テニスは母親譲りのコルダ「目標はふたつのグランドスラム大会で優勝すること」 [フレンチ・オープン]

今年最後のグランドスラム「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦9月27日~10月11日/クレーコート)の本戦6日目は、男女シングルス3回戦と男女ダブルス2回戦が行われた。
 
 父と一緒に2009年USオープンに行ったとき、9歳だったセバスチャン・コルダ(アメリカ)はホッケーの選手になろうと思っていた。そのころまでには1998年オーストラリアン・オープン覇者で1992年フレンチ・オープン準優勝者だった父のペトル・コルダ(チェコ)は現役を引退し、コーチになっていた。

 セバスチャンはそのとき、ペトルが指導していたラデク・ステパネク(チェコ)がアーサー・アッシュ・スタジアムでノバク・ジョコビッチ(セルビア)と対戦したナイトマッチを観たのだそうだ。

「完全に満席だった。最高にかっこいいいと思ったよ。家に帰って、翌年また戻って来て、『これこそが、僕がやりたいことだ』と言ったんだ」とコルダは明かした。「あとのことは、御覧の通りだよ」。

 “セビ”と呼ばれている彼は現在20歳になり、金曜日にペドロ・マルチネス(スペイン)との予選勝者同士の対戦を6-4 6-3 6-1で制して1991年以降でロラン・ギャロス4回戦に至ったもっとも若いアメリカ人男子選手となって小さな歴史の一節を記した。

「皆がいつも彼に尋ねるんだ。『君はペトル・コルダの息子なのかい?』って。将来それが変わるよう願っているよ」と父ペトルは電話インタビューで話した。「人々が僕に、『あなたはセバスチャン・コルダの父親なのですか?』って聞いてくるようになるといいね」。

 世界ランク213位のコルダは、2011年以降のフレンチ・オープンで4回戦まで勝ち上がった初の予選勝者となった。彼と同じく20歳でワイルドカード(主催者推薦枠)で出場した239位のユーゴ・ガストン(フランス)もまた、同大会で2002年以来となるベスト16に食い込んだ200位以下の選手としてコルダに合流した。

 地元フランスのガストンは第16シードのスタン・ワウリンカ(スイス)を2-6 6-3 6-3 4-6 6-0で倒す番狂わせを演じたあと観客が彼の名を叫ぶ中でコートサイドのベンチに座り、タオルを顔に当てて涙を流した。ワウリンカは2015年フレンチ・オープンを含め、グランドスラム大会で3度優勝した実績を持っている。

 試合後にガストンは「驚くべきことだ」と語り、スタンドに集合してかなりの存在感を見せていた観客たちに「皆さんのおかげです。ありがとうございました」とお礼を言った。

 日曜日の4回戦では、コルダがフレンチ・オープン優勝歴12回を誇る第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)と、ガストンはUSオープン優勝者で第3シードのドミニク・ティーム(オーストリア)に挑戦する。

フレンチ・オープン2020|トーナメント表

 試合後の記者会見でナダルと対戦する展望について聞かれたとき――それはクレーの王者がステファノ・トラバグリア(イタリア)を6-1 6-4 6-0で破った試合の2セット目をプレーしているときだったのだが――、コルダには何の躊躇もなかった。

「彼が勝つよう祈ってる。彼は僕の最大のアイドルなんだ。彼はまさに、僕がテニスをプレーしている理由のひとつでもあるんだよ。僕は彼から、ネバーギブアップ(決して諦めない)精神を学んだ。コートに立ったときにはいつも、僕は彼のようであろうと努めているんだ」とセバスチャンは語った。第21シードのジョン・イズナー(アメリカ)に対する勝利も挙げたこのブレイクの週まで、彼のツアーレベルでの戦績は0勝3敗だった。

 そしてコルダは、こんなエピソードを教えてくれた。

「子供頃、僕は自分の猫に彼の名をとって“ラファ”と名前をつけたんだ。これを聞けば、僕がどれほど彼を好きかよく分かるだろ?」

 父のペトルは息子と同じように、次にやってくるるものについて喜んでいた。

「彼がナダルと、彼の庭で対戦するというのは素晴らしいことだ」とペトルはフロリダ州ブラデントンの自宅からコメントした。彼はそこで明け方に起きてセバスチャンの試合をテレビで観たあと、午後にはチャンネルを変えてセバスチャンの姉であるふたりの娘(27歳のジェシカと22歳のネリー)がニュージャージー州でLPGAのゴルフ大会でプレーしている様子を眺めている。

「彼(ナダル)と実際に対戦して彼を近くで見て、このプレーヤーに何ができるかを目撃し、テニスについて学ぶのにこれ以上の場所はないだろう? 私は楽しみにしてるよ」

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録

Pick up

Ranking of articles