前哨戦は25%、全豪ではスタンドの50%が解放されるメルボルン・パーク
今週はWTAツアー3大会、12ヵ国が参加してノバク・ジョコビッチ(セルビア)やラファエル・ナダル(スペイン)らほとんどのトップ10選手たちが出場しているATPカップに2つのATPツアーが開催されている。
メルボルン・パークは、スタジアムに屋根が設置される前に戻ったかのようだ。雨が降って、他の日にたくさんの試合が一気に組み込まれる。そんなジュニア時代の大会に参加しているような気分だと語るのはダニエル・エバンズ(イギリス)だ。
マレーリバー・オープンでペドロ・ソウザ(ポルトガル)を6-3 7-5で下したダニエル・エバンズ(イギリス)
「これだけ多くのプレー機会を用意してくれた関係者には感謝しかない。最高に素晴らしいのは、負けてしまっても次の準備に取り掛かればいいだけ。飛行機に乗って次の開催都市に移動しなくていいんだ。練習コートは十分とは言えないが、会場外にはたくさん用意されている」とエバンズは選手たちの状況について語った。
そして何よりもファンの存在だ。空っぽのスタジアムでのプレーに慣れてしまった選手たちにとって、これは物凄く新鮮なようだ。
今週、スタジアムは収容人数の25%の動員に制限されているが、14日間ホテルに缶詰め状態になっていた選手たちには練習するスペースが多く提供されている。オーストラリアン・オープン開幕時には、観客動員は50%に設定される。
メルボルンではこの数週間、新型コロナウイルス(COVID-19)の新規感染者が出ておらず、ビクトリア州は他の州からの移動を解禁している。メルボルンは昨年の一時期にロックダウンを経験しており、このような状況がまったく想像できなかった。
通常のシーズンではオーストラリアン・オープンの前哨戦は他の州都で開催され、トップ選手の多くは大会直前の1週間をオフに充てている。しかし今年は違う。昨年は3都市(パース、ブリスベン、シドニー)で開催されたATPカップは、現在メルボルン・パークのコートで行われている。
ATPカップが行われているスタジアムの観衆は数百人程度で100人に届かないこともある。子供たちの夏休みが終わり学校が再開した影響もあるだろう。例年は夏休み中に開催されるが、今年は3週間遅れの開催なのだ。
それでも大会主催者はオーストラリアン・オープンでは1週間に3万人近くのファンがメルボルン・パークを訪れると予想している。
カロリーヌ・ガルシア(フランス)を7-6(1) 6-3で退けたエリース・メルテンス(ベルギー)(Getty Images)
この日にカロリーヌ・ガルシア(フランス)を下したエリース・メルテンス(ベルギー)は、「もう大きな違いよ。ファンが見に来て試合を盛り上げてくれると楽しいわ。私たちはメルボルンの美しい場所で素晴らしい大会をプレーしている。何も文句はないわ」と語った。(APライター◎デニス・パッサ/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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