新ルールの下、ミーシャ・ズベレフが4万5000豪ドルの罰金を食らう [オーストラリアン・オープン]
ミーシャ・ズベレフ(ドイツ)は火曜日に、「オーストラリアン・オープン」(1月15〜28日/オーストラリア・メルボルン/ハードコート)の男子シングルス1回戦でのチョン・ヒョン(韓国)に対するお粗末なパフォーマンスのために、4万5000豪ドル(約3万6000米ドル)の罰金を科せられた。これはグランドスラム大会での違反で一個人に課せられた罰金としては、最大のものだ。
ズベレフは、オフシーズンにグランドスラム委員会によって発された新ルールの下で罰せられた。それは、選手が事前に抱えている故障を押して大会を始め、1回戦の途中で棄権することを、選手に思い止まらせようと意図してつくられた新ルールだった。
『ファースト・ラウンド・パフォーマンス』と呼ばれるこのルールでは、プレーヤーは、もし試合でプロの基準に見合うパフォーマンスをしなかった場合に、最大で1回戦の賞金に相当する罰金を徴収されかねない。試合を最後まで行わないこともまた、トーナメント・レフェリーによって考慮される可能性のある要素だった。
しかし故障した選手が、大会が開始する前に棄権した場合、選手には1回戦の賞金の半額を受け取る資格がある。その場合に彼らが抜けた穴を埋めるラッキールーザー(予選決勝で敗れた者のひとり)は、1回戦の賞金の残りの半分と、そこから試合に勝つことによって積み重ね得る賞金を受け取ることができる。
第32シードのズベレフは、1回戦でチョンに2-6 1-4で負けていたときに、審判のもとに歩み寄り、対戦相手と握手をして、試合を途中棄権した。彼の罰金4万5000豪ドル(約3万6000米ドル)は、彼の1回戦の賞金6万豪ドル(約4万8000米ドル)の75%に当たる。チョンは、ミーシャの弟で世界4位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)、オーストラリアン・オープン優勝歴6回のノバク・ジョコビッチ(セルビア)に対する勝利を含めた進撃の末に、今や準決勝にまで駒を進めた。
ミーシャはこのオーストラリアン・オープンの1回戦で途中棄権した唯一のプレーヤーだった。何人かのほかの選手たちは、大会が始まる前に棄権する道を選び、新しいルールの下で賞金の半分を手に入れている。直前の棄権から実りを得たラッキールーザーのひとりだったベルナーダ・ペラ(アメリカ)は、3回戦にまで駒を進めた。
スべレフの罰金は、一選手がグランドスラム大会での反則のためその場で受けたものの中で最大だ。グランドスラム大会のあとに、より高い額の罰金を受けた選手はほかにおり、例えば2009年のUSオープンで、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)はラインジャッジに激しい非難を浴びせたことで、8万2500米ドルの罰金を科せられた。
また、ファビオ・フォニーニ(イタリア)は昨年のUSオープンで主審を侮辱したことで、9万6000米ドルの罰金を科せられている。これは、彼が続く2年の間に違反を犯さなければ4万8000米ドルに減額される可能性がある。この罰金は、フォニーニがスポーツマンらしからぬ振る舞いをしたため、その場ですぐに科された2万4000米ドルに追加されたものだった。
新しいルールは、昨年のウインブルドンで多発した1回戦途中棄権の嵐に対する答えとして採用されたものだった。棄権した者の中には、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)やロジャー・フェデラー(スイス)の対戦相手もおり、その双方が、センターコートで2試合連続、45分未満のプレーをしたあとに、以前から抱えていた故障のため途中棄権していた。
バーナード・トミック(オーストラリア)もそのウインブルドンで1回戦で、戦い終えたが――それはミーシャ・ズベレフに対するストレート負けだった――試合中に退屈した、戦うためにのモティベーションを見つけられない、と言ったために、のちにスポーツマンらしかぬ振る舞いを理由に、1万5000ドルの罰金を科されていた。(C)AP(テニスマガジン)
※写真はミーシャ・ズベレフ(ドイツ)、1回戦で撮影
Photo: MELBOURNE, AUSTRALIA - JANUARY 16: Mischa Zverev of Germany reacts in his first round match against Hyeon Chung of Korea on day two of the 2018 Australian Open at Melbourne Park on January 16, 2018 in Melbourne, Australia. (Photo by Jaimi Chisholm/Getty Images)
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