「なおみのサービスパターンが見えてきた」大坂を倒したフェルナンデスが勝因を語る [USオープン]
今年最後のグランドスラム大会「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月30日~9月13日/ハードコート)の女子シングルス3回戦で、18歳のレイラ・フェルナンデス(カナダ)が第3シードの大坂なおみ(日清食品)を5-7 7-6(2) 6-4で倒してベスト16進出を決めた。
「素晴らしい試合だった。第1セットの内容には凄く満足している。サービスもプレーもよかった。最後に振りきられてしまったけどね。その後、第2セットが始まるまで、ポジティブに戦い続けようと、そして全然相手に負けていないんだと自分に言い聞かせた。第2セットは彼女のサービスにずっと苦戦していたけど、最後のゲームでやっといい方法が見つけられた。そこからは応援のエネルギーを利用して戦い続けた。できるだけボールを返し続けて、オフェンシブに攻めていった」
見つけた“いい方法”を教えて欲しい。ブレークポイントが一度もなかったのに。
「あのゲームまで相手のサービスゲームで2ポイント以上取れていなかったと思う。だから少し見方を変えたの。ベースラインのかなり後ろに立ってみた。そこから少しずつポジションを上げていった。そのうち彼女のサービスのパターンが見えてきた。それからは自分を信じて思い切って打ってみた」
自身のサービスについて。
「自分のサービスを楽しんでいただけ。コーチでもある父と話したの。コートに出て楽しめと言われた。サービスが信じられないくらいいいのだから、それを存分に生かしてテニスを楽しめと。狙ったところに思い切り打ってね。この数試合、それが上手くできていた。機能してよかった」
大会前は少し苦戦しているように見えたが、なぜここでうまくいき始めたのか。
「ここで噛み合うようになった理由はわからない。この数ヵ月、モンテレイのあとはいいトレーニング、練習ができている。コーチは我慢して自信を持ってプレーしろと言ってくれる。それが試合に出ているのかな。上手くいってうれしい」
この数試合でサービスが好調だったのが、今日の試合でも自信になったのか。
「ええ、その通り。この数試合はサービスの調子が本当にいい。サービスに自信を持って今日はコートに立った。狙ったところに決められると信じて打ち続けた」
観客は完全に味方についていた。そこからかなりエネルギーをもらったのではないか。反対になおみは苦しんでいた。
「なおみがどういう心境か、気にしていなかった。自分自身、自分のテニスに集中していた。それが必要だったこと。観客が応援して後押ししてくれたことは凄いことだった。戦い続けて、彼女のショットを追い続けるエネルギーになった。観に来てくれた人たちが楽しめるようなショーを見せられたことがうれしい」
オンコートインタビューでは、試合前から勝てると思ったと言っていた。誰でも倒せるという自然に沸き上がる信じる力なのか。
「自然に沸いてきた自信、信じる力だった。若い頃から目の前にいる相手は、誰にでも勝てると思っていた。テニス以外のスポーツでも私はいつも勝利にこだわった。いつも勝つと宣言して、無理だとわかっていても、サッカーでも父に勝つと言ってきた。その信じる力をずっと持っていて、すべての試合で利用しようしてきた。今日は信じたことが本当に叶った」
今日の勝利で一番よかった点は?
「自分のポジティブさ。第1セット、第2セットでブレークされても信じ続けられた。彼女の攻略法がもう少しで見つかる、ブレークするチャンスが必ずくると信じていた。それが本当にきて、生かすことができ、逃げきれたのがうれしい」
緊張しなかったのか?
「間違いなく緊張していた。でもコートに立ったときはうれしかった。観客のエネルギーを上手く利用しようとして、凄く助けになった。最初にボールを打った瞬間、“このときがきた”と気持ちを切り替えて集中した」
あれほど大きなジェスチャーで気持ちを表に出す姿を初めて見た。
「観客の影響だと思う。素晴らしい雰囲気だった。最初から最後までエネルギーをくれた。そのお返しをしたかっただけ。彼らに素晴らしい試合を見せられたことがうれしい。そのボーナスで勝利が転がり込んだ。コートでの自分のふるまい、落ち着いていられたことにとても満足している。今はふわふわした気持ちでまだ地に足が着いていないのかもしれないけど、本当にうれしい。もう寝る時間。普段ならベッドに入る時間をとっくに過ぎている!」
今年初めに年内のトップ10入りを目標に掲げた。この勝利で達成する自信が膨らんだのではないか?
「大きな自信になる。自分のプレーがよくなっている証拠で、トップに近づいている。物凄い選手を倒すことができた。なおみは素晴らしい人物、偉大な選手。彼女はツアーで素晴らしいことを成し遂げてきた。今日は自分のプレーを見せられて、これまでのハードワークが実ってうれしい」
大坂のプレーをよく予測できていたが、彼女の試合をたくさん観たのか?
「それが大きなアドバンテージになったと思う。彼女が初めてUSオープンを制した姿を見た。オーストラリアンオープンの優勝も見た。彼女の試合を観て学んだことは現在の自分を形成するのに役立っている。彼女はツアーのすべての選手や世界中の少女にとって最高のお手本。彼女と対戦できたこと自体もそうだし、最高の選手とも十分戦えることが証明できたことが本当にうれしい」
今大会で多くのカナダ人選手が素晴らしいプレーを見せている。
「凄く自信になる。USオープンで多くのカナダ人選手が勝ち進んでいることがうれしい。でも、私たち皆の目標はコート上で楽しみ、ベストを尽くして、その結果としてカナダにいる子供たちにいい影響を与えること。テニスだけでなく、すべてのスポーツに一生懸命に取り組めば、何だって可能だということを見せたい」
フェルナンデスは4回戦で第16シードのアンジェリック・ケルバー(ドイツ)と対戦する。(テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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