16歳のセンセーション、ガウフは昨年に続く進撃ならず「もっと経験を積みたかった」 [USオープン]
今年ふたつ目となるグランドスラム「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月31日~9月13日/ハードコート)の女子シングルス1回戦で、16歳のコリ・ガウフ(アメリカ)は第31シードのアナスタシア・セバストワ(ラトビア)に3-6 7-5 4-6で競り負け、グランドスラムで初めて初戦で姿を消した。
1年前のフラッシングメドウでガウフはニューヨークのハートを掴み、そのインスピレ―ションに満ちたテニスの進撃を通してすぐにファンのお気に入りとなった。その1年後、そこにはファンも彼らが伝えるエネルギーもなく、ガウフのシングルスでの勝利もなかった。10代のセンセーション、ガウフはUSオープン初日に敗れた。
セバストワがフルセットの末に勝利をおさめ、ガウフを過去4度のグランドスラム本戦でもっとも早期の敗退へと追いやったのである。4大大会の本戦でプレーした彼女は、これまで1度も2回戦までに負けたことはなかった。
「ただの始まりに過ぎないわ」とガウフはコメントした。「私は1年程前にツアーに参加するようになったばかりだから、まだまだ学ぶべきことがあるわ。先は長いのよ」。
彼女は16歳にして、すでにセバストワのようなベテランを驚かすに十分なものを持っていた。
「自分が16歳のときに、こんなふうにプレーできていたらどんなによかったかと思うわ」とセバストワは笑いながら言った。「素晴らしい選手――その一言に尽きるわね。彼女は今日、私より少しゆっくりスタートしたかもしれないけれど、試合が進むにつれてどんどんよくなっていったわ」。
ガウフはこの日、昨年2試合に勝ったルイ・アームストロング・スタジアムで敗れた。昨年の彼女は3回戦に進出し、そこで2018年チャンピオンの大坂なおみ(日清食品)にストレートで敗れた。涙にくれるガウフを大坂が抱擁で慰めたシーンはまだ記憶に新しい。
10月にオーストリアのリンツで初のシングルス優勝を決めて2004年以降にWTAツアーで優勝した最年少プレーヤーとなったガウフは、2020年のグランドスラムをオーストラリアン・オープン4回戦進出という快進撃によってスタートした。彼女はメルボルンでビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)を倒して大坂との再戦に勝ったあと、4回戦で最終的に優勝したソフィア・ケニン(アメリカ)に敗れていた。
この日の試合でガウフは調子に乱れを見せ、13本のダブルフォールトを犯した。USオープンと同じ会場で行われたウエスタン&サザン・オープンで初戦負けを喫したことに続き、不安を感じさせる結果だった。ツアー再開後初の大会だったレキシントンでも、彼女は準決勝で敗れていた。
「もっとも痛いのは、もっと多くの試合をして経験を積みたかった(のに、それができなくなった)ということ」とガウフは悔しがった。「それがツアーで必要としていることなの。私は自分より多くの難しい状況を経験している年上の選手たちと対戦しているわ。最大のことは、ただ私には経験が必要だということよ」。
今シーズンのセバストワはここまでシングルスで1勝8敗だったが、ニューヨークでまたも必要としていたブレイクを果たすことができた。元世界ランク11位のセバストワは、2年前のUSオープンで準決勝に進出していた。
「ここにやってくるのは、すべての人にとって難しいことだと私は思うの」とセバストワは語った。「でも、ええ、最初のハードルを乗り越えてふたたび試合に勝った。この勝利で少し自信を得ることができると思うわ」。(C)AP(テニスマガジン)
※写真はコリ・ガウフ(アメリカ)
NEW YORK, NEW YORK - AUGUST 31: Cori Gauff of the United States returns the ball during her Women's Singles first round match against Anastasija Sevastova of Latvia on Day One of the 2020 US Open at the USTA Billie Jean King National Tennis Center on August 31, 2020 in the Queens borough of New York City. (Photo by Al Bello/Getty Images)
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