前年度覇者オスタペンコが初日敗退、エラー48本 [フレンチ・オープン]
27日にフランス・パリで開幕した「フレンチ・オープン」(5月27日~6月10日/クレーコート)の女子シングルス1回戦。
昨年、キャリア初のツアー・タイトルを、グランドスラムのフレンチ・オープンで獲得し、世界をあっと言わせた、その1年後、エレナ・オスタペンコ(ラトビア)はふたたび類い稀なことをやってのけた 。
グランドスラム大会で1回戦負けを喫した前年度優勝者となったのだ。
日曜日に、オスタペンコの“ハイリスクのテニス”は、報酬よりもはるかに多くの問題をもたらした。彼女はセンターコートであるフィリップ・シャトリエ・コートで、世界ランク67位のカテリーナ・コズロワ(ウクライナ)に5-7 3-6で敗れたのである。
この結果、オスタペンコはフレンチ・オープンの1回戦で敗退した史上2番目のディフェンディング・チャンピオンとなった。以前には2004年優勝者のアナスタシア・ミスキナ(ロシア)に同じことが起きており、全グランドスラム大会を見ても、プロ化以降の時代で6度目に過ぎない。
「この試合からは何も期待していなかった」とコズロワは試合後のオンコート・インタビューの際に言った。「ただただ、素晴らしい気分だわ」。
そしてこれは大会1日目の唯一の大きな驚きではなかった。グランドスラム大会を7度制した37歳のビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)が、85位のワン・チャン(中国)に4-6 5-7で敗れる番狂わせも起きたのだ。
第9シードのビーナスは、1月のオーストラリアン・オープンでも初戦負けを喫しており、ビーナスが2つのグランドスラム大会で連続して1回戦負けを喫したのは、そのキャリアを通し、これが初めてのことだった。
2017年には20歳で、47位に過ぎなかったオスタペンコは、キャリア初のツアー・レベルでの優勝をグランドスラム大会で果たした。そのようなことが起きたのは、1979年以来のことだ。しかし今年のオスタペンコは、険しい道を歩いてきた。今季の彼女の成績は12勝12敗。一方、24歳のコズロワは4勝6敗という、いっそう悪い戦績を手にロラン・ギャロスに到着していた。
これ以前に唯一、本戦を入りを果たした昨年のフレンチ・オープンで、コズロワは1回戦負けを喫している。総じて見ても、彼女はグランドスラム大会の本戦で7試合をプレーして1度しか勝ったことがなかった。コズロワはこの日、第5シードのオスタペンコに対し、トップ30位内の選手に対する初勝利を挙げたのである。
多くの意味で、オスタペンコは自ら破滅の原因をつくった。彼女は、コズロワの2倍にあたる48本のアンフォーストエラーをおかし、それはオスタペンコが獲得したウィナー22本に対し、コズロワが13本という、ウィナーの優位性を相殺するのに十分だった。
オスタペンコはコズロワに対し、16本のブレークポイントのうち7本をものにすることを許しており、それには自らのバックハンドのネットミスで、1時間半の戦いに終止符を打ってしまった瞬間も含まれていた。
試合が終わるや、オスタペンコは一目散にロッカールームに向かい、コートから姿を消した。彼女は観客の拍手に応えるため左手を挙げはしたが、歩き去りながら視線は地面に落としたままだった。
コズロワは、ことの大きさと右足の靴擦れにも関わらず、落ち着きを保っていた。彼女は第1セットのあとメディカル・タイムアウトをとって、トレーナーによる治療を受けた。
「実は3つマメができていたんだけど、1つが出血して最悪の状態だったのよ」と試合後にコズロワは言った。
「でも試合をプレーしているときには、痛みを感じないこともあるものよ…私は集中し続けようと努めていたの」(C)AP(テニスマガジン)
※トップ写真は1回戦敗退のエレナ・オスタペンコ(ラトビア)(撮影◎毛受亮介)
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