ライバルに差をつけろ!自主練習シリーズ【テニス】(宮尾英俊 著)


ライバルに差をつけろ!自主練習シリーズ 
テニス




宮尾英俊

みやお・ひでとし◎1960年2月5日生まれ。愛知県出身。筑波大学卒。名古屋鉄道株式会社、(財)スポーツ医・科学研究所を経て、名古屋高等学校教員へ。大学卒業後は企業に勤めながら選手活動も行っていた。名古屋高校ではテニス部監督として全国高校総体で2000、02、03、10年と4度優勝へ導く。現在は同校教員のほか、(公財)日本テニス協会アカデミー委員、東海テニス協会ジュニア委員長を務める。また日本テニス協会のコーチ4および上級教師マスターの資格を保有。その資格者の中で、指導者養成も担う少数精鋭のマスターコーチにも認定されている。

自主練習シリーズ
・バレーボール
・バドミントン
・サッカー
・学童野球
・中学野球
・テニス(最新刊)

2023年6月5日発売
A5判、208ページ(オールカラー)
定価1870円(税込)
ベースボール・マガジン社

はじめに

 私が知る小学校、中学校、高校でテニスを始めた選手の多くは、強くなるために何をどう練習したらよいのかわからないと感じています。また、指導者もそういう選手たちに対してどう指導していったらよいか、試行錯誤していることが多いです。その気持ちはよくわかります。

 本書はそうした選手たちが指導者がいない環境であっても、やりたいと思ったときに自らテニスを始められ(進められ)、それぞれの技術やレベルに合ったページを選んで、自主的に練習ができるようにメニューを紹介しています。また、すでに競技を始めている選手たちだけでなく、これからテニスを始めたいと思っている「ゼロ」スタートの子供たちも「レベル1」として含め、メニューを用意しました。その上で、初心者は3ヵ月後の公式戦デビューに向けた取り組みを、続いて1回戦を勝ちたい、2・3回戦を勝ちたい、もっと勝ち進みたいと考えている選手、さらに全国大会を戦う上級者を「レベル5」として、5段階のメニュー構成にしました。

 いずれのレベルも基本と考え方は「試合が目標」で、試合への準備をどのように進めていくかを考えます。目標となる試合があると選手はやる気になり、日々の取り組みが具体的になります。そこに沿うように本書はありますので、選手も指導者も、選手のご家族も活用していただければと思います。

 試合を戦うと必ず結果が出ます。それを元に新たな課題を設定し、PDCAサイクル(Plan =計画、Do =実行、Check =測定・評価、Action =対策・改善)を回していき、次の目標、あるいは最終目標に向かって螺旋階段を上って行くイメージで継続してください。(宮尾英俊)



目次

序章 目標設定
試合に勝つことを目標に、必要な技術・戦術に挑戦する
技術・戦術上達計画|全体像
❶ サービス Service 
❷ フォアハンド&バックハンド Forehand & Backhand
❸ リターン Return
❹ ボレー Volley
❺ スマッシュ Smash
❻ ダブルス Doubles 
Column❶「大会前に勝負はほぼ終了している」

1章 初心者が3ヵ月後に大会に出場する
❶テニスとは? 
❷テニスには3つの局面がある
❸テニスコートの大きさ
❹試合の成り立ち
❺ポイント、ゲームのコール(数え方)
❻試合の進め方
❼テニスのマナー
サービス
1 アンダーサービス 
2 コンチネンタルグリップのサービス
3 ナチュラルスピン
フォアハンド&バックハンド
4 フォアハンドの基本
5 両手打ちバックハンドの基本
6 片手打ちバックハンドの基本
7 スライスの基本
リターン
8 テリトリーと構え
9 球なりに打ち返す
ボレー
10 コンチネンタルグリップでボレー
11 2ステップボレー
スマッシュ
12 サービスと同じが基本
13 フットワークで調整する
ダブルス
14 ダブルスのテリトリーを覚える❶
15 ダブルスのテリトリーを覚える❷
Column❷「セルフジャッジ」

2章 1回戦を戦う
サービス
1 ルーティーンを確立する
2 スピードと回転のバランスを調整する
3 3等分したサービスエリアを狙う
フォアハンド&バックハンド
4 ゴム紐でネットの高さを上げる
5 リカバリーをしながらロングラリー
6 ターゲットを設定してラリーする
リターン
7 最短距離で踏み込んでリターン
8 サービスを読む
ボレー
9 ラケット面をセットして足で打つ
10 ネットにつめてボレーを決める
11 ラケット面をセットして足でボレーボレー
スマッシュ
12 低いロブに対し上体を立ててスマッシュ
13 3~5歩、後退のフットワーク
ダブルス
14 クロスラリーのポジショニング
15 ストレートラリーのポジショニング
Column❸「壁打ち(相手がいない)は練習の原点」

3章 2、3 回戦を戦う
サービス
1 正面向きサービスでスピードアップ
2 セカンドサービスで自分と勝負
3 サービスからの3球目(フォア)攻撃
フォアハンド&バックハンド
4 打ち込み対ディフェンスラリー
5 ストライクゾーンで3回打つ
6 ニュートラライズボールを覚える
7 ボレーヤーの足下に沈むボールを打つ
リターン
8 サービスラインからのサービスを踏み込んでリターン 
9 回り込みフォアハンドでストレートへ攻撃リターン 
ボレー
10 浮いたボールをネット際までつめて決める 
11 同じテークバック(セット)からボレーを打ち分ける 
12 フットワーク&ボレーボレー
スマッシュ
13 連続手投げトスで時間負荷をかける
14 つめてボレー、下がってスマッシュ
ダブルス
15 ペアでボレーボレー、全員が足下を狙う
16 前衛は積極的にポーチに出てポジションチェンジ
17 アイ・フォーメーションにトライ
Column❹「ダブルスは究極のチーム競技~信頼と責任」

4章 トーナメントを勝ち進む
サービス
1 落下地点ではなく到達地点にターゲット
2 10球中何球入るか確率を考える
3 サーブ&ボレー(チャンピオンゲーム)
フォアハンド&バックハンド
4 ボレー対ストロークの突き上げ
5 アプローチショットでネットをとる
6 コースを変える(クロス、クロス、ストレート)
リターン
7 ストレートリターン
8 ブロックリターン(ロブ)
ボレー
9 ドライブボレーで押し込む
10 2球連続ローテーションボレー
11 20秒間ボレーボレー
スマッシュ
12 左右2箇所スマッシュ
13 前後3箇所スマッシュ
ダブルス
14 サービスダッシュとリターンダッシュ
15 ペアでボレーボレー
Column❺「部活は仲間づくり~チームメイトは一生の財産」

5章 全国大会に出場する
サービス
1 3球目攻撃❶サーブ&ボレー
2 3球目攻撃❷ドロップショット
3 立ち位置を変える
4 1st、2ndサービスの駆け引き
5 苦手なコースをなくす
フォアハンド&バックハンド
6 ベースライン後方3mでフォアのロングラリー
7 ベースライン上30秒間ラリー
8 全力で走ってランニングパス
リターン
9 サービスダッシュとリターンダッシュ全国編
10 トップスピンロブでストレートリターン
ボレー
11 アプローチ強打からネット対パス
12 アプローチショット2種からネット対パス
スマッシュ
13 ベースラインまで下がってスマッシュ
ダブルス
14 ストレートリターンからの展開
15 ペアのボレーボレー全国編
Column❻「テニスも人生も長所で勝負」

6章 磨け、自分 
1 スポーツマンシップにこそ価値がある
2 自主練とは、自ら主体的に学ぶこと 
3 試合を目標にした練習メニューの適正負荷 
4 普及・強化・指導者養成のアイディア『愛知カラーボールプロジェクト』

本書の使い方




シングルスと ダブルスを合わせて 77種の練習メニュー

  各レベルで取り組んでほしい技術と戦術のメニューを紹介しています。シングルスをベースに、サービス、フォアハンド&バックハンド、リターン、ボレー、スマッシュが身につくことを含めた戦術メニューと、各レベルの最後にダブルスの戦術メニューも加えて、シングルスとダブルスの試合で勝つことを目標にしています。メニューは全部で77種、それぞれのレベルに「最適負荷」をかけています。

自ら主体的に練習する (応用する)

 プレー環境は人それぞれです。コート面数、1面当たりの参加人数、練習時間、指導者の有無などの違いがあります。恵まれた環境にいる人は少なく、大多数は十分な環境が整っていないでしょう。そういう人たちでも上達できるようにこの本は、1人でも行える練習メニューから、大人数でも少しの応用でみんなで行える練習メニューまでを紹介しました。自らが主体的に練習することそれが自主練習です。自主練習を行うことによってみなさんが上達していくことを願っています。

5段階のレベル

 本書は5段階のレベル設定をしています。「初心者(3ヵ月後の大会出場を目指す)」「1回戦を戦う」「2、3回戦を戦う」「トーナメントを勝ち進む」「全国大会に出場する」、この5 つのレベルを各ページ右側のインデックスで色分けしました。自分のレベルのページを見るという想定をしていますが、基本に返りたいときは下のレベルを見たり、もっと力をつけたい、バリエーションがほしいときは上のレベルを見るなど挑戦してください。




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