会見拒否の意向を表明した大坂なおみに対してツアーや選手たちが反応「メディアと話すことは仕事の一部」
「彼女が何故そうしたのかは分かる。僕は彼女の見解は尊重するよ」と男子世界ランク2位のダニール・メドベージェフ(ロシア)はコメントした。彼は大坂を除く何人ものトッププレーヤーたちが本戦開始の2日前に記者たちの質問に答えることに時間を費やす恒例の儀式を行う中、共感を示した。
「僕は特に問題ないけどね。僕はいつも、機嫌がよくても悪くても記者会見には出るようにしているんだ。そしてときには機嫌が悪くても、記者の皆さんと話して気分がよくなることもあると感じているよ」
フレンチ・オープンを13度制したラファエル・ナダル(スペイン)や女子世界1位のアシュリー・バーティ(オーストラリア)を含む他の選手たちと女子テニスツアーを運営するWTA(女子テニス協会)は、記者たちと話すことは彼らの仕事の一環であると主張した。
「プレスがなければ、恐らく我々は現在の自分たちのようなアスリートにはならないだろう。僕らは自分たちが今のように世界中で得ているような認識を手にすることがないだろうし、それほど人気も得られないはずだ」とナダルは私見を述べた。
女子世界2位でグランドスラム大会優勝歴4度の大坂は水曜日に自身のツイッターを更新し、パリではメディアに対する通常のやり取りには参加しない意向を表明した。テニスでは毎試合後に記者会見があるが、それは各スポーツの各選手たちがほぼ一貫して行っていることだ。
「彼女の言ったことには多くの真実があるわ。でもそれとは別に、プロアスリートとしての期待や責任というものがあるの。だから大事なのは、いいバランスを見つけることだと思うわ」とグランドスラム大会で3度準決勝に進出した実績を持つ女子世界20位のジョハナ・コンタ(イギリス)は語った。
グランドスラム大会でメディアが記者会見を要求したにも関わらずそれをスキップした場合、2万ドルの罰金が科せられる。世界でもっとも稼ぐ女性アスリートである大坂にとって、この程度の罰金は痛くも痒くもないかもしれない。彼女はこの会見拒否をメンタルヘルスの問題と捉え、受け取る賞金がいくらあろうとそれをその分野の慈善事業に寄付したいと考えている。
「私たちは頻繁にそこに座り、もうすでに何度も聞かれたことや私たちの心の中に疑念を植え付けるような質問をされています。私は自分を疑う人々に自分をさらすつもりはありません」と大坂はSNSに綴った。
WTAツアー金曜日は、大坂にメディアや記者たちと対話する責任を思い出すよう呼びかけた。WTAのスポークスマンがAP通信に電子メールで送った声明文の一部は以下の通りだ。
「WTAは我々がファンや公衆への責任を果たすことを可能にしながらも、アスリートがメンタルヘルスに関わる懸念にうまく対処できるようにアスリートのサポートに役立つアプローチについて話し合うため、なおみ(そしてすべてのプレーヤー)との対話を歓迎します。プロのアスリートは自分たちのスポーツとファンたちへの責任があります。自分たちの視点や考えをシェアし、自分たちのストーリーを語る機会を与えられるように競技会の環境の中でメディアと話す責任があるのです」
この件に関してフランステニス連盟(FFT)は、コメントを求めた我々の要請に応えなかった。
「私の意見では、プレスへの対応は仕事の一部よ。私たちは皆、プロのテニス選手であることがどういうことかについて知っている。もちろんときには記者会見がしんどいこともあるけど、だからと言ってそれで困ることはないわ。個人的にそれは、自分が何を話して何を聞くとか記者が何を聞いてくるかを考えて夜も眠れないなどというものではないの。だから私は少し気楽に考えて、皆さんとのやり取りを楽しもうとしているわ」2019年フレンチ・オープン優勝者のバーティは話した。
「私にとって状況は少し違っているの。でも私は、彼女(大坂)が経験していることについて個人的にコメントすることはできないわ。だからあなた方は、次に彼女と話すときに彼女自身に尋ねてみないといけないといけないのだと思う」
それがいつになるのか、今のところ誰にも分からない…。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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