ミックスダブルス連覇のクレイチコバが恩師ノボトナにオマージュを捧げる [オーストラリアン・オープン]
今年最初のグランドスラム「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・メルボルン/本戦1月20日~2月2日/ハードコート)は大会13日目、ミックスダブルス決勝。
バーボラ・クレイチコバ(チェコ)はタイトル防衛に成功したとき、元師で同胞である人物に感情のこもったオマージュを捧げた。
第5シードのクレイチコバとニコラ・メクティッチ(クロアチア)のペアは土曜日の夜、変動の多かったその決勝でベサニー・マテック サンズ(アメリカ)/ジェイミー・マレー(イギリス)を5-7 6-4 [10-1]で倒した。
オーストラリアン・オープンのミックスダブルスにおいて2年連続でタイトルを獲得した最後の女性は、クレイチコバの元恩師で同じ国の先輩でもある故ヤナ・ノボトナ(チェコ)だった。ノボトナは88年と89年にそれを成し遂げていた。
「彼女とは本当に親しかったから、そのことについて話すのはいまだ本当に辛いの」とクレイチコバは語った。「彼女は私の自宅から15分くらいと、すごく近くに住んでいた。私は多くの時間を彼女と過ごしたわ。私は本当に多くのことを彼女から学んだ」。
「彼女は私の師匠のような存在で、私の英雄でもあった。プレーするたび…シングルス、ダブルス、ミックスをプレーしているときにはいつも、私は彼女だったらどう考えるか、彼女がどんなふうに私にアドバイスしてくれるかを考えるようしているわ。私はただ、できるときにいつも彼女について考えるのが好きなの」
元ウインブルドン優勝者のノボトナは2017年に癌のため亡くなったとき、49歳だった。
「私たちがとも練習し始めたとき、彼女はすべてを私と一緒にやっていたわ。彼女はボールを打ち合ってもくれたし、フィットネスのエクササイズなんかも一緒にやっていたの。彼女はフィジカル的にすごくフィットしていた」とクレイチコバは当時を振り返った。「それから彼女の具合が悪くなり、彼女はよりアドバイザーのような師になった。彼女が病気であると分かったあとにも、多くの時間を一緒に過ごしていたわ」
さらにクレイチコバは、こう言い添えた。
「あの起こったこと、起こっていたことを潜り抜けたことは、本当に深い経験だった」
これはメクティッチとクレイチコバにとってともに組んで臨む初の大会であり、彼らはグランドスラムで多くのタイトルを獲った非常に経験豊富な相手と決勝で対戦することになった。マテック サンズはグランドスラムで10勝目となるタイトルを追い、オーストラリアン・オープンで5度準優勝しているアンディ・マレー(イギリス)の兄ジェイミーは8度目のグランドスラム制覇を目指していたのだ。
前年に栄冠を勝ち獲ったラジーブ・ラム(アメリカ)と今大会で組めないと気づいたときに、クレイチコバはメクティッチに連絡をとった。
「二コラの番号が私の電話にあったの。私はただ、テキストメッセージを送った。彼は5分と経たないうちに返事をくれ、喜んでプレーすると言ってくれたわ。私は、“じゃあタイトルを目指してみましょう”という感じだった」と彼女は明かした。
そのときのことについてメクティッチは、「ああ、僕は彼女が気を変える前に『イエス』とテキストしたんだよ」と裏話を披露した。
この勝利でクレイチコバは、グランドスラム決勝での戦績を4勝0敗とした。彼女は同胞のカテリーナ・シニアコバ(チェコ)とペアを組み、2018年フレンチ・オープンとウインブルドンを制していた。
2018年デビスカップで優勝したクロアチアのダブルス・スペシャリストであるメクティッチにとって、これは2度目のグランドスラム大会決勝に過ぎなかった。彼はこれに先立ちアリシア・ロソルスカ(ポーランド)と組み、2018年USオープンのミックスダブルス決勝でマテック サンズ/マレーに敗れて準優勝していた。
(APライター◎ブルース・マシューズ/構成◎テニスマガジン)
※写真はミックスダブルスで優勝を果たしたバーボラ・クレイチコバ(チェコ/右)とニコラ・メクティッチ(クロアチア/左)
MELBOURNE, AUSTRALIA - FEBRUARY 01: Barbora Krejcikova of Czech Republic and Nikola Mektic of Croatia celebrate winning their Mixed Doubles Finals match against Bethanie Mattek-Sands of the United States and Jamie Murray of Great Britain on day thirteen of the 2020 Australian Open at Melbourne Park on February 01, 2020 in Melbourne, Australia. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)
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