「ノバクはいつも俺たちを助けてくれたじゃないか」キリオスがジョコビッチを擁護

ATPカップ開催中にメディアの取材に応じたニック・キリオス(オーストラリア)(Getty Images)


 ノバク・ジョコビッチ(セルビア)がオーストラリア入国、ワクチン接種、コロナ感染について批判を受けていることに対し、ニック・キリオス(オーストラリア)が異議を述べた。 

「今、電話が鳴りやまないんだ。俺がこの問題についてコメントする前は、皆がキリオスの意見を聞きたがっているという雰囲気でね。それだけでも俺は疲れ果てて、嫌になったよ。自分の写真がメディアに出て、自分がこの問題の渦中にいないのに、嫌になっている。一人のアスリート仲間として、ノバクがどれほどのものを背負い、プレッシャーを感じながら生きているのかは皆がわかっている。彼の人生が今どんなものか俺には想像することしかできないが…。彼が正しいのか、間違っているのかはわからない。実際に何が起きているのかもわからない。でも、彼は一人の人間だ。これだけニュースになって取り上げられていることは気の毒だと思う」

「もし彼がオーストラリアン・オープンでプレーすることになったら、絶対に対戦したくないね。いいプレーをしようというモティベーションがとてつもなく大きいだろうからね。大会への準備も問題ないはずだ。彼は今回以上の厳しい状況を乗り越えてきたはずだ。ホテルでの隔離はもっと長期のものを経験している。もし、彼が今大会のコートに立ったら、これ以上危険な相手はいない。絶対に対戦したくないね! そのタスクは他の選手に任せるよ」

「この問題の取り上げ方について、メディアがしてきた仕事は残念だ。何が起きているのかについて混乱してしまっている。個人的には正しい取り上げ方ではなかったと思っている。俺もこの問題ついてしゃべり過ぎないようにしたい」

「彼が早く解放されることを願っている。テニスは彼を必要としている。彼はテニス史上もっとも脚光を浴びてきた広告塔のような存在だから。彼がプレーできるようになれば、テニス界にとって最高のことだ。オーストラリアン・オープンがかつてないほど世界中の注目を集めるだろう」

「もし彼が一般人だったら、これほど多くのメディアのクソみたいなことに付き合う必要もないはずだ。本当に大変だと思うし、どんなものか想像できる。早く解決して欲しい」


2017年のインディアンウェルズではキリオスが6-4 7-6(3)でジョコビッチに勝利。2人の通算対戦成績はキリオスの2勝0敗(Getty Images)

「俺とノバクは元々仲がよかった。一緒に練習をする仲だった。メディアがある意味俺たちを引き裂いたんだ。メディアのせいで、俺たちの関係は実際よりも30倍は悪くなってしまった。俺が若い頃、“困ったことがあれば何でも言ってくれ”と声をかけてくれた唯一の選手がノバクなんだ。一度、ローマで練習することになったとき、俺がテニスシューズを忘れてしまってバスケットシューズのエアフォースワンを履いて打ち合ったといういい思い出もある。オーストラリアが森林火災で困っているときも、彼は支援してくれた。メディアは彼が過去にしてきた素晴らしいことを一瞬で忘れて、今回の件に食いついてしまっている。他の選手は自己中心的でノバクのようにみんなを助けたりしない。俺はそのことを忘れない。この空気に流されて、“彼はよくないね!”と言うのが、俺は正しいと思わない。皆がもっといい方法で取り上げなければいけないんだ」

 ジョコビッチのオーストラリア入国ビザ取り消しへの申し立ての裁判は、現地時間1月10日(月)午前10時より始まる。(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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