ロラン・ギャロスの『バブル』はUSオープンに比べてお粗末と選手が指摘 [フレンチ・オープン]

 ポスピショルの目から見れば、グランドスラムでのバブル――より正確にいうと管理下に置かれた環境――は全部が同じという訳ではない。彼はフレンチ・オープンで設置されたバブルは、USオープンのそれと比べるとずっとお粗末だと指摘した。

「僕たちが滞在しているホテルは厳しいね。何もないんだ。USオープンでは、バブルで中での時間を少しでもプレーヤーにとって過ごしやすくしようという主催者からの努力が感じられた。それは間違いない」とポスピショルは苦言を呈した。「僕が話した選手のほぼ皆が、同じ意見を持っていたよ」。

フレンチ・オープン2020|トーナメント表

 COVID-19に対する懸念のためにすべてのファンが出入りを禁じられたフラッシングメドウと違い、ロラン・ギャロスでは1日1000人の観客が許されている。それもあって選手たちは、プレーしているとき以外には大会会場から離れているよう薦められているのだ。

 しかしだからと言って、選手が姿を見せることが阻まれる訳ではない。

 ダブルスプレーヤーのガブリエラ・ダブロウスキー(カナダ)はその点について、「もし大会会場に来なければならないなら仕方がないけど、そうでない場合はもっとも混雑している時間帯には来ないほうがいい。それについて、自分で自覚して決断を下すことが重要なの」と解説した。

 USオープン優勝者でフレンチ・オープンで2度準優勝した実績を持つドミニク・ティーム(オーストリア)は今週、ジョコビッチの試合を見入るためにフィリップ・シャトリエ・コートの何千という空席のひとつに座っていた。

「もしラケットにストリングを張ったり洗濯をしたりという類いのことがしたければ、すべてがここにある」とサム・クエリー(アメリカ)は1回戦で敗れたあとに語った。

「だからプレーしない日にここに来ないというのは、基本的に不可能だね。でも皆がそれぞれ責任を持って行動していると思う。昨日の僕はかなり早くここに来てロッカールームに行き、洗濯物を出してから速やかに車に乗って練習会場に向かったんだ。そして戻って来てシャワーを浴び、急いで何かを食べて会場から去ったよ」とクエリーは話した。「意味もなくその辺をうろついたりしている人は誰もいないよ」。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)

※写真は本戦6日目の会場の様子
PARIS, FRANCE - OCTOBER 02: General view outside Court Philippe-Chatrier as rain falls on day six of the 2020 French Open at Roland Garros on October 02, 2020 in Paris, France. (Photo by Julian Finney/Getty Images)

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