に4-6 7-6(5) 6-7(3)で敗れたのである。
「多くのミスをおかした。そして、望んでいたようなフィーリングを得られなかった。僕は間違いなく自信を取り戻さなければならない」とワウリンカはコメントした。彼は元世界3位だが、昨年行った膝の手術と、それにともなう戦線離脱のあと、現在は198位まで落ち込んでおり、2018年の戦績は6勝11敗と負け越している。
「多くの試合に勝てないというのは辛いことだ。そんなだと、コート上で過剰に考え始めてしまう」
これはワウリンカにとって、7月のウインブルドン2回戦負け以来の失脚だった。現在の彼はランキングがこうも低いために、次の大会であるトロントの予選に出場するためにワイルドカード(主催者推薦枠)が必要となっている。
これ以前に彼が、USオープンの準備大会であるワシントンDCに出場したのは2010年のことで、そのときも初戦負けを喫していた。
今、彼の問題は、試合の重要なポイントで疑念にとらわれてしまいかねないことだ。
「非常に近くまできていると感じるが、同時にひどく遠いとも感じる。現在のポジティブな点は、肉体的にはいい感じを覚えているということ。テニス的には、いい練習を行っている。今やコートで多くの努力をつぎ込める」とワウリンカは言った。彼はUSオープン、オーストラリアン・オープン、フレンチ・オープンで一度ずつ優勝したことがある。
「望んでいるところまで戻れると確信している。ただ、そこまでが大変なだけだ。それは長い道のりであり、その事実を受け入れなければならない」
ワウリンカと、今年ここまで2勝10敗という不振だったヤングは、月曜日の夜にプレーするはずだったが、雨による遅延、また彼らの前に組まれていた試合が長引いたため、ウォームアップをしようとコートに入ったときには、すでに午前1時を過ぎていた。さらにそこで土砂降りとなったため、試合は翌日に順延された。
ワウリンカは火曜日に、フォアハンドをネットにかけて最初のゲームでブレークされ、それが結果的にこの試合唯一のサービスブレークとなった。その後、ワウリンカは第2セットのタイブレークで3-5とリードされ、敗戦まであと2ポイントと迫った。しかし、4-5からのヤングのダブルフォールトを含む一連のミスのおかげで、勝負の行方は第3セットへ。そしてここではヤングが踏ん張り抜き、やはりタイブレークの末、勝利をつかんだ。
ヤングは次のラウンドで、2014年USオープン準優勝者の錦織圭(日清食品)と対決する。
「メンタル的な戦いだったが、最終結果がW(勝利)となってうれしい」とヤングは言った。「試合にとどめを刺す力は、勝つことから学びとれる『スキル』のようなものであり、ずっとそれができずにいたが、今日、僕はそれをやってのけることができた」。
第1シードで前年度覇者のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)は、センターコートの最後の試合でマレク・ジャジリ(チュニジア)に対して第1セットを6-2で取ったが、雨のために試合はそこで順延となった。順延が決まったときには、すでに午前1時を過ぎていた。彼らは水曜日に試合を再開することになる。
より早い時間帯の試合では、今週、近隣のアーリントンにある両親の家に滞在している地元出身のデニス・クドラ(アメリカ)が、出場7回目にして初となる勝利をもぎ取った。彼はルーカス・ラッコ(スロバキア)に6-7(3) 6-1 6-4で逆転勝ちした。
「ここは僕がずっと勝ちたいと思っていた場所だ。でも、勝てずにずっと苦労してきた。以前の僕のここでの戦績は、かなりひどいものだった」とクドラは言った。彼はここまで本戦で0勝4敗、予選で0勝2敗だったのだ。
「でも今日、すべてがついにいい形でまとまった」
2010年準優勝のマルコス・バグダティス(キプロス)は、ブノワ・ペール(フランス)を6-3 3-6 6-2で下して2回戦に駒を進めた。ムーディーな性格で知られるペールは、癇癪を起こしてラケットを叩き折り、観客からブーイングをくらった。2014年準優勝のバセック・ポスピショル(カナダ)は、19歳のアレックス・デミノー(オーストラリア)に7-6(6) 2-6 3-6で敗れた。
ワイルドカードで出場したダニール・メドベデフ(ロシア)は予選勝者の綿貫陽介(日清食品)を3-6 7-5 6-1で破り、2回戦で第9シードのデニス・シャポバロフ(カナダ)と対戦する。(C)AP(テニスマガジン)
※写真はスタン・ワウリンカ(スイス)
WASHINGTON, DC - JULY 31: Stan Wawrinka of Switzerland returns a forehand shot to Donald Young of the U.S. (not in frame) during Day Four of the Citi Open at the Rock Creek Tennis Center on July 31, 2018 in Washington, DC. (Photo by Mitchell Layton/Getty Images)
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