〜やすおの世界テニス紀行〜 長期遠征!レッドクレーとヨーロッパの壁!
気がつけば日本を経って1ヶ月が過ぎました。
2月はトルコ、3月はチュニジアと今回は長期遠征です。
思い知らされたレッドクレーの難しさと、その必要性。
トルコは日本にないサーフェスレッドクレー、通称「赤土」での試合でした。
有名な大会だとフレンチオープンがこのサーフェスですね。
3大会出場しましたが、結果は輿石亜佑美(竜興科学工業)、坂詰姫野(橋本総業ホールディングス/Team YUKA)の両名共にシングルス予選敗退、ダブルスベスト8が最高成績となりました。
二人ともこのカテゴリーでの大会での予選敗退はほとんどありません。それでも今回は予選ですら勝ち上がることができませんでした。それほどレッドクレーでのプレーは特殊で難しいということです。球足が遅くボールも跳ね、イレギュラーもありラリーが長く続く。それはつまり「なんちゃってテニス」ではダメだということです。スライスやドロップショット、スピンサーブに重たいストローク、ポイントを取るためのネットプレー、長いラリーにも耐えられるフィジカルなど、個人的にはハードコートやオムニコートよりも高いレベルのテニスが要求されると感じています。ましてやプロツアーです。選手たちのメンタルもタフで簡単にはミスをしてくれません。もともと身体のサイズで劣る日本人にとってはかなり不利なサーフェスといえます。ですが、そこに日本人の可能性があるとも感じました。僕がスペインのアカデミーでコーチをしていた時にボスが「クレーで戦えれば、ハードでは簡単にプレーできる。」と言っていました。足元も安定していなくて、色んな技術が必要で、長い試合を維持するためのフィジカルやメンタルも必要。テニスの全てが詰まっています。そのことを再確認することができました。
ヨーロッパの10代選手たちの層の厚さ。
特に際立って目立ったのはジュニア選手たちのレベルの高さです。1大会の決勝戦は17歳(Jr.ランキング4位)と19歳(Jr.ランキング25位)の対決となり、優勝したのは17歳の選手でした。その他にも10代の選手が多く出場していました。もともとトルコは毎週大会が行われており、ヨーロッパ諸国からのアクセスも良く、早い段階からプロツアーを経験できることはヨーロッパの大きな強みです。
女子テニスの男子化。
近年、女子テニスは男子選手のようなフォームと身体の使い方が多く見られるようになり、ショットも曲線のテニスが主流となってきました。その中でもまた、バックボレーやスライス、ドロップショットを戦略的に使う選手が増え、その時に男子と同じように利き手の逆の方の手でラケットのスロート部分を持つ選手がたくさんいました。バックボレーとスライスは基本的に利き腕で打ちます。そのほうが操作性も良く、色んなところから色んなショットが打てるからです。代表としては、アシュリー・バーティ(AUS)選手がそうですね。
ですが、日本人女子選手のほとんどはグリップを持ち両手で打つ人が多いです。その理由は力が入らないからだとされています。ですが、イスラエルの選手に聞いたら、10歳くらいの頃からスロートを持つように教えてもらったと言っていました。そういった細いところからヨーロッパのコーチングの「変化」を感じました。
コーチとして僕自身も厳しい現実を突きつけられましたが、真摯に受け止め、次を信じて前向きに取り組んでいきたいと思います。
<今後の帯同スケジュール>
3/8~14 「ITF Monastir 15K(チュニジア/ハード)」
・竹内研人(橋本総業ホールディングス)
・坂詰姫野(橋本総業ホールディングス/Team YUKA)
3/15~21 「ATP500 Dubai(ドバイ/ハード)」
・西岡良仁(ミキハウス)
○Project E.O Web Site
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