ウインブルドンに戻ってきたアンディ・マレー
明らかにアンディ・マレー(イギリス)のテニスへの“涙の別れ”は、時期尚早だったようだ。そんな訳で、テニスからの“マレーへの別れ”も同様だった。
マレーが臀部の痛みゆえ引退について話し、皆が彼に将来のプロジェクトでの成功を祈った5ヵ月後、彼は手術を経てふたたびツアーに戻ってきた。
彼は32歳でふたたび、2013年と2016年にシングルスで優勝した場所であるウインブルドンに戻ってきた。いまのところ彼は男子ダブルスのみでエントリーしているが、土曜日にミックスダブルスのパートナーを見つけたいともらしていた。
「数人の選手たちと話をしたよ」とグランドスラムで3度優勝した経験を持つマレーはミックスダブルでのパートーナー探しについて言及した。とはいえ彼は、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)と組むことにはなり得るかという質問に対しては、答えをさりげなく回避した。
「言うまでもなく、彼女は史上もっとも偉大な選手のひとりだ。非常に強力なパートーナーになるだろうね」とマレーはセレナについて触れただけだった。
1月のオーストラリアン・オープンで、マレーは臀部の痛みのためにテニスをやめなければならないと口にした。
5セットの戦いの末に敗れたあと――それはマレーにとって、ここ11年でのグランドスラム大会における最初の初戦負けだった――彼は、「もし今日の試合が僕の最後の試合となるなら、素晴らしい終わり方だった」と語った。
そこでは、ロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)、そしてノバク・ジョコビッチ(セルビア)ら、数多くのプレーヤーたちからの賛辞が入ったビデオが披露され、「すばらしいキャリアに祝福を。君がいなくなるのは寂しいよ」といった要旨のメッセージがあった。
しかしマレーはそのすぐあとに、人工股関節への置換手術を受けることを決めたのだ。彼はリハビリを経て、最初のテストをするためフェリシアーノ・ロペス(スペイン)とペアを組んで今月のクイーンズクラブでの大会(フィーバーツリー選手権)に出場し、彼らは優勝杯を手に大会をあとにした。
ウインブルドンでの彼は、ピエール ユーグ・エルベール(フランス)と組んで男子ダブルスをプレーすることになっている。
ダブルスとはいえ、復帰後すぐに成功をおさめたことでマレーの期待は変わったのだろうか?
「それはおそらく、これから数年に渡って変わらないよう気をつけるように努めることのひとつだ。そういうことの多くはほかの人々からくるものだと思う」とマレーはコメントした。
マレーは2013年、ウインブルドンにおける77年ぶりのイギリス人男子シングルス優勝者となっていた。
「僕はふたたびテニスをプレーしている。そのことがただただうれしいんだ」
(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)
※写真はアンディ・マレー(イギリス)
LONDON, ENGLAND - JUNE 29: Andy Murray of Great Britain leaves the court after a practice session ahead of The Championships - Wimbledon 2019 at All England Lawn Tennis and Croquet Club on June 29, 2019 in London, England. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)
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