フレンチ・オープン3度優勝のレンドルはアンダーサーブを問題視せず、ナダルも同調
今年最後のグランドスラム「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦9月27日~10月11日/クレーコート)の15日間に渡る本戦は、9月27日にスタートした。
サービスを待つラファエル・ナダル(スペイン)がベースラインからどれほど後方で構えているかを見て、マッケンジー・マクドナルド(アメリカ)は試す意味のある戦略があると悟った。
「馬鹿げているかもしれないが、彼には試合全体を通してアンダーサーブを打つべきだ」と今週の2回戦で第2シードのナダルに対して成功しなかったものの、一度この戦略を使ったあとにマクドナルドは私見を述べた。
「僕にはチャンスがあったけど、ガッツがなかった。何度も何度もやるには、僕とは違った性格が必要だったと思うよ」と25歳のマクドナルドはコメントした。「より多くの選手がやり始めているけど、正しいことではないね」。
たまに物議を醸すことがある他のスポーツの『暗黙のルール』と同じように、これは議論する余地があることだ。そしてそれは偶然にもアンダーサーブがやや流行であるように見える現在のパリで、会話のテーマになっていることでもある。
ある者たちは意図的に速度の遅い短いサービスを打つことはスポーツマンシップに反する行為であり、ポイントをかすめ取るための安っぽい方法だと考えている。実際にはアンダーサーブと呼ばれるショットは完璧にルールの範囲内であり、リターンの際にベースライン後方に下がっているナダルやドミニク・ティーム(オーストリア)のような相手の意表をつくための正当な方法なのだ。
確信が持てない? 国際テニス名誉の殿堂メンバーで、8度グランドスラム大会を制したイワン・レンドル(アメリカ)に聞いてみよう。彼は1989年フレンチ・オープンの伝説的4回戦の第5セットで、ケイレンを起こしたマイケル・チャン(アメリカ)によって打たれたテニス史上もっとも有名なアンダーサーブを受ける側となった。
当時17歳だったチャンはそのポイントを取り、最終的にグランドスラム大会シングルスで優勝した最年少男子プレーヤーとなったのである。
「多くの人々がずっと、私がマイケルに対して怒っていると思っていたようだがそれは違う。まったく問題はないよ。予想外のことで、彼にとってはうまくいった。彼はケイレンを起こしていたしね」とレンドルは電話インタビューで語った。「それが悪いことだという考えが私の頭をよぎったことは一度もなかったよ。何故って、それは実際に悪いことではないんだからね」。
レンドルは自分自身も「子供の頃、またプロになってからも」試合でアンダーサーブを使ったことがあると明かした。彼は1982年に開催されたフォレストヒルズのクレーコートの大会で、エディー・ディブズ(アメリカ)に対して試みたというある特定の事例を思い出した。レンドルはその決勝で、ディブスを6-1 6-1で破っていた。
「彼はバックフェンスにくっつくぐらいの位置に立っていた。そして、その作戦はうまくいったよ」とレンドルは振り返った。「サーブを打ってからドロップショットを放つのと、すぐにドロップショットを打つのとの違いは何だい? 私には違いが分からないね。非常にいい作戦だと思うよ。相手を彼らの“コンフォートゾーン”から引きずり出すんだ」。
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