テニスの心理学〜“心”技体を鍛えてメンタルタフになれ!(佐藤雅幸 著)

Tennis Magazine extraシリーズ

ココロとカラダはつながっている
テニスの心理学
“心”技体を鍛えてメンタルタフになれ!

佐藤雅幸


さとう・まさゆき◎1956年、山形県生まれ。82年日本体育大学大学院体育学科研究科修士課程修了。専修大学教授(スポーツ心理学)、同大学スポーツ研究所顧問。同大学女子テニス部の監督を務め、92年は王座優勝を果たした。94年には、長期在外研究員としてカロリンスカ研究所(スウェーデン)に留学。2016年4月よりHALEOスポーツサイエンスリサーチ。また、松岡修造氏が主宰する「修造チャレンジ」におけるメンタルサポートの責任者。主な著書は、『スランプをぶっとばせ!』(監訳/ベースボール・マガジン社)、『起きあがりことば』(朝日出版)、『人はなぜ、負けパターンにはまるのか』(ダイヤモンド社)、『女子選手のコーチングメソッド』(メイツ出版)など多数



2023年4月5日発売
A5判/256ページ/定価1980円(税込)
ベースボール・マガジン社

 私はこれまでにジュニアからトッププロまで、数多くのアスリートの心理サポートをしてきました。その中でいつも感じていることがあります。一般的にアスリートは性格的に明るく、細かいことに拘らない、いわゆる明るいイメージを持たれていることが多いのですが、実は競技に真剣に取り組めば取り組むほど、自分を追い込み、追い詰め、悩み、苦しみ、もがくのです。アスリートはとてもデリケートです。

 本書はそういうアスリートに向けて、スポーツ心理学の基本理論とテニスの指導事例を組み合わせて解説をしています。私がこれまでに関わってきたテニスの選手やコーチたちは、選手やコーチである前にひとりの人間でもあります。ですから、一人ひとりを人としての原点から見ていくように心がけてきました。そうするとここに記した内容は、テニスの選手やコーチの現場での課題解決に役立つものであるとともに、一人ひとりの人生におけるものの見方、考え方、生き方に応用できるものとなっています。

 人生はドラマのようなものです。ときには勝ち、ときには負けて挫折をすることもあるかもしれません。しかし、その起伏が大きいほど人生はドラマチックになります。人生の脚本を書くのはあなた自身です。筋書きはあなた自身が書くもの。今日までのストーリーは消し去ることはできませんが、明日からのストーリーは書き直すことだってできるのです。ドラマの最終章をどうするかは、あなた自身にかかっています。そういう気持ちでこの本を読み進めてください。(佐藤雅幸)



CONTENTS
Introduction どのメンタル要素が弱いのか

Q1 メンタルが原因だと決めつけていませんか?

Q2 結果ばかり気にしていませんか?

Q3 “メンタルゲーム”を仕掛け過ぎていませんか?

Q4 試合中に夢や幻を見ていませんか?

Q5 何に集中するべきかわかっていますか?

Q6 ただ漠然とプレーしていませんか?

Q7 自分の興奮レベルがわかっていますか?

Q8 あれもこれも同時にやろうとしていませんか?

Q9 びびりが悪いと思っていませんか?

Q10 試合中に「もう負けてもイイや」とあきらめていませんか?

Q11 心の準備はできていますか?

Q12 自分と会話ができていますか?

Q13 楽しんでプレーできていますか?

 メッセージ

Chapter1 心の構造分析

テニスにおけるメンタル

自分の「心」を知ろう

ところで「心」とは?

交流分析におけるエゴグラム作成

基本的な「構え」と「ストローク」

思考と行動をコントロールする

自分自身の「人生脚本」

「末っ子最強説」を探る

Chapter2 メンタルテスト

勝者のメンタリティを考えるテスト

固定概念のメカニズム

自己表現力につながるメンタルテスト

・テスト①ジョハリの窓

・テスト②アサーション度チェック

・テスト③アグレッシブ度チェック

・アサーティブ(主張的)になろう

・テスト④心の三角形

目標を書き出す

・テスト①目標達成図の作成

・テスト②成功する人の資質チェック

これが成功者の秘密

Chapter3 勝者に共通する考え方

「環境」が「場」をつくる

思い込みを変える方法

感情のコントロール法

究極のエクスキューズ

「表情」を武器にする

空気を読む力

「伸び悩み」の原因を考える

目指せ!防衛的悲観主義

「嫌な気持ち」を断ち切る

Chapter4 究極のポジティブシンキング

「開き直り」のメカニズム

「なんとかなるさ」の教え

自分で限界をつくらない!

「好不調の波」の正体

「自己像」を修正して格上に勝つ

ガッツポーズと心の関係

敗戦から学ぶ

振り返り書き込みシート(記入項目)

Chapter5 モーターラーニング(運動学習理論)

プリショット・ルーティーン

心身と相関する呼吸法

「修正能力」を高めよう

グレーディング(力感覚)能力を磨く

状況判断能力を磨く

・プレーの組み立て 自己チェックシート(記入項目)

Chapter6 スランプの克服

ケガや故障を乗り越えた選手が活躍する理由

苦手意識の克服

積極的休息(アクティブ・レスト)のすすめ

大きな根っこなくして大きな木は育たない

Chapter7 メンタルタフになる

自分なりの「哲学」を持つ

ラベリングの落とし穴

勝利を導く「暗示」

「何もしてくれない」は大きな間違い

「下手の横好き」に学べ

「変化」の重要性

「マインドフルネス」とは?

集中力とビジランス

Chapter8 言葉の力

Chapter9 悩み相談

「悩み」が人を成長させる

「悩み」を「力」にする

「ゲシュタルト心理学」の応用

「ロールレタリング」のすすめ

悩みにお答えします

目標を達成するためのモティベーション

※本書は月刊誌『テニスマガジン』(ベースボール・マガジン社)で2002年7月号から2020年7月号まで掲載された3つの連載『Tennis Psychology~メンタルスキルをアップしよう!』『心の悩み解決します!~メンタル・クリニック』『メンタルNOTEBOOK』および特集記事をベースに、新たな原稿とイラスト、写真で編集・構成したものです。

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