昨年準優勝のワウリンカが初戦敗退、ジョコビッチは2回戦へ [フレンチ・オープン]

 フランス・パリで開催されている「フレンチ・オープン」(5月27日~6月10日/クレーコート)の大会2日目、男子シングルス1回戦。

 ノバク・ジョコビッチ(セルビア)同様、元フレンチ・オープン・チャンピオンのスタン・ワウリンカ(スイス)は手術を経て、現在復帰の努力を積んでいる。

 ジョコビッチのようにワウリンカも故障による休止のせいで、もう10年も縁がなかったほど低い位置までランキングを下げている。 また、ジョコビッチと同じようにワウリンカも、キャリアの初期に自分を成功に導いたコーチとふたたび手を組んだ。

 この双方の選手が月曜日に初戦をプレーしたが、ストレート勝ちしたジョコビッチと違い、ワウリンカは、彼をパリやほかの場所でグランドスラム・タイトルに導いた、ハイレベルのプレーを呼び起こし、維持することができなかった。

 2015年にタイトルを獲得し、1年前に決勝に至った場所に戻ってきたワウリンカは、世界ランク67位のギジェルモ・ガルシア ロペス(スペイン)に2-6 6-3 6-4 6-7(5) 3-6で敗れた。

「僕はキャリアの中で3つのグランドスラムで優勝した。それを成し遂げるには何が必要かわかっている」と第23シードのワウリンカは言った。彼は現在、世界ランク30位で、これは2008年4月以来、彼には親しみのなかったランキング・ゾーンだ。

「そして僕のゴールは、自分の最高レベルに至ることだ。遅かれ早かれ、それは現実となるだろう」

 ワウリンカは、昨年8月に2度手術を受けた左膝を休めるため、3ヵ月間、プレー休止を余儀なくされたあとツアーに戻ってきた。彼は2018年はフレンチ・オープンが始まる前までに10試合をプレーし、戦績は4勝6敗だった。

 月曜日の試合は3時間半にもおよんだため、ワウリンカは1年前のアンディ・マレー(イギリス)に対するフレンチ・オープン準決勝での勝利以来となる、5セットをプレーする肉体的疲労に道を阻まれた。しかしそれは、勝利の最大の障害物ではなかった。

「何より精神的な面で、継続的に果敢に攻撃することが困難だったんだ」とワウリンカは説明した。

 テニス界でもっとも美しい片手打ちバックハンドを打つプレーヤーの一人であるワウリンカは、バックでは12本しかウィナーを決めることができず、反対にアンフォーストエラーは35本にもおよんだ。さらにワウリンカは、ガルシア ロペスより32本も多い、合計72本のアンフォーストエラーを記録した。

 ガルシア ロペスは、グランドスラム大会で一度も4回戦を越えたことがない。

 ワウリンカは今、ふたたびマグナス・ノーマン(スウェーデン)とともに働いている。

「フラストレーションはない。ただ骨が折れるだけ」と、一時は世界3位にまで至っていた33歳のワウリンカは言った。

「でも僕は正しい軌道の上を歩んでいる。今日も、もう少しのところだった」

 元世界1位のジョコビッチは、現在22位で、これは彼にとって2006年以降で最悪のランキングだ。彼はこの日、最初の2ゲームを落としたあと、迅速に回復して、134位のロジェリオ・ドゥトラ シルバ(ブラジル)を6-3 6-4 6-4で倒した。

 2016年フレンチ・オープンで優勝し、生涯グランドスラム(キャリアを通して、4つの異なるグランドスラム大会のタイトルを獲得すること)を達成して、半世紀ぶりに連続して4大大会のトロフィーを獲得した選手となって以来、ジョコビッチは後退した。それ以来、彼は一度もグランドスラム大会で優勝しておらず、1年以上も右肘の問題と格闘したあと、結局、2月に手術を受ける道を選んだ。

「すごく掘り下げなければならなかった」

 自らのテニスを再建しようと努めるために必要だった仕事、努力について論じながら、彼はこう言った。

「僕が抱えた中でもっとも骨の折れる故障で、それと向き合うのはたいへんなことだった。長い12ヵ月だったが、ここ数週間というもの、僕はよりよいプレーを始めていると感じている」とジョコビッチは言った。

 彼は長年連れ添った元コーチのマリアン・バイダをふたたびコーチとして、ロラン・ギャロスにやってきた。

「肘については考えていない。痛みなくプレーしている。現時点では、これがもっとも重要なことなんだ」(C)AP(テニスマガジン)

※写真はスタン・ワウリンカ(スイス)(撮影◎毛受亮介)

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