ジェームズ・ブレイクを誤って捕らえた警官が、死の強迫を受けたと主張

 マンハッタンのホテルで、引退したテニス選手のジェームズ・ブレイク(アメリカ)を犯罪者と見間違え、タックルを食らわせた警官が火曜日に、彼と彼の家族は2015年のあの一件のあと、殺すという脅しを一度ならず受け取っていると証言した。

 警官のジェームズ・フラスカトーレは、クレジットカード詐欺の犯罪者たちを追う隠密捜査の一員で、ブレイクを容疑者のひとりと勘違いした。セキュリティ・ビデオは、フラスカトーレがブレイクにタックルし、手錠をはめている様子をとらえていた。ブレイクは、警官が人違いだと気づいたあとに釈放された。市長と元警視総監は、ブレイクに公式な謝罪を述べていた。

 この一件にかかわる裁判でフラスカトーレは、ブレイクに似た男を捕らえろという上からの命令に従っただけだと言った。彼はまた、この事件のせいで自身のキャリアは崩壊したと主張し、彼と家族の生活に大変動がもたらされた、という表現を使った。

「それを表現する最良の言い方は、“地獄”だ」と彼は言った。

「私の子供たち、妻、私自身への死の脅迫を受け取った。何度も引っ越さなければならなかった」

 フラスカトーレはまた、「過剰に乱暴な警官の、いつわりの物語を創作した」としてブレイクを責め、「彼は部分的に黒人で、私は白人だ。それを人種差別的な問題にされてしまった」とも言った。

 ブレイクの母は白人で、父親は黒人だ。ブレイクは、この一件の問題は、主に(警官が)過剰な力を行使したことだが、また、有色人種の人々が一般的にどのような扱いを受けているか、に関わることでもある、と言っていた。

 火曜日の裁判の終わりに、検事のハビエル・セイモアは、フラスカトーレは署の規則を破ったと言った。フラスカトーレの最初の裁判で、警察監視人の弁護士は、過剰な力を使ったことで、フラスカトーレは10日分の休暇を取り上げられると言ったが、警視総監がこの推薦案を覆し、処罰は5日の休暇返上に。ブレイクは、この罰は軽すぎると主張した。

 2回目の裁判は、フラスカトーレは調査に自ら参加し、一件のビデオの長いバージョンをメディアに漏洩したという嫌疑によって始められた。

 フラスカトーレは、死を示唆する脅迫を止めようと義理の姉がその情報を漏らしたと主張し、自身が長いバージョンの映像を漏洩させたと誰かに言ったことはないとした。彼はまた、NYPD(ニューヨーク市警察)が、誤った逮捕のあとに自分がブレイクと握手し、謝罪している場面を見せている、より長いバージョンのビデオをリリースしなかったことに腹を立てていると言った。

「ビデオの一部だけがリリースされたということを考えると、非常に腹立たしい」とフラスカトーレは言った。彼の弁護士であるピーター・ブリルは、NYPDはこの事件に過剰反応したと言った。

「警察は、彼を責め過ぎている。彼は単に自分の仕事をしただけなのだ」。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は今年3月のマイアミ・オープンでのジェームズ・ブレイク(アメリカ)、大会トーナメント・ディレクターを務めている
KEY BISCAYNE, FL - MARCH 24: Members of the Boys and Girls Tennis team from Marjory Stoneman Douglas High School stand with Tournament director James Blake and the players from the ATP and WTA during Day 6 of the Miami Open at the Crandon Park Tennis Center on March 24, 2018 in Key Biscayne, Florida. (Photo by Al Bello/Getty Images)

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