フェデラーがオーストラリアン・オープン欠場を決断「長期的視野で最良の選択」
長年に渡ってフェデラーの代理人を務め、彼らの所有するマネージメント会社「TEAM8」の最高経営責任者(CEO)でもあるトニー・ゴッドシック氏は、フェデラーのための2021年のプランを本人と一緒に練っているところだと語った。ゴッドシック氏によるとフェデラーは、2021年最初のグランドスラム大会の直後にツアー復帰することを計画している。
「ロジャーは2021年オーストラリアン・オープンではプレーしないと決めました。彼はここ数ヵ月で膝の状態とフィットネスレベルにおいて大きな進歩を遂げました。しかしながらチームと協議した結果、長期的な目で見ての彼にとって最良の選択はオーストラリアン・オープンのあとに競技テニスに戻ることだと判断しました」とゴッドシック氏はAP通信に送った声明文の中で説明した。
「間もなく2月の後半に始まる大会についての話し合いを始め、それからシーズンの残りの計画を立て始めるつもりです」
2021年オーストラリアン・オープンの本戦開始は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックのため3週間遅れとなり、メルボルン・パークで2月8日に開幕する予定になっている。
39歳のフェデラーは現在、アラブ首長国連邦・ドバイの別荘でトレーニングを行っている。復帰を遅らせるという選択は、コーチのセベリン・ルティ(スイス)とイバン・ルビチッチ(クロアチア)、またフィットネスコーチのピエール・パガニーニ(スイス)らのアドバイスから生まれた。
2020年1月後半のオーストラリアン・オープン以来、フェデラーはツアー公式戦でプレーしていない。メルボルンでの彼は、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)に敗れた準決勝の試合で目に見えて故障に苛まれていた。その少しあと、彼は南アフリカ・ケープタウンのサッカースタジアムで観客動員数の最高記録である5万人の大観衆が見守る中、ラファエル・ナダル(スペイン)とチャリティーのエキシビションマッチをプレーした。
そしてその数週間後にフェデラーは右膝に関節鏡による手術を受け、少なくとも4ヵ月はプレーできないだろうと発表した。彼はそのあとにも同じ膝に2度目の手術を受け、パンデミックにより混乱をきたしたそのシーズンの残りを通して大会から遠ざかることになった。
2020年に6試合しかプレーしなかったにも関わらず、ATPアワードでシングルス部門のファン・フェイバリット賞に18年連続で選ばれたことはフェデラー人気の高さを物語る目安のひとつだろう。
この問題以前のフェデラーはたった一度しか手術によってキャリアを中断させられたことはなく、それは左膝を故障した2016年のことだった。彼はそのシーズンの後半を回復期間に充て、それためにリオデジャネイロ五輪とUSオープンをスキップした。しかし彼は復帰した際にベストのレベルに戻り、2017年にオーストラリアン・オープンとウインブルドンでタイトルを獲得した。
その翌年にもフェデラーはオーストラリアン・オープンを制し、メルボルンで6度目の栄冠に輝いた。彼はほかにもウインブルドンで8勝、USオープンで5勝、そしてフレンチ・オープンで1勝を挙げ、生涯グランドスラムを成し遂げている。
フェデラーが今シーズンの大半をコートから遠ざかっていた間にナダルは10月のロラン・ギャロスで20回目のグランドスラム制覇を果たし、男子のグランドスラム大会における優勝回数の記録でトップに立つフェデラーと並んだ。その日のうちにフェデラーはソーシャルメディア上にナダルへの祝辞のメッセージを投稿し、「“20”が我々双方にとって、続いていく旅のもうひとつのステップに過ぎないことを願っている」と綴った。
今年のオーストラリアン・オープンで優勝したジョコビッチはグランドスラム大会タイトル数を「17」とし、男子テニスの『ビッグ3』の他の2人にまた一歩近づいた。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)
All the best with your recovery @rogerfederer. Look forward to seeing you back at the #AusOpen in 2022. pic.twitter.com/M6L05zF50K
— #AusOpen (@AustralianOpen) December 28, 2020
写真◎Getty Images
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