今年新設された世界テニス国別対抗戦「ATPカップ」(オーストラリア・ブリスベン、パース、シドニー/1月3~12日/賞金総額1500万ドル/ハードコート)の大会7日目のデイセッションはシドニー会場で準々決勝「イギリス対オーストラリア」が行われ、2勝1敗でオーストラリアがベスト4進出一番乗りを決めた。

 アレックス・デミノー/ニック・キリオス(オーストラリア)はフルセットの闘いの末に5本目のマッチポイントをものにして、ジェイミー・マレー/ジョー・ソールズベリー(イギリス)を3-6 6-3 [18-16]で倒した。

 第1シングルスでキリオスがキャメロン・ノリー(イギリス)を6-2 6-2で倒してオーストラリアが先行したが、デミノーはダニエル・エバンズ(イギリス)に6-7(4) 6-4 6-7(2)で競り負け、勝負の行方はダブルスに持ち込まれた。

 この日、オーストラリアのレイトン・ヒューイット監督はダブルスにふたりのシングルスプレーヤーを送り出すというギャンブルを冒した。

 ダブルスでの大接戦の末の勝利のあと、有頂天のキリオスはデミノーを肩の上に抱え上げてそのまま彼をコート外に運び出し、それから観客に向かって赤ワインでこの勝利を祝うと言った。

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 そうする権利はあるだろう。シングルスとダブルスを連続でプレーしたデミノーは3時間23分の戦いの末にエバンズに敗れる前に4つのマッチポイントを凌いで食い下がり、それからまた4つのマッチポイントを凌いだ末にスーパータイブレークで勝負のかかったダブルスに勝って計5時間をコート上で過ごしていたのだ。

「あり得ないことが起こったよ。アドレナリンが湧き出して枯渇し、へとへとに疲れている」とキリオスは喜びを表現した。「でも、素晴らしかった。正直いって――今日は間違いなく、僕のキャリアで最高の瞬間のひとつだ!」。

 この新設の大会におけるオーストラリアの無敗の進撃は、9月から26人の命を奪い、数え切れないほどの動物を殺し、2000軒以上の家々を破壊した悲惨な山火事の最中にあるこの国が吉報を必要としているときに起きた。

 オーストラリアは準決勝で、スペイン対ベルギーの勝者を迎え撃つ。

 イギリスはダブルスで4つのマッチポイントをつかみ、オーストラリアの希望の進撃をほとんど終わらせかけた。マレーが決して忘れないだろうひとつは、マッチタイブレーク11-10からのポイントだろう。マレーの前にはウィナーを叩き込むためのがら空きのコートが広がっていたというのに、彼はネットのすぐ近くからのバックハンドをどうした訳かアウトしてしまったのである。

「僕はあのショットを、ネットの上から叩く簡単なショットをミスしてしまった。バカげている」とマレーは悔やんだ。「あれは、心に突き刺さり続けるだろう。おそらく僕はキャリアを通し、二度とあんなミスは犯さないだろうね。でも今日、僕はミスをし、それが我々に大きな代償を払わせることになった」。

(APライター◎ジョン・パイ/構成◎テニスマガジン)

※写真はオーストラリアを勝利に導いたニック・キリオス(下)とアレックス・デミノー(上)
SYDNEY, AUSTRALIA - JANUARY 09: Alex de Minaur and Nick Kyrgios of Australia celebrate winning match point in their quarter final doubles match against Jamie Murray and Joe Salisbury of Great Britain during day seven of the 2020 ATP Cup at Ken Rosewall Arena on January 09, 2020 in Sydney, Australia. (Photo by Matt King/Getty Images)


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