ナダルが一瞬の隙を逃さずカレーニョ ブスタに逆転勝利、準決勝はズベレフ [パリ・マスターズ]

写真はラファエル・ナダル(スペイン)(Getty Images)

ATPツアー公式戦の「ロレックス・パリ・マスターズ」(ATP1000/フランス・パリ/11月2~8日/賞金総額428万9970ユーロ/室内ハードコート)の男子シングルス準々決勝で、第1シードのラファエル・ナダル(スペイン)が1セットダウンから第9シードのパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)との同胞対決を4-6 7-5 6-1で制してベスト4進出を決めた。

 パリの大会で優勝した経験がないナダルは、13年前に唯一決勝まで勝ち進んだが敗れていた。

 ナダルの勝利によってカレーニョ ブスタが脱落し、ディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)のATPファイナルズ初出場が確定した。第6シードのシュワルツマンはこの日最初の試合で第3シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)に3-6 1-6で敗れたが、11月15日から22日にかけてロンドンで行われるトップ8によるエリート大会の最後の一席に滑り込んだ。

 カレーニョ ブスタはナダルに7戦全敗となってさらに苦手意識を植え付けられることになったが、彼が一度も勝てていないことには大きな理由があるのかもしれない。

 第1セットは疲れの見えるナダルに対し、カレーニョ ブスタは自身のサービスゲームで5ポイントしか失わなかった。

「問題は彼があまりに簡単にサービスゲームをキープしていたことだった。僕自身、いいリターンを返すことができなかった。反撃するには、もっといいリターンをしなければならなかった」とナダルは振り返った。

 しかし第2セットの最初のゲームでナダルのサービスゲームで0-40と追い込んでから、カレーニョ ブスタは緩いボールで反撃のチャンスを与えてしまった。カレーニョ ブスタの不用意なプレーが20度のグランドスラム優勝を誇るナダルを大いに刺激し、立ち直らせることになった。

 第12ゲームで初めてブレークに成功したナダルは、どちらに転ぶかわからない危険なタイブレークにもつれるのを防いだ。続く第3セットでは2-1からラブゲームでブレークして主導権を握ると、そのままの勢いで試合を締めくくった。

 土曜日の準決勝でナダルが迎え撃つのは、第4シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)に決まった。ズベレフはこの日最後の試合で、第12シードのスタン・ワウリンカ(スイス)を6-3 7-6(1)で退けた。

 両者の過去の対戦成績は5勝1敗でナダルがリードしているが、その唯一の敗戦が昨年のATPファイナルズでのストレート負けだった。

 グランドスラム大会を3度制した実績を持つワウリンカは第2セット5-4から自身のサービスゲームを迎え、最終セットに持ち込む一歩手前だった。しかしタイブレークにもつれて大きく崩れてしまい、ズベレフに4連敗を喫してしまった。

「冷静さを保つべきところで失ったしまった、それが敗因だ。いくつかのポイントで焦ってしまったよ」とワウリンカは悔しさを滲ませた。

 ボトムハーフの準決勝は、メドベージェフと第10シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)の顔合わせとなった。ラオニッチは第3セットのタイブレークで4-6とされたが2本のマッチポイントを凌ぎ、ユーゴ・アンベール(フランス)を6-3 3-6 7-6(7)で倒した。

 新型コロナウイルス(COVID-19)の感染を抑える目的でフランスで実施されているロックダウン(都市封鎖)のため、大会は無観客で開催されている。(APライター◎ジェローム・パグマイア/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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