今年最後のグランドスラム大会「USオープン」（アメリカ・ニューヨーク／本戦8月30日～9月13日／ハードコート）の男子シングルス3回戦で、カルロス・アルカラス（スペイン）が第3シードのステファノス・チチパス（ギリシャ）を6-3 4-6 7-6(2) 0-6 7-6(5)で倒した。

「今の気持ちを表す言葉が見つからない。コートで何が起こったのか、まだ理解できていない。このとんでもない試合でステファノス・チチパスに勝ったことが信じられない。夢が叶ったようだ」

　観客が自分の味方になった。

「驚いた。予想外だったけど、ずっと僕に声援を送り、どんなときも背中を押してくれた。本当に驚いたよ。観客の応援は自分にとって大きなものだった。あの声援がなければ第5セットであれほど素晴らしいプレーも、ステファノスを倒すこともできなかったと思う。本当に素晴らしいサポートに感謝している」


勝利を決めた瞬間、思わずコートに倒れ込んだアルカラス

　勝ってコートに倒れ込んだときはどんな気持ちだったのか。

「コートに倒れ込んだとき、家族、友人や地元ムルシアで自分をサポートしてくれた人たちのことを想っていた。チームもアカデミーからサポートしてくれた。ムルシアで僕が子供のときからサポートしてくれた皆のことを考えた。素晴らしい瞬間だった」

　最後のタイブレークも最後まで競ったが、どんなことが頭を過ぎったのか。

「自分のサービスでのポイントを2つ落としても諦めず、最後まで自分を信じてプレーした。相手のサービスが凄くよかったけど、諦めなかった。最後のポイントまでアグレッシブにいこうと思った。上手くやれたと思う」

　トレーナーを呼んだとき、どこに問題があったのか。

「体力的に限界だった。第3セットの終わりにそう感じた。ステファノスは第4セットで素晴らしく、いきなりブレークされた。第5セットのことを考えていたんだ。第5セットの初めにアグレッシブにプレーする必要があり、今までで最高のテニスができた。本当にタフな試合だった」

　手本にした選手はいるのか。

「正直誰の真似もしていない。いつも自分のスタイルでプレーしている。一人だけ少し似ていると思うのはロジャー・フェデラー（スイス）。いつもアグレッシブにプレーしようとする姿勢かな。そこは似ていると思う。両方のストロークで常にアグレッシブにプレーしようとしている。でも、サービスはまだ改善の余地があると思う」

　アルカラスは4回戦で予選勝者のペーター・ゴヨブチック（ドイツ）と対戦する。（テニスマガジン）