ジョコビッチ失格の1年後、2021年USオープンが全コートで自動判定システムを採用
全米テニス協会(USTA)および男女のプロツアーを運営するATP(男子プロテニス協会)とWTA(女子テニス協会)は月曜日、「ホークアイ・ライブ」によるエレクトリック・ラインコールシステムが2021年USオープンのすべてのコートで採用されると発表した。同システムはまた、USオープンに先立つ前哨戦9大会のうち7大会でも使用される。
1年前のUSオープンでUSTAはアーサー・アッシュ・スタジアムとルイ・アームストロング・スタジアムというふたつのメインコートを例外に、線審の代わりにこの自動判定システムを採用した。
昨年9月にアーサー・アッシュ・スタジアムで行われたパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)に対する4回戦の試合でジョコビッチはゲームを落としあとに苛立って無造作に後方にボールを打ち込み、それが偶然にも線審の喉元に当ててしまったために失格処分を受けた。それは29試合負けなしでグランドスラム大会のタイトル獲得に向けて邁進していた世界ランク1位のジョコビッチにとって、ショッキングで唐突な足止めだった。
大会レフェリーのソーレン・フリーメル氏がその試合で判決を下し、ジョコビッチの2020年USオープンはそこで終りを告げることになった。この決定についてフリーメル氏は、「ジョコビッチが意図的に当てたのではないことには皆が同意しています。しかし彼は線審にボールをぶつけ、線審は明らかに身体を痛めたという事実は変わらりません」と説明した。
今年2月にジョコビッチが優勝したオーストラリアン・オープンではコートに線審はおらず、ジョコビッチは当然のことながらそれはよいことだと語った。
メルボルン・パークで線審の起用が終わったことについて尋ねられたジョコビッチは、「実のところ、僕はテクノロジーの導入に賛成だ。非常に正確だということが証明されていると思う。このようなテクノロジーがあるのなら、正直に言って線審を必要とする理由が分からないよ」とコメントした。
USオープンと前哨戦の7大会(アトランタ、ワシントンDC、トロント、モントリオール、シンシナティ、ウィンストンセーラム、クリーブランド)は今年、完全なエレクトリック・ラインコールシステムを採用する。
昨年のシンシナティの大会は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックのため、皆がUSオープンと同じ環境でプレーできるようにとUSオープン直前に同じ会場であるフラッシングメドウで行われた。
USTAによれば、2大会を通して「ホークアイ・ライブ」によって31万4000の判定が行われた。今年のUSオープン本戦は、8月30日から始まる予定になっている。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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