セレナ・ウイリアムズがダブルスに敗れるも、アメリカは準決勝進出 [フェド杯アメリカ対オランダ]
女子テニスの世界国別対抗戦、フェドカップ・ワールドグループ1回戦「アメリカ対オランダ」(アメリカ・ノースカロライナ州アッシュビル/2月10、11日/室内ハードコート)。
セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)のカムバックの最初のステップは、1年以上をテニスから離れて過ごしたあと、彼女がどれほど遠くまで行かなければいけなかったかを浮き彫りにした。5ヵ月前に出産して以来、初の公式戦となったフェドカップのダブルスで、彼女と姉ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)は、オランダのレスリー・ケルクホーフとデミ・シヒュースに2-6 3-6で敗れた。
「正直に言って、こんな感じだろうと想像していたよりも、いい感じを覚えているわ」とセレナは言った。
ベスト・オブ・5マッチの対戦で、アメリカはビーナスのシングルス2勝を含めた、最初のシングルス3試合の勝利により、すでに勝ち上がりを決めていた。したがって、このダブルスでの敗戦は単に最終スコアを3勝1敗とし、点差を縮めたに過ぎない実害のないものだった。
アメリカは4月21、22日に行われるワールドグループ準決勝に進出し、そこでフランスと対決することが決まった。フランスは今週末にベルギーを3勝2敗で下していた。
勝負は、日曜日にビーナスが最後の5ゲームを連取し、リシェル・ホーヘンカンプ(オランダ)に7-5 6-1で勝った瞬間に決まった。アメリカは土曜日に、まずビーナスがアランチャ・ラス(オランダ)を6-1 6-4で、ココ・バンダウェイ(アメリカ)が劣勢を覆してホーヘンカンプを4-6 7-6(6) 6-3で倒したおかげで、日曜日に入る前に2勝0敗のリードを奪っていた。
「言うまでもなく、これは重要な瞬間よ。自分のためだけでなく、他のチームメンバー、監督、そして自分の国のためにプレーしているのだから」とビーナスは言った。「間違いなく、普段の試合とは違った種類のプレッシャーがあるわ」。
しかしこの大会は、セレナの復帰のために、より大きな注目を集めていた。セレナはすでに妊娠中だった2017年オーストラリアン・オープンで23番目のグランドスラム・タイトルを勝ち獲って以来、公式戦でプレーしていなかった。「23」の数字は、マーガレット・コート(オーストラリア)が全時代を通して成し遂げた最多優勝回数「24」にひとつ足りないだけの数字だ。セレナが出産後にプレーした唯一の試合は、昨年12月30日のエキシビションマッチだった。
セレナの娘、アレクシス オリンピア・オハニアン・ジュニアは、赤と白のストライプのヘアバンドをつけ、ブルーのコートを身に着けた姿で、日曜日に、選手が座るベンチのすぐ後ろで、父親で、ソーシャルニュースサイト「 レディット(Reddit)」の創業者の一人、アレクシス・オハニアンに抱かれていた。
「時間をうまくやりくりできていなかったけれど、将来的に、どうやってうまくやりくりするかを考えていたわ」とセレナは言った。「赤ちゃんや、すべのものといっしょに旅をしたのは、文字通りこれが初めてだった。次はよりうまくやるよう努めるわ。今回は難しかった。私にとっては初めてのことだったから」。
セレナは金曜日に、今週は、ツアー生活に戻っていこうと努める中での「長いプロセスのスタート」を意味すると言った。彼女は出産時に他の体の問題も併発し、それがカムバックを特に骨の折れるものにしていた。
セレナは昨年9月1日に娘が生まれたあと、肺にいくつかの小さな血栓ができたことを女性誌『Vogue』に明かしていた。その記事の中で彼女は、出産後の最初の6週間はベッドから出ることができなかった、と話している。
セレナのダブルスの試合は、彼女が長い期間、競技テニスから離れていた影響を露呈した。彼女は何を期待していいのかわからなかったと言い、すべての面で向上していく必要があると認めたが、「正しい軌道の上にいると感じている」とも言い添えた。
「サービスにこれほどパワーを込められるとは予想していなかった。フォールトが多かったとはいえ」と彼女は言った。「これは単なる始まりにすぎない。正しい方向に向けての、非常にいいワンステップだと感じているわ」。
オランダのポール・ハールヒュース監督は、あと数試合をこなすことが、セレナが日曜日におかしたミスを修正する助けになるだろうと言った。
「彼女はきっともうすぐ調子を戻すことができると思う」とハールヒュースは言った。「彼女は(勝っていけるだけの)テニスを擁している」。
セレナにとっての最大のチャレンジは、テニスと母親としての生活のバランスを取りながら、頂点に戻るための道を切り開いていこうとする中で、『期待』をうまく管理していくことなのかもしれない。
彼女の目標は、これまで同様に高い。
「低い期待を胸にコート上に出ていくなら、私が今やっていることはやめる必要があるわ」とセレナは言った。「だから、そういうことは決して私には起こらない。私は常に自分自身に対し、最高の期待を抱き続けるでしょう。それが私という人間なのだから、それでいいと思っているわ」。
日曜日に予定されていたもうひとつのシングルス、バンダウェイ対ラスは、対戦結果が試合前に決まってしまったためプレーされなかった。
日曜日のビーナスのシングルスでの勝利のあと、アメリカのキャシー・リナルディ監督は、ウイリアムズ姉妹がペアを組んでダブルスをプレーすると発表した。元々の予定では、セレナとローレン・デービス(アメリカ)がプレーすることになっていた。
そのほかのフェドカップ・ワールドグループ1回戦は、チェコがスイスを3勝1敗で、ドイツがベラルーシを3勝2敗で破った。それによりもうひとつの準決勝は、チェコがホームでドイツを迎え撃つことになった。(C)AP(テニスマガジン)
※写真はセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)、10日撮影
ASHEVILLE, NC - FEBRUARY 10: Serena Williams of Team USA enters the court while being escorted by a child volunteer before the start of the first round of the 2018 Fed Cup at US Cellular Center on February 10, 2018 in Asheville, North Carolina. (Photo by Richard Shiro/Getty Images)
Pick up
-
PR | 2024-10-20
『ノアから世界へ』——ノア・テニスアカデミー所属、駒田唯衣選手&富田悠太選手インタビュー
全国に35校のテニススクールを展開する業界大手の『ノアイ
-
2024-10-27
第63回テニマガ・テニス部「テニス丸ごと一冊サービス[増補版] 解説編』キャンセル待ち受付中
キャンセル待ち受付中=====テニマガ・テニス部 部活プ
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ
Pick up
-
PR | 2024-10-20
『ノアから世界へ』——ノア・テニスアカデミー所属、駒田唯衣選手&富田悠太選手インタビュー
全国に35校のテニススクールを展開する業界大手の『ノアイ
-
2024-10-27
第63回テニマガ・テニス部「テニス丸ごと一冊サービス[増補版] 解説編』キャンセル待ち受付中
キャンセル待ち受付中=====テニマガ・テニス部 部活プ
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ