ティームが前年決勝カードの開幕試合でチチパスに雪辱 [Nitto ATPファイナルズ]
今年の大会が昨年の終わり方と同じスタートにならないよう心して戦ったティームは、前年決勝カードとなった初戦でチチパスに雪辱を果たした。
USオープン優勝者のティームは第3セットの出だしにネット際からのドロップショットを決め、チチパスのサービスゲームをブレークして2-0とリードした。ティームはそのあとブレークを許さず、最後はチチパスのフォアハンドがサイドラインを割ってふたつ目のマッチポイントをものにした。
チチパスは第3セットのタイブレークで決着がついた昨年の決勝でティームを倒し、トップ8によるシーズン末の頂上対決であるこの威信ある大会でキャリア最大のタイトルを獲得していた。
しかし今回の彼は第1セットのタイブレークを4-1、5-3とリードしながら取ることができなかった。セットポイントを迎えたチチパスはネットでかなり簡単なオーバーヘッドを決め損ね、それからロブをアウトしてティームに逆転を許してしまった。
「あれはこれまで僕に起きた中で、もっとも愚かなことだったよ」とチチパスはそのオーバーヘッドのミスについて悔やんだ。「ボールがネットの上方にあったのに、僕はスマッシュを打つ代わりにフォアハンドを打つことにしてしまった。一体全体どうしてあんな決断をしたものか、自分でも分からないよ」。
フォアハンドのパッシングショットで先にブレークして2-1とリードしたチチパスは、そのセットを取ってセットカウント1-1と追いついた。第3セットでは1-3からブレークバックするチャンスを手にしたが、その重要なポイントでバックハンドをネットにかけた。彼はミスをしたあと、フラストレーションの叫び声を上げた。ティームは6度のデュースを経て結局そのサービスゲームをキープし、そのあとは問題に遭遇することがなかった。
「あれはクレイジーだった。あのゲームで、僕はかなり緊迫した状況に追い込まれていたと言わねばならない」とティームは何とかキープして4-1に持ち込んだその第5ゲームの攻防を振り返った。「あれは最終的に試合が僕に有利な方向に進むことになった最後のカギとなる瞬間だったと思う」。
ATPファイナルズがロンドンのO2アリーナで行われるのは、これが12回目で最後の機会となる。来年から大会は、イタリアのトリノに場所を移すことが決まっている。新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックのため、2万人収容可能なその会場に観客の姿はなかった。つまりそこには通常は騒々しく活気ある雰囲気の代わりに、ポイント間にプレーヤーボックスから起こる控えめな拍手によって時折中断される奇妙な静寂が広がっていた。
また大会が初めてエレクトリック・ラインコールを採用したため、線審の姿もなかった。コールがマシンによって自動的になされるこのシステムの採用は、すなわちプレーヤーはもはやボールがインかアウトかでチャレンジをすることができないということを意味する。しかしながら選手は例えばボールが2度バウンドしたか否かなど、他の議論の余地ある状況でビデオによる確認を要求することができる。
「エレクトリック・ラインコールのことは、大いに気に入っているよ」とティームはコメントした。「何故って、もう間違った判定はないってことだからね。電子システムがアウトだと判定したら、それはアウトなんだ」。
同組のもうひとつの試合では、第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)が同大会初出場で第7シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア)を6-3 6-4で下した。チチパスはまだ、同じグループのナダルとルブレフに対する成績次第でグループの上位2位以内に入り、準決勝に勝ち上がる可能性を残している。
ノバク・ジョコビッチ(セルビア)は大会初戦の前に、コート上でピート・サンプラス(アメリカ)の最多記録に並ぶ6度目の年末ランキング1位を祝うトロフィーを授与された。
大会2日目はアフタヌーンセッションで第1シードのジョコビッチが第8シードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)と、イブニングセッションでは第4シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)が第5シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)と対戦する予定になっている。(C)AP(テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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