東京オリンピックで復帰予定の大坂が『タイム誌』のエッセイで持論を語る
メンタルヘルスの問題に対処するためフレンチ・オープンを棄権したあと、サポートを申し出るために連絡をしてきてくれた人々の中に元大統領夫人のミシェル・オバマ氏、男子テニス世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)、元競泳選手のマイケル・フェルプス(アメリカ)、NBAのプロバスケットボール選手であるステフィン・カリー(アメリカ)らがいたと大坂なおみ(日清食品)が明かした。
アメリカのニュース雑誌『タイム』のオリンピック・プレビュー号のエッセイで、グランドスラム大会を4度制した元世界1位の大坂は「アスリート、特に脆くなっている人たちを守るための対策を制定することができるよう」願っていると綴り、ときには罰則なしでメディアへの義務をスキップすることが許可されることを提言した。
「私たちの誰もが、舞台裏で問題に取り組んでいる瞬間というものがあるはずです。人間としての私たちは、それぞれあるところで何らかの困難を経験することになるのです」と23歳の大坂は私見を述べた。
フレンチ・オープン開始前に彼女はメディアとのやり取りがときに心地悪く、コートで自分の心に疑念を生み出すことがあるとして大会の間はメディアとは話さないと告げた。パリでの初戦勝利のあとに大坂は義務である記者会見をスキップしたことで1万5000ドルの罰金を課され、4つのグランドスラム大会からもしメディアを避け続ければ失格や出場停止などの可能性もあり得るという警告を受けた。
これを受けて大坂は記者会見前に不安にかられることやここ数年うつの時期を経験していたことを説明し、棄権という形で2回戦を前に大会をから身を引いた。
「信じてもらえないかもしれませんが、本来の私は内向的でスポットライトを好むほうではありません」と大坂はタイム誌に書いた。
「私はいつも自分が正しいと信じることのために発言するよう自分を促し努力してきましたが、それは頻繁に大きな不安感という犠牲を伴うものでもあるのです」
ウインブルドンを欠場した大坂は、フレンチ・オープンを最後に公式戦でプレーしていない。彼女は7月23日から始まる東京オリンピックで競技に戻る予定で、そこで彼女は日本を代表することになる。
「文字通り、誰もがメンタルヘルスの問題で苦しんだことがあるか苦しんでいる人を知っていることが明らかになっています」と大坂はエッセイの中で語り、それから次にように付け加えた。
「人々が『常に大丈夫でなくても大丈夫なのだ』ということ、その問題について話すのは悪いことでも何でもないのだということを理解して共感してくれるよう願っています」
記者会見の話題について大坂は、「その形式自体が時代遅れであり、刷新が大いに必要とされている」と考えていることを明かした。
彼女はまたテニスプレーヤーに個人的理由を明かすことなく記者会見の義務を免除される年何度かの『病欠日』を与えてはどうかと提案し、「それはテニスが一般社会と調和するようになると私は思います」と持論を展開した。(C)AP(テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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