チャーター便で選手たちが続々オーストラリア入り、検疫のためホテルへ直行

写真はオフィシャルAOチャーター便でオーストラリア・メルボルンに到着した選手たち(Getty Images)

2012年と13年にオーストラリアン・オープンを制したビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)は今年最初のグランドスラム大会に向け、プレーヤーやオフィシャルたちを運ぶ15機のチャーター便のひとつでメルボルンに早めに到着した選手のひとりだった。

 そして彼女は世界中の新型コロナウイルス(COVID-19)関連の規制とメルボルンで課せられる14日間の検疫期間にも関わらず、オーストラリアやってきたことを非常にうれしく思っていると言う気持ちを皆に知らせたがった。

 アザレンカは金曜日にツイッターに町の景色が見える窓際で撮った自撮り写真を投稿し、「メルボルンに到着しました! これを可能にしてくれた皆様に感謝しています。私たちがここに来られるようにするため、どれほど長い時間をかけた仕事と歩み寄りが必要だったか想像することしかできません。ありがとうございました!」と感謝の気持ちを表現した。

 2014年にオーストラリアン・オープンで優勝したスタン・ワウリンカ(スイス)もまた、チャーター便のビジネスクラスらしきところから撮影されたマスクを着用した自分と他のふたりの選手の写真をインスタグラムに投稿した。メルボルンで2度ベスト8に進出した実績を持つエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)はツイッターを通し、広々とした彼女のメルボルンのホテルの部屋の様子を撮影した動画を公開した。

 チャーター便と早めの現地入りはすべて、外国からの渡航が禁止であるに関わらず大会を実現させようとしたテニス・オーストラリア(豪州テニス協会)の試みの一環だった。そのため彼らは選手たちに飛行機に乗る前と到着後だけでなく、検疫期間の間も頻繁に検査を受け続けるというプロトコルを課した。

 大会のためにオーストラリアにやってくる約1200人の選手とコーチやチームの面々および大会オフィシャルたちの最初の一団は、木曜日の夜にオーストラリアに降り立った。彼らはマスクやフェイスシールドなど各々防御用具を身に着けた空港スタッフとバイオセキュリティ役員に出迎えられ、そこからホテルに送り届けられた。

 今年のオーストラリアン・オープンはCOVID-19の規制のために従来より3週間開始を遅らせ、2月8日にメルボルン・パークで開幕する予定になっている。

 水曜日にはメルボルンから1万2000km近く離れた場所でオーストラリアン・オープンの予選ラウンドが完了し、男女それぞれ16人の選手がシングルス本戦に合流することになった。

 オーストラリアに入国する旅客のために設けられたウイルス対策の規制により予選は男女とも国外開催となり、男子がカタール・ドーハ、女子はアラブ首長国連邦・ドバイで行われた。

 15機のチャーター便はソーシャルディスタンスを保つために定員の25%までしか埋められず、土曜日の早い時間帯に完了するように36時間で現地に到着する予定になっている。

 到着してからの検査結果が陰性と判明すれば、プレーヤーたちは厳格に監視された環境で毎日5時間のトレーニングを行うことができる。選手とチームは検疫期間の間、毎日検査を受けることになる。

 1月29日にはアデレードで検疫期間を過ごす選手たちが参加する1回限りのエキシビションマッチが行われ、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、ラファエル・ナダル(スペイン)、大坂なおみ(日清食品)、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)らが出場を予定している。

 今年は規模を縮小して12チームで争われる世界テニス国別対抗戦「ATPカップ」はオーストラリアン・オープンの準備をする選手のため、WTA500の2大会およびATP250の2大会と一緒にメルボルン・パークで2月1日から5日間の日程で開催される。

 本戦のドロー抽選は開幕4日前の2月4日に行われ、大会は2月21日の男子シングルス決勝でフィナーレを迎える予定となっている。(APライター◎デニス・パッサ/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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