約2ヵ月ぶりに復帰した大坂が東京五輪の初戦でシャープなプレー「オリンピックは子供の頃からの夢でした」

写真は大坂なおみ(日清食品)(Getty Images)


 1年遅れでの開催となる世界的なスポーツの祭典「東京オリンピック2020テニス競技」(東京都江東区・有明コロシアムおよび有明テニスの森公園コート/7月24日~8月1日/ハードコート)の大会2日目は、引き続き男女単複の1回戦が行われた。

 プレーを再開した大坂なおみ(日清食品)は変わらず勝ち、ふたたびメディアと話している。オリンピックの聖火台に火を灯した日本のスーパースターは日曜日に行われた女子シングルス1回戦で、世界ランク52位のジェン・サイサイ(中国)を6-1 6-4で下した。これは彼女にとって、約2ヵ月ぶりの試合だった。

 5月にメンタルヘルスための休息を取る必要があるとしてフレンチ・オープンを棄権して以来、大坂は公式戦でプレーしていなかった。その際に彼女は過去にうつ状態に陥っていたことを明かしており、続くウインブルドンも欠場した。大坂は記者と話すのを止め、メディアと話す前に膨大な不安感に襲われると言ってフレンチ・オープンでは試合後の記者会見をスキップしていた。

「何より私はテニスをプレーすることに集中しています」と大坂はコメントした。

「オリンピックは子供の頃からの私の夢でした。だから私が取った休息期間は非常に必要なものだったと感じています。気分的にリフレッシュすることができ、ふたたびハッピーな気持ちになれました」

 記者たちが自分に質問することは問題ないと彼女は言ったが、それから「私は今、ちょっぴり自分の体の外にいるように感じています」と言い添えた。

「体に悪いところは何もないけど、本当にナーバスになっている感じがします。フランス以来プレーしていなかったのであまりうまくできなかったところが確かにあったけど、プレーし続けているうちに試合の中で調子を向上させていくことができると思います」

 出だしからシャープなプレーを見せた第2シードの大坂は最初のポイントでサービスボックスのTゾーンにサービスエースを叩き込み、あっという間に5-0とリードを広げた。

 輝くような赤のドレスとサンバイザーを身に着け、胸に縫い付けた日本の国旗とカラーコーディネートされた赤と白の三つ編みで髪を整えた大坂は試合を通して6本のサービスエースを決め、相手の倍以上に当たる25本のウィナーを量産した。

 試合が終わったときに大坂はジェンにお辞儀し、ほとんど空のスタジアムに向かってラケットを振った。スタジアムにいたのは100人ほどの人々で、そのほぼすべてがサポートのスタッフかメディアだった。

 この試合はもともと土曜日にセンターコートのオープニングマッチとして行われることになっていたが、彼女が金曜日の夜に聖火台に点火する大役を担ったことで日曜日にずらされた。

 主催者は3月に彼女に最終聖火ランナーの役を打診したと明かした大坂は、「本当に誇りに思う」と話した。

「聖火台に火を灯したとき、私はこの上なく光栄だと感じました。それは夢に見るような立場で誰にでもできることではないので、打診を受けたときに私はとても驚きましたが本当に光栄だと感じました。私はただここにいられることを幸せに思い、特に東京でプレーできることをうれしく思っています」

 大坂は次のラウンドで、マリア カミラ・オソリオ セラーノ(コロンビア)を6-4 6-1で破って勝ち上がった世界50位のビクトリヤ・ゴルビッチ(スイス)と対戦する。

 開催国にとってよき日だったこの日曜日、男子シングルスでは、2016年リオデジャネイロ五輪銅メダリストの錦織圭(日清食品)が第5シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア)を6-3 6-4で倒す殊勲の勝利を挙げた。(APライター◎アンドリュー・ダンプ/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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