ルイ・カイエ_最新ダブルス入門_vol.05「勝つためのディフェンス講座」_初心者から国際レベルのプレーヤーまで同じアプローチで上達できる!
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ルイ・カイエ氏がカナダで発展させてきた指導法【アクションズ・メソッド】は“Game based approach”=試合をベースにした指導アプローチだ。ビギナーから国際レベルのプレーヤーまでに通じる、練習者に焦点を合わせた指導法で、練習者(プレーヤー)が「何をしたいのか」、それを「どのようにしたいのか」と、コーチと練習者によって発展させていくことにより、「何をするのか」を明確にしていくシステムである。技術を覚えてからそれを組み合わせて試合をするという、かつて行われていたアプローチとは違うアプローチだ。今回のレッスンも、このアクションズメソッドに沿って進めていく。試合の中でどのようにディフェンスの場面をプレーするのか、いくつかのアプローチで見ていきたい。ダブルス中心の解説となるがシングルスにも当てはまる内容で、テニス全体のディフェンス強化につながるはずだ。強い選手ほどディフェンスに強いのはなぜか。読めばきっとわかるだろう。(取材◎ポール・ファイン、青木和子)【2014年8月号掲載記事、連載vol.05】
強い選手は守備力が違う!
今回は「勝つためのディフェンス講座」
指導◎ルイ・カイエ
Louis Cayer◎元デ杯カナダ代表監督/イギリステニス協会(LTA)ナショナルコーチ
取材◎ポール・ファイン、青木和子 写真◎小山真司、BBM イラスト◎サキ大地
今回のレッスンも、アクションズメソッドに沿って進めていきます。試合の中でどのようにディフェンスの場面をプレーするのか、いくつかのアプローチで見ていきます。ダブルス中心の解説となりますが、シングルスにも当てはまる内容で、テニス全体のディフェンス強化につながるはずです。強い選手ほどディフェンスに強いのはなぜか、読めば答えがきっとわかるでしょう。
ダブルスの傾向
平行陣は「ミニ雁行陣」を行うという基本が変わった!?
ネットの2人は平行でよい
真ん中を抜かれる心配は不要
テリトリーを理解した2人の“真ん中”は非常に狭い
ネットに2人がついて平行陣になった場合、ディフェンスを固めるために2人が前後にずれる「ミニ雁行陣」をつくると教わった方は多いと思います。しかし、最近の男子ダブルスを見れば気づきますが、2人が前後にずれることが少なくなり、平行に並ぶケースが多くなりました。
かつては、ネットの2人が平行に並ぶと「真ん中を抜かれやすい」と前後にずれたのですが、実際のところはネットの2人がテリトリー(相手が打球する場所から想定する、相手の返球可能範囲/各々がカバーすべき場所)を理解してカバーすれば、“真ん中”はたいへん狭く、簡単に抜かれるものではありません。相手はよほど質のよいショットを打たない限り、そこを狙うのは無理です。
“真ん中”にきたボールを、2人のうちどちらが取るかで迷い、見送ってしまうと言う方もいるかもしれません。でも、これもルールを決めておけば特に問題はないことです(例えばフォアボレーのプレーヤーが取るなどと決めておく)。
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ネットの2人は平行でよい。真ん中を抜かれる心配は不要
練習1|2人が平行に並んだ平行陣の練習、それぞれがベンチに座ったまま行う
ネットで2人が平行に並んだ状況を練習するとき、私がよく使うのがベンチです。平行陣のボレーヤー2人のテリトリー範囲は大人の足でだいたい8歩、つまり一人4歩分ずつカバーすればよく、そういう意味でベンチを使うと説得力があります。
コーチ役はベースラインプレーヤーという設定で、ポジションを変えながら球出しをします。ボレーヤーはコーチ役の場所に合わせてテリトリーを調整しますが、すべては座ったまま、お尻を左右にスライドさせて大股で動き、ボレーを打ちます。
テリトリーの真ん中に構えれば、ほとんどのボールを返球できることがわかり、また、いかに少ない歩数でボレーが打てるかが実感できるはずです。真ん中も簡単には抜かれません。
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※この練習はボレーヤーがベンチに座ったままで行う練習なので、ボレーヤーが立ち上がらなければならないような高さのボールは球出ししない
ポジション
相手が打球する場所によってテリトリー(ポジション)は変わる
正しいポジショニングを覚える
相手の返球可能範囲の真ん中に構える
相手の返球と返球範囲を想定して動く
ジョコビッチ(ブルーのシャツ)を中心に見てみよう
テリトリー1
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テリトリー1=相手がベースライン上のセンターにいて、ややアドバンテージサイド寄りからフォアハンドを打ってくるとき
テリトリー2
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テリトリー2=相手がアドバンテージサイドのベースライン後方からバックハンドを打ってくるとき
テリトリー3
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テリトリー3=相手がアドバンテージサイドのベースライン上から回り込みフォアハンドを打ってくるとき
テリトリー4
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テリトリー4=相手がコートの外側から回り込みフォアハンドを打ってくるとき
テリトリーとは相手が返球する場所から想定する返球可能範囲で、プレーヤーは常にその真ん中にポジションをとります。シングルス(テリトリー1~3)でもダブルス(同4)でも同じ考え方です。ダブルスでは各々のプレーヤーが各々のテリトリーをカバーします。テリトリーをしっかり理解した者同士であれば、誰とでもチームが組めます。
テリトリー3のシングルスを見てみましょう。相手はアドバンテージサイドでフォアハンドに回り込んでいます。そのときの相手の選択肢は大きく2つ、ダウン・ザ・ラインか逆クロスがあると考えます。そこでジョコビッチはセンターマークから一歩アドバンテージサイドに入った場所に構えました。それがジョコビッチが想定したテリトリーの真ん中であり、相手が返球する可能性のある範囲をカバーするためのポジショニングです。
ときにテリトリーの範囲でポジションをずらす
テリトリー4のダブルスを見てください。ボールがサイド方向にあるときは、2人揃って横方向へポジションをずらしています。ダブルスは2人ともが、打球する相手に対してそれぞれテリトリーを想定する必要があります。それを2人がすると、いつも〝新たな真ん中”ができますが、問題なくカバーできるはずです。
打球する相手の場所からテリトリーを想定して、各々が真ん中にポジションをとり、テリトリーをカバーすることは、シングルスでもダブルスでも同じベースとなる動きですが、時に、テリトリーの中で左右のどちらかに、わずかに寄る動きをすることも必要です。あなたがフォアハンドが得意なら、フォア側をあえて空けておいたり、それも、相手の返球可能範囲を想定しているからできることです。
反対に、もしも対戦相手がそのようなポジショニングをしてきたなら、明らかに相手が自分の武器を使おうとしているということも考慮しなければなりません。「ディペンズ(Depends)」、時と場合によって「こうしなければいけない」ではなく「こうして応用しよう」というように上達してほしいと思います。
ロブ対策①
ロブを上げてくる選手の傾向を知って準備しよう
相手がロオブを上げてきたとき
やるべきことを知っておく
ロブが上がったときにやるべきこと
レシーバーがロブを上げてきたら、サーバーのパートナーである前衛は、サービスラインまで下がってロブに対応します。それによりサーバーはそのロブに悩むことなく、ネットに詰めることが可能になります(写真参照)。
前衛はロブが上がったら、できるだけ大きなステップでサービスラインまで下がるようにしましょう。サービスラインまで下がれば、ほとんどのロブは返せます(後述)。
しかし、サーバーが前衛の代わりに(または前衛とともに)、前衛の頭上のロブをカバーするときはサイドチェンジをする必要が出てきます。そのときのサーバーは動きながらバックハンドボレーを打つことになるので、そうすると相手前衛がそのボールに対してポーチに出てくる可能性が高くなることも覚えておきましょう。何が起きやすいか知っておけば、準備または警戒しておくことができます。
ロブを上げる選手の傾向を知っておく
通常、リターンダッシュする選手はロブを上げることが多いです。現在、多くの選手が両手打ちバックハンドですが、両手打ちの選手はダブルスではロブを打つことは少なく、パワーを生かしたリターンを打つことが多いです。彼らのヒッティングゾーンにボールがくると、強いリターンを好みます。
一方、片手打ちバックハンドの選手はスライスも使うことが多く、そうするとスライスの構えからロブを打つというケースがあります。特に片手打ちバックハンドの選手はデュースサイドでロブを上げることが多いです。
前衛が下がってスマッシュを打てばサーバーは詰められる
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前衛が下がってスマッシュを打つときは、その間にサーバーはネットに詰めることができる
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サーバーが前衛の後ろに回り込んでバックボレーを打つ場合
サーバーが前衛の後ろに回り込んでバックボレーを打つ場合は、2人がサイドチェンジをしたときに、ポジショニングに隙が生まれやすい。またサーバーがバックボレーを打つときに、相手前衛はフォアボレーでポーチに出てくる可能性が高いことを覚えておきたい。
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練習2|ロブをスマッシュで返す練習、ボールを大きく追い越して時間をつくる
1 コーチ役がベースラインから高くロブを上げる。
2 プレーヤーはネットに詰めてしっかり構えた状況から、ロブが上がったら一気にベースラインまで下がってロブを追い越し、ベースラインにタッチ。
3 すぐさまプレーヤーはネットに詰めて、ワンバウンドでスマッシュを打つ。
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プレーヤーがロブを警戒してネットに詰めなくなるのを防ぐため、ラインマーカーなどをしてしっかり構えたところから練習をスタートする。プレーヤーはコーチ役の球出しをよく見て、ロブが上がった瞬間にベースラインに向かって猛ダッシュ。ロブを追い越すことによってスマッシュを打つための時間がつくれることを理解する。「ロブで頭上を抜かれない」「時間があればスマッシュが打てる」ことを実感できる。これは12、14歳のジュニアを教えるときも、プロを教えるときも同じように伝えることである。
練習イメージ
![](https://images.tennismagazine.jp/media/article/13366/images/389d037ba41477d48c36f18f257a7885ecd9b967.jpg?w=1200)
ロブ対策②
スマッシュが打てればロブは怖くない
ランニングステップを覚えて
スマッシュを打とう!
スマッシュが打てればロブは上がってこない
日本選手は比較的背が低く、それをカバーするためにももっとステップワークを学ぶべきです。ロブを追いかける方法としてランニングステップをもっと練習してほしいと思います。ランニングステップを覚えてサービスラインを越えられるようになればロブに手が届き、スマッシュが打てるようになります。そのサービスラインを越えられるかどうかでレベルが変わると言っても過言ではありません。
ロブが上がったら瞬時に相手に体側(右利きの場合、左側のお尻)を見せます。写真のフェデラーがまさにそうです。これが後ろ方向に走るランニングステップのきっかけになります。
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ロブが上がったら瞬時に相手に体側(左側のお尻)を見せる形をつくる|相手にお尻を見せるようにスマッシュのテークバックをすると横向きがつくれ、ロブが深いときにはそのまま後ろに走れて、ランニングステップでボールが追える
日本のコーチたちはどちらかというと、お尻ではなく左腰を見せる指導をしているように思います。そうするとクロスオーバーステップ(足を体の前でクロスするステップ)を教えますが、それは体に近いロブのときはいいのですが、体から離れていく深いロブには間に合いません。
私はロブが上がったら、まず相手にお尻を見せるような横向きの態勢をつくらせ、後ろへ向かって走り、ロブを追い越すように教えます。ランニング(ダッシュ)すると一歩が大きくなり、ロブを素早く追い越せるようになるのです。あとはボールに対してジャンプして、ターンして、スマッシュを打つのみです。
このようなステップワークは15分くらい練習すれば必ずできるようになります。ランニングステップを覚えてしまえばロブはほぼカバーでき、ほかのステップが応用しやすくなります。何よりロブを追い越せればスマッシュが打てるようになり、相手は「ロブが通用しない」と思うので、相手の選択肢をつぶすことにつながります。
バックステップでロブを追い越す
ロブが上がったら動き出しを素早く、スマッシュを打つときのジャンプの踏切りがサービスラインを越えることが重要。
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ロブを警戒してネットに詰めないのは❌
ダブルス世界1位のブライアン兄弟は、サーブ&ボレーをするとき、必ずファーストボレーをサービスラインの中で打ちます。ところが日本のペアを見ているとラインの外で打つことが多く、以前私が見たチームは、そこからアングルボレーを打ちました。
ネットから遠い場所でアングルボレーを打つと、「時間がある」ため相手に返球されてしまいます。しかもポジションが後ろだと逆に、相手にアングルショットなどのパスを打たれる可能性が高くなります。また自身がボレーを打つときも、ネットから遠い場所だと打点が低くなり、ボールが浮きやすくなります。その場所からボレーを深く打とうとすれば、今度はボールは放物線を描き、バウンド後には弾んでしまう可能性があるので、相手にとって打ちやすいボールになってしまうかもしれません。
一方、ネットから近い場所でボレーを打つと、「時間がない」のですが、相手がその中で正確なパスが打てる可能性が低くなります。また、自身がボレーを打つときもネットに近いので、高めの打点から強いボレーやアングルボレーを打ったり、落としたりすることもできます。
ネットに詰めると当然、相手がロブを打ってくる可能性が出てきますが、しかし、ロブを警戒してネットに詰めないと考えるのではなく、ロブが上がったらスマッシュを打てるようにしておけば、ロブは簡単には上がらなくなるのです。だから、ロブを追いかけてスマッシュで打つ練習をしておきましょう。特にジュニアのうちからこれをやっておくことが大切です。
フェデラーのスマッシュ
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一つの目安として、サービスラインを越えられるかどうかでレベルが変わる。レディポジションはネットまで2ステップで届く位置。スプリットステップのあと、動き出しを早くするため、一歩前に足を出して踏切り(バックペダルステップと呼んでいた)、後ろへ下がる
ラリー練習
ラリーは相手にアタックさせないようにニュートラルに展開する
ディフェンス強化は
ラリーをつなげることではない!
どんな目的を持ってラリーを行うかが上達の鍵
ある講習会を再現しましょう。選手2人にボールを1球渡し、ラリーをするように言いました。多くの指導者が見ている中でのラリーは緊張しますし、いいところを見せたくなるもの。2人は最初、かなり速いボールを打っていました。私がラリーの回数を声を出して数えると、最初は「4回」、次が「7回」、次が「3回」…ラリーが途切れるのが早いことを意識し始めた2人は、今度はボールをつなげ始めました。そこで私はたずねました。「何を目的にラリーをしていたのか?」と。2人は答えられませんでした。
もちろんビギナーであれば「ミスをしない」ことを目的にしてもよいでしょう。しかしレベルが上がるにつれ、ミスをしないだけでは足りません。このラリーではいかに相手をニュートラルにするか、相手に攻撃させないで、相手の返球が甘くなるようにすること。そのためにはボールを深く打つ必要があり、スピンや高さが必要であることがわかります。もちろん常に相手が打球する場所に合わせてテリトリーの調整も行わなければなりません。
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私は2人に相手に攻撃させないように「ニュートラルにして、ラリーを10球以上打つ」ように言いました。そのためには、どういうボールが必要かを考えさせ、さらに回数を設定したのは集中させるためです。
その次の段階で「アタックすべきボールはアタックすること」を加えました。そうすると、相手にアタックさせないニュートラルなボールを打ち、自分がアタックできるようにするためには、スピードボールではない、深いボール、(多少浅くても)のびて跳ね上がるボールが必要であることがわかっていきます。
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このようにラリーは目的を持つことでどんどんゲーム性を増します。しっかりとディフェンスしながら、常にアタックのチャンスを探すことで、選手のプレーは確実に変わっていきます。
よくある間違ったラリー練習は…❌
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センターやクロスなど一定の場所で打ち合う
ストレート、クロスなどいつも一定の場所でラリーする。相手の打球する場所に対するテリトリー(返球可能範囲/カバーすべき場所)の想定はなく、いつもセンターかクロスが基本ポジション。実際にはシングルスなのか、ダブルスなのかによってテリトリーは変わるし、リカバリーも変わる。
スピードボールを打つ
ボールのスピードを競うラリー。そのボールはバウンド後、あまり弾まず、リズムが一定するので相手はかえって打ちやすくなり、攻撃されやすい。
ラリーをつなげる
フォアとバックハンドを均等に打ってラリーをつなげるだけではなく、相手に攻撃させないようにニュートラルなラリーを目指し、アタックチャンスも探す。自分でボールをコントロールしていくことで、テリトリーが正確になり、次のプレーを予測できるようになっていく。
正しいラリー練習 ⭕️
深いボールか、多少浅くてもバウンドした後に伸びて、跳ね上がるボールを打っていき、相手にどこでどのように打たせるかが重要。
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相手をニュートラルに立たせて、アタックできるボールをつくっていく。そのために必要なボール(深さやのびて跳ね上がるボール)を打ち、相手に難しい返球をさせる。
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ディフェンスに回ったときにもいかにニュートラルに回復するか、必要なボールを打っていく。
とるべき態度
状況が不利になると問題が発生しやすい
追い込まれて問題が発生しても
“あらゆる手段を”尽くす
チームに“I(アイ)”はないお互いに補い合う
ディフェンスに追い込まれ、状況が不利になると問題が発生しやすくなります。特にダブルスはチームですからやっかいです。日頃から問題を抱えるチームの多くは、だいたいはパートナーを非難しています。
ダブルスのチームに「I(アイ)」はありません。しかし「サービスが悪い」「あいつはネットで楽ばかりしている」「2度もチャンスボールをミスするなんて」などと文句が出ます。言われた方も同じように相手の文句を言い、結果としてパートナー関係がぎくしゃくして、最悪の場合はパートナーチェンジとなることもあるのです。
ダブルスではお互いに対する「よい態度」と「ポジティブな行動」が必要です。たとえプレーがうまくいかないときでも、その態度をとることでパートナーのプレーをよりよく高めてくれることがあります。これはダブルスに限らず、シングルスにおいても同じで、自分自身と向き合って考えてみてください。
あらゆる手段を尽くすという方法もある
自分のミスに対するストレスを態度に出すことは、パートナーに悪影響を与えることもありますので注意しなければいけません。それによって2人ともがよいプレーをできなくなることもあるので、お互いのためによい態度とは言えないのです。
よいプレーヤーは、仮にリターンがうまくいかないときでも、違う場面でポーチに出るなどして相手にプレッシャーをかけたり、あらゆる手段を尽くして、チームプレーに徹するものです。チーム優先の態度こそ、ダブルスでは必要です。ただし、言うのは簡単ですが、行動に移すのは簡単ではありません。そこがダブルスの面白さでもあり、勝敗をわからないものにしています。
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