シナーがブルックスビーの快進撃を食い止め2008年のデル ポトロ以来となる10代チャンピオンに王手「僕は少しラッキーだった」 [シティ・オープン]
![](https://images.tennismagazine.jp/media/article/17303/images/main_9e2db5991226ad60c1458e47a42b0aa1.jpg?w=850)
ATPツアー公式戦の「シティ・オープン」(ATP500/アメリカ・ワシントンDC/8月2~8日/賞金総額204万6340ドル/ハードコート)の男子シングルス準決勝で、第5シードのヤニク・シナー(イタリア)がワイルドカード(主催者推薦枠)で出場した20歳のジェンソン・ブルックスビー(アメリカ)を7-6(2) 6-1で下して今季2度目のタイトル獲得に王手をかけた。
19歳のシナーは4連敗という不本意な戦績を引っ提げ、ワシントンDCのハードコート大会にやって来た。しかし彼はブルックスビーの進撃を食い止め、キャリア4度目のツアー決勝に進出した。
「彼(シナー)はメンタル的にかなり強いよ。判断力もあるしね。彼は多くのことを正しく行うんだ」とブルックスビーはシナーについて語った。
第1セット6-5からのシナーのサービスゲームで0-40とリードし、3つのセットポイントを握ってセットを先取しかけたのはブルックスビーのほうだった。しかし彼はそこで崩れ、突如としてバックハンドとドロップショットに見放された。その2つのショットは、彼が世界ランクを300位台から130位まで押し上げた成功の基盤だった。
セットを失う寸前だったシナーはそこから続く5ポイントを連取してキープし、6-6と追いついた。より正確に言えば、ブルックスビーのほうが続く5ポイントを自分から手放してしまったのだ。
「ああ、僕は少しラッキーだった」とシナーは試合後に認めた。
タイブレークでもブルックスビーのミスは続き、ドロップショットがネットにかかって今大会で初めてセットを失った。
「僕はただ落ち着きを保ち、正しい精神姿勢を維持しようとしていたんだ。第1セットはどちらに転んでもおかしくなかった。それを取ったことで、間違いなく第2セットに向けて自信を持つことができたよ」とシナーは振り返った。
最終的な結末は、経験の差を反映していたのかもしれない。今週を迎えるまでにブルックスビーがATPツアーの本戦でプレーしたのは9試合に過ぎず、シナーより80試合も少なかった。
「自分が何を間違えたのか、何をうまくできなかったのかは分かっている。そしてそのあとの落ち込みについてもね。僕は間違いなくそこからもっとも多くを学び、経験を積むことでそういった状況でより心地よく感じることができるようになるだろう」とブルックスビーは前を向いた。
日曜日にシナーが勝てば、2008年のフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)以来となる10代チャンピオンになることができる。デル ポトロはその翌年、ニューヨークで彼にとって唯一のグランドスラム制覇を成し遂げた。
シナーは決勝で、2時間46分に渡る激闘の末に2015年大会優勝者の錦織圭(日清食品)を6-4 3-6 7-5で倒して勝ち上がったマッケンジー・マクドナルド(アメリカ)と対戦する。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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