カロリーナ・プリスコバが語る7つのテーマ「キャリア最高シーズンを振り返る」
2017年は初の世界1位も経験し、9月には婚約を発表。公私ともに充実の一年を過ごしたカロリーナ・プリスコバへのインタビュー。7つのテーマについて、余すことなく語ってくれた。【2017年12月号掲載】
取材◎池田晋 写真◎川口洋邦、矢野寿明、Getty Images
テーマ1|世界ランキング1位
世界ランキング1位でシーズンを終われたら素晴らしいけど、それは自分の最大の目標ではないの。ただ、経験してみて少し違ったものが見えたし、1位でいくつかの大会に出場したのはいい経験にはなった。でも、数週間だけだったから、その間に自分は変わらなかったと思う。この先また1位になったら、今回の経験を生かしてプレッシャーにもうまく対応できると思う。
テーマ2|コティザ・コーチ解雇
(2017年9月中旬にダビド・コティザ・コーチを解雇したのは)いい判断だったと思う。すべて自分の決断で、変化が必要だと思ったから。私にはコーチが必要だけど、チームの中でもっとも大事な部分ではないわ。コーチなしでもいいプレーはできる。今年残りの大会はコーチなしでプレーして、父親が来てくれるので、2018年の体制についてはそれから考えるわ。父はコーチの経験こそないけど、たまにツアーで私を助けてくれる。小さい頃から、年間に数大会は同行してくれていたの。彼がいると、落ち着いていられるわ。
テーマ3|東レPPO
2016年はUSオープンの決勝を戦ってから準備期間がなく、雨ばかりで十分な練習ができず、不甲斐ない負け方をした。でも、東京が好きだし、この大会が楽しみなので2017年も戻ってきた。今年は天気もよく、練習もしっかりできた。ケルバーにはわずかの差で負けたけど、いいプレーが見せられたと思う。
有明のサーフェスは他のハードコートとそう変わらないと思う。ボールの違いは結構大きいかもしれない。ボールは遅めだけど、サーフェスはそんなに遅くない。そんな印象かな。
テーマ4|2017年を振り返る
2017年を振り返ると、特にオープンなシーズンだったと思う。ほとんどの大会で異なるチャンピオンが生まれ、誰にでもチャンスがあった。トップ10の差はほとんどなく、ちょっとした運が左右する可能性があるから、ドローはかなり重要。特にグランドスラムは2週間で7試合を連続で戦うから、意外な選手が勝つこともある。テニスは何でも起こり得るから、2週間調子がよくて勝ち抜くことだってある。逆に、調子が悪くて負けることもある。グランドスラムは運があれば、チャンスは大きくなるわ。
2017年は大会数も試合数も多く、移動もたいへんだったから少し疲れているのは当然のこと。それでも年の最後にベストを尽くしたい。アメリカの大会でいい成績を残せたから、自信にはなった。自分はいま、挑戦される側、挑戦する側の両方だと思う。シーズンの最初よりも実力を上げている選手もいるし、私自身も強くなっている。ただ、私はいいテニスもできるけど、調子が悪いときもある。みんなもそう。だから、多くの選手にチャンスがある。
テーマ5|2017年のベストゲーム
2017年はキャリアで最高のシーズン。多くの成功を収め、何度か優勝もできて、とても満足している。まだシンガポールが残っているから、そこでいいプレーを見せたい。たとえ、そこで勝てなかったとしても、いいシーズンだったと言えるほど充実しているわ。
優勝した大会はどれも同じくらいうれしかった。タイトルを獲るのはいつだってうれしいし、最高の気分よ。それについて順位をつけたくないし、どれも同じくらい私にとって重要なタイトルなの。パフォーマンスなら、ロラン・ギャロス準決勝のシモナ・ハレプ戦(4-6 6-3 3-6)が2017年のベストマッチだと思う。あまり得意ではないクレーですごくいいプレーができた。一番好きなサーフェスはハードコート。芝でいくつかタイトルは獲っているけど、実はあまり得意ではない。
テーマ6|双子の姉クリスティーナ
4歳のときに姉クリスティーナといっしょにテニスを始めた。理由は特にないわ。両親がコートに連れて行ってくれたの。2人とも結構上手だったから、ゆっくりではあったけど、その後も続けた。そのうちプロになりたいと思うようになり、本気で努力を始めた。両親はどちらもテニス経験者ではないわ。父はアイスホッケーをしていたけど、母はスポーツが嫌いなの! テニス以外のスポーツはほとんどやらなかった。
クリスティーナとは仲良しよ。彼女は私より1週間前に東京にいたけど、確か2回戦で負けたから、すれ違いになってしまった。東京には何度も来ていてよく知っているから、特に何か情報を求めたりはしなかった。スケジュールはなかなか合わないけど、北京では久しぶりに会えた。ツアーでは家族と離れ離れなので、彼女と会えるのはすごくうれしい。いっしょに過ごすことはあるけど、コートではいつも別々。ツアー中も、オフの間も練習はいっしょにはしていない。チームもコーチも違って、スケジュールも違うから。
この数年はダブルスで組んでいないけど、来年はいっしょに出ようと思っている。性格は似ているところもあるけど、違うところもある。中身よりも、顔のほうが似ているのかな。ジュニアの頃はいつもクリスティーナのほうが断然強かった。ジュニアのランキングもITFでも彼女の成績のほうがよかった。18歳か19歳になった頃に、それが逆転したと思う。
テーマ7|チェコ代表
チェコのためにフェドカップを戦うのは素晴らしいこと。チームでタイトルを獲りたいし、いい思い出が多く、国を代表してプレーするのは特別なこと。でも、シーズンは長く、オフが短いから、長距離移動を経てフェド杯を戦うのはすごくたいへんなことなのよ。近い場所でなら、今後も出場したい。今年は辞退することが多かったけど、来年はまた何試合かは出場したいと思う。
チェコの強みは選手個々の能力が高く、すごく仲が良くて団結力もあること。レベルの高い選手がそろっているから、相手や状況によって選手を使い分けることができる。チームを支えるスタッフも素晴らしい仕事をしている。今年は準決勝でアメリカに負けてしまったけど、去年の優勝は、すごくいい思い出になっている。
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