「エナン、ウイリアムズ姉妹、大坂なおみとの対戦を夢見てきた」準決勝に進出したフェルナンデス [USオープン]

準々決勝でエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)に勝利し、ベンチで笑顔のレイラ・フェルナンデス(カナダ)(Getty Images)


 今年最後のグランドスラム大会「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月30日~9月13日/ハードコート)の女子シングルス準々決勝で、レイラ・フェルナンデス(カナダ)が第5シードのエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)に6-3 3-6 7-6(5)で競り勝ち準決勝に進出した。

「今日の試合が一番ハードだった。プレー面だけでなく、メンタル面、感情の面できつかった。スビトリーナは素晴らしい選手でファイター。第1セットにファイトできてよかった。第2セットは彼女がレベルを一段階上げて、自分は大事なときにミスが出た。第3セット、そして最後のタイブレークでいいプレーを取り戻せてよかった。5-5から少しラッキーもあったけど、すべての幸運を味方につけたい。最後に何とか押しきれてよかった」

 父と連絡を取ったのか。

「ええ、試合の直後にロッカールームから電話した。この試合で“地獄に突き落とされてから生還できた”と言われた。でも本当に喜んでくれた。すべてのポイントでしっかりプレーでき、勝利に値したと言ってくれた。今日は勝利を祝って、明日からまた次の試合への準備に取り掛かる」

 今年3月にモンテレイで優勝してから数ヵ月はいい結果が出なかったが、何か変化があったのか。

「モンテレイで優勝してからもいい練習ができていた。ただ、悪い試合もいくつかあっただけ。それでも練習を続けて自分のプレーを向上させていった。毎試合、少しずつよくなっている実感があった。今日、今大会ではこの数年間自分が犠牲にして頑張ってきたことが報われた気がする」

 たまにポイント間でコートに背を向けて壁のほうに向くとき、どんなことを考えているのか。

「今日の試合に限って言えば、自分を信じて、自分のテニスを信じること。どんなポイントのあとも自分の力を信じて思い切ってラケットを振り抜き、ボールがどこに落ちるか見てみようと考えている」

 考えることは試合によって変わる?

「ええ。その瞬間にどう感じているか。他の言葉よりもモティベーションが上がるようなフレーズを探している。それを、試合を通して自分に言い続けている」

 大舞台で大活躍しているが、その勝負強さは元々持っていたもの?

「わからない。でも小さい頃から自分の中にあったのかもしれない。子供の頃からその会場で一番大きいコートで両親の前でプレーしたいと思っていた。たとえ観てくれていなくてもね。学校では皆の前で発表するのは大嫌いだった。でも、劇、歌、ダンスを皆の前で披露するのは大好き。この数年は観客のエネルギーをうまく自分のプレーに生かす術を学んできた。観客が相手のことを応援していてもね」

 突然脚光を浴びたことに対して、どのように順応できたのか。

「最初の数日は難しかった。自分の周囲にはいつも支えてくれる素晴らしいチームがいる。あと、シングルスの翌日にダブルスもあったから、落ち着いていられた。今は少し慣れてきた。私のチームはいつも自分が集中すべきことを教えてくれる。自分に起こっている素晴らしいことよりも、次の試合に集中させてくれる」

 今大会は若手の活躍が目覚ましい。

「私たちはテニス界で違いを見せることに物凄く飢えている。何人かはジュニアの頃から知っている。いつも冗談でWTAツアーを転戦して、大きな舞台で一緒に戦うんだと話していた。それが実現できて、素晴らしい成績を残していることがうれしい。私たちは違いを見せたい。テニス界に大きなインパクトを残したい。今大会で私たちがすべてのことにうまく順応できていることを証明できた」

 カルロス・アルカラス(スペイン)と写真撮影のとき、少し話をしたのではないか?

「勝ってどんな気持ちなのか聞いてみたの。凄く有頂天になっていた。私たちの世代がコートで楽しんでいる姿を見るのは本当に素晴らしい。さらに大きな成功を手にしたいという大きなモティベーションにもなっている。今大会は何か特別なことを成し遂げたい」

 小さい頃、どんなビッグネームと対戦することを夢見ていた?

「すべてのグランドスラムで自分がプレーする姿をずっと想像してきた。子供の頃、ジュスティーヌ・エナン(ベルギー)に憧れていたから、彼女と対戦することを想像した。ウイリアムズ姉妹(アメリカ)もそう。この数年間は大坂なおみ(日清食品)との対戦を思い浮かべていた。満員の大きなスタジアムで楽しんでいる姿をいつも思い描いてきた」

 父の存在が大きいようだが、今大会ここに来られなかったのは、パンデミックの影響?

「私的な理由でフロリダにひとりで残りたかったみたいだから、彼の気持ちを尊重した。それと同時に彼は私を信頼してくれた。彼のゲームプランをしっかり遂行して、自分が直面するどんな問題でも、自分で解決できると信じてくれた。今日のタイブレークでは、正直物凄く疲れていた。彼女も疲れていたはずなのに、何故あれほどボールに追いつけるのか理解できなかった。私はただ自分のテニスを信じて、この数年間厳しいトレーニングで鍛えた自分のフィジカルを信じて最後まで戦い抜いた」

 昨日、ビリー ジーン・キング(アメリカ)、フアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)と撮った写真をSNSに上げていたが、どんな話をしたのか?

「ビリー ジーン・キングと話ができてラッキーだった。コートに立って楽しんで、自分のショットを信じるように言われた。今日、実際その通りにできた。彼女のアドバイスが役に立ったの。フアン マルティンとは偶然会って、一緒に写真を撮ってもらい、頑張ってと励ましてくれた。2人に会えたのは素晴らしかった。どちらも私をインスパイアしてくれて、今日のいいプレーに繋がったと思う」

 フェルナンデスは準決勝で第2シードのアーニャ・サバレンカ(ベラルーシ)と対戦する。(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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