今年ふたつ目となるグランドスラム「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月31日~9月13日/ハードコート)の男子シングルス4回戦で、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が無造作に後方に打ったボールを偶然にも線審の喉元に当ててしまったために失格処分を受けた。それは彼が昨年11月から続けていた29連勝と、グランドスラムで18勝目となるタイトル探求の驚くべき終焉だった。

 第20シードのパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)に対する試合の第1セット終盤でブレークを許して5-6と劣勢に立たされたあと、世界ランク1位で絶対的優勝候補と目されていたジョコビッチはチェンジコートでベンチのほうに向けて歩きながら、腹を立てて後方にボールを打ち込んだ。ボールは真っ直ぐ線審に向かって飛んでいき、直撃を受けた彼女は膝を落として喉を押さえた。

 大会レフェリーのソーレン・フリーメル氏とグランドスラム・スーパーバイザーのアンドレアス・エグリ氏に主審のオレリー・トゥルトティ氏を交えてネット近くで10分ほど話し合っている間、ジョコビッチは自分の見解を訴えていた。

「彼の主張は、彼が意図的に線審を打った訳ではないということだった。『ああ、僕は腹を立てボールを打った。線審に当ててしまった。事実は非常に明瞭だ。でもそれは僕の意図するところではなかった。わざとやったのではない』と彼は訴えました」と試合を終了する決断を下したフリーメル氏は明かした。

「そして我々は皆、彼が意図的にやったのではないということに同意しています。しかし彼が線審にボールをぶつけたという事実には変わりがなく、審判は明らかに被害を受けました」

 フリーメル氏は何が起きたかを見ておらず、自分はビデオのリプレーをチェックすることを許されていないのだと言ったが、エグリ氏とトゥルトティ氏から詳しい報告を受けたのだということだった。例えジョコビッチが線審に危害を加えるつもりはなかったとしても彼女には危害が及んでおり、それだけでこの決定を下すのに十分なのだとフリーメル氏は説明した。

 最終的にジョコビッチは握手するためにカレーニョ ブスタのもとに歩いていき、主審はジョコビッチが失格になったと発表した。

「ちょっぴりショックを受けていたよ」とカレーニョ ブスタはビデオ会見の際にコメントした。USオープンのソーシャルディスタンスルールのため、記者会見はリモートで行われている。


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