2020-12-11

ジュニア

ジュニアに実戦の機会を! 今年唯一のジュニア全国大会『第41回全日本ジュニア選抜室内テニス選手権大会』が開幕

写真はクロスリー真優(東京都TA)(撮影◎佐藤真一 / SHINICHI SATO)

国内の主要ジュニア大会が軒並み中止となった今年、最後の望みだった「JOCジュニアオリンピックカップ第41回全日本ジュニア選抜室内テニス選手権大会」(12月10~13日/兵庫県三木市・ブルボンビーンズドーム/室内ハードコート)が新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大が深刻化する中で開催を実現させた。

 会場のブルボンビーンズドームには全国から男女各16名が集結。初日の今日は4人1組の1次リーグ(グループ内総当たり戦)が行われ、各自2試合を戦った。

 本来ならその年の全国選抜個人戦、インターハイ、全日本ジュニアの成績をシード基準として上位4人が各グループに一人ずつ配分されるが、今年はすべての大会が中止となったためにシードは設けず全員等しく抽選によってグループを決定。例年以上に展開の読めない一次リーグとなった。

 出場選手中、男女を通してITFジュニアランキングでもっとも高いのは松田絵理香(狛江インドアジュニアATPチーム)。今年は一般を含めた国際大会に積極的にチャレンジするはずだった。すべて叶わなかったが、それとは無関係に「年に1回は緊張する試合に出ないといけないと思っていた」という。国内のジュニア大会が全滅した今年、松田にとってはこれが「緊張する大会」、つまり優勝が期待されている大会だ。そんな中、初日は安定の2連勝。明日は同じく2勝している新見小晴(柳生園TC)と対戦する。

 その松田の初出場は2年前で、当時中学3年で最年少の一人だったが2位トーナメントに進出した。中学生にとってはチャレンジャーの強みを生かせる大会だ。今回、女子は5人の中学生が出場。うち2年生のクロスリー真優(東京都TA)と3年生の石井さやか(TEAM YONEZAWA)がそれぞれ2勝を挙げた。

 昨年の全日本ジュニア14歳以下で優勝したクロスリーは、その決勝でも戦った仲よしの齋藤咲良(MAT Tennis Academy)との中2対決を制したあと、初対戦の櫻田しずか(静岡市立高)にフルセット勝利をおさめた。「練習はしっかりできていたので、自分としてはストロークの質が上がったと思う」とクロスリー。ここは成果を試す場でもある。

 同じC組では伊藤あおい(サリュートテニス専門学院)も2勝で初日を終えている。伊藤は昨年、女子唯一の中学生だったが2位トーナメントに進出する健闘を見せた。今度は2歳年下のクロスリーとどう戦うか、明日のグループ1位決定戦が注目される。

 石井は先週、伊達公子さんの働きかけで新設された松山のITFグレード5の大会で優勝。好調を維持し、山口花音(浪速学院)と宮川このみ(札幌光星高)を退けた。170cmの長身で、パワフルなフォアハンドが目を引く。「アップダウンが激しい」点は課題だが、今日の内容は「上出来です」と微笑んだ。明日対戦する松本祐華(沖縄尚学高)も2勝を挙げている。

 男子は昨年の全中チャンピオンで2年連続出場の原﨑朝陽(神村学園神戸)が、誰よりも早く1位通過を決めた。一つ年下の前田優(ラフ)に6-4 6-1で快勝すると、先週は前述の松山で準優勝した髙悠亜(関西高)に2-6 6-2 6-4で逆転勝ち。明日の結果にかかわらず、直接対決の結果などから1位トーナメント進出は確実だ。(ライター◎山口奈緒美)

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撮影◎佐藤真一 / SHINICHI SATO

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