父も娘の落ち着きを絶賛、17歳ガウフがセンターコートで勝利「私のゴールは常に大会で優勝すること」 [ウインブルドン]

写真はコリ・ガウフ(アメリカ)(Getty Images)


 2年ぶりの開催となる今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月28日~7月11日/グラスコート)の大会4日目は、男女シングルス2回戦残り試合と男女ダブルス1回戦が行われた。

 コリ・ガウフ(アメリカ)について間違った考えを持ってはいけない。彼女がすでに大きな才能を見せて17歳にして将来を嘱望されていようと、彼女がセンターコートで彼女の2倍の年齢のベテランと対戦したその木曜日のような機会は経験というものに凌駕されがちだ。

 結局のところそれはテニス界でもっとも有名な舞台であり、これは結局のところウインブルドンなのだ。そしてガウフは結局のところ、まだこういったことの多くをよく知らない。彼女は今大会までグラスコートで2大会しかプレーしておらず、出場したグランドスラム大会の数はまだ7つだった。もちろんそのうちのひとつには、彼女が15歳の予選勝者として4回戦への目覚ましい進撃を見せた2年前のウインブルドンがある。

 そんな訳で34歳のエレナ・ベスニナ(ロシア)に対する試合の序盤には、第20シードのガウフに少し震えがきているような気配も見られた。ベスニナは試合後に「彼女がナーバスになっているのが見て取れた」と言い、ガウフ自身もそれを認めていた。

 恐らくはそれが理由で、最初のブレークポイントに直面したのはガウフだった。第1セットでグラウンドストロークによるウィナーをあまり取れなかったのも、その影響かもしれない。それでもこの新人は、ベテランがすることをやってのけた。つまり勝利への道を見出して6-4 6-3で勝利をおさめ、ウインブルドン3回戦への帰還を果たしたのである。

「初めてちょっぴり逆境に立たされたときに彼女は思い切ってショットを打ち込みにいき、サービスゲームをきっちりキープしました。だから私は娘の落ち着きに感銘を受けましたよ」とガウフの父コリーは話した。

 ある午後の不出来が選手を家に送り返すことになりかねないこのレベルのこの段階では、それは非常に重要なことだ。

 2回戦でのガウフは9本のサービスエースを決め、そのうち7本は他のすべてが上手くいっていなかった第1セットに奪った。マッチポイントでは約時速190kmのサービスを入れ、ベスニナのリターンがネットにかかった。プレーヤーボックスではガウフの両親が立ち上がり、父は拍手して母は娘の勝利の瞬間をスマスマートフォンのカメラで撮影した。ガウフが新星だった2年前と比べると、少し抑え気味の祝い方だった。

 2年前のガウフはトップ300にも入っておらず、より若くて予選を勝ち上がって本戦入りした最年少プレーヤーだった。そのときの彼女は1回戦でビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)を倒し、2回戦で2017年ベスト4のマグダレナ・リバリコバ(スロバキア)を破り、3回戦では2つのマッチポイントを凌いだ末にポロナ・ヘルツォグ(スロベニア)を退けた。

 それから最終的に優勝者となったシモナ・ハレプ(ルーマニア)に4回戦で敗れたが、ガウフのグランドスラム大会での進撃のうち3回はその大会のチャンピオンに対する敗戦で終わっている。

「最大のことは、私が2019年のセンターコートでの経験をほとんど覚えていないということなの。何かぼんやり霞がかかっているような感じかしら」とガウフは明かした。

 当時はすべてが新鮮で新しく、予想外だった。2年前は皆が『彼女は本当にこれをやっているのか?』と疑問を抱いていたが、今や雰囲気は『ほぼ間違いなく彼女はやるだろう』に変わっている。

 彼女の両親はもちろん、観客たちもそのことを知っている。ガウフと対戦したベスニナは、「本当に才能に溢れ、将来有望な選手よ。彼女には明るい未来が待っているわ」と賛辞を送った。

 間違いなくそうだろう。もっとも重要なのは、ガウフ自身がそれを自覚していることだ。

「私は“期待”という言葉はあまり好きじゃないの。私は別の言葉を使いたい…。“信念(信じる気持ち)”とでも言えばいいのかしら。私は自分はできると信じている。私は2019年にもそう信じていたと思うし、今も信じているの」とガウフは語った。

「何も変わっていないと思うわ。自分のランキングが何位だろうと人々が私についてどう考えていようと、私のゴールは常に大会で優勝することなの。それが今、2019年よりもさらにはっきりしている。私の信念、遠くまでいけるという感覚はずっと強くなっていると感じているわ」(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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