ベンチッチの単複2勝でスイスが開催国チェコを破り、オーストラリアとの準決勝へ [ビリー ジーン・キング・カップ]

写真は東京オリンピックでのベリンダ・ベンチッチ(スイス)(Getty Images)


 女子テニスの国別対抗戦「ビリー ジーン・キング・カップ(旧フェドカップ) by BNPパリバ ファイナルズ」(チェコ・プラハ/11月1~6日/室内ハードコート)の大会4日目は、グループBとグループDのラウンドロビン(総当たり戦)第3戦が行われた。

 グループBは第2シードのオーストラリアがベラルーシを2勝1敗で、グループDではスイスが第4シードのチェコを2勝1敗で勝利をおさめ、それぞれ2連勝を飾って決勝トーナメント進出を決めた。

 スイスが勝負を決するダブルスに勝ち、準決勝への最後の切符を手に入れた。東京オリンピック女子シングルス金メダリストのベリンダ・ベンチッチ(スイス)がジル・タイヒマン(スイス)とペアを組み、ルーシー・ラデッカ/カテリーナ・シニアコバ(チェコ)を6-3 6-3で退けた。

「彼女たちは素晴らしいチームだから、リスクを犯してでも攻撃的にいくことがカギだった」とベンチッチは振り返った。

 1戦目でドイツに勝っていたスイスはグループDの首位となり、先に勝ち上がりを決めていたオーストラリアと準決勝で対戦することになった。

 もうひとつの準決勝では、前日にグループ首位を決めていた第3シードのアメリカ(グループC)とロシア(グループA)が顔を合わせる。

 かつてフェドカップの名で知られたこの女子国別対抗戦で2011年から18年にかけての6度を含む計11回の優勝を誇るチェコにとって、母国の観客の前で喫した敗戦は大きな失望だった。一方のスイスは、初の世界一を目指して戦っている。

 ダブルスに至る過程のシングルスではマルケタ・ボンドルソバ(チェコ)がスロースタートを克服してビクトリヤ・ゴルビッチ(スイス)を6-4 6-2で下してチェコが先勝したあと、ベンチッチがバーボラ・クレイチコバ(チェコ)とのエース対決を7-6(2) 6-4で制して追いついていた。

 世界ランク17位のベンチッチは同3位のクレイチコバに対して第2セット3-3からブレークしてを奪い、残りのサービスゲームをすべてキープしてストレートで試合を終わらせた。

 前回開催された2019年大会で決勝に進出していたオーストラリアがグループBで首位になるためにはベラルーシに対するベスト・オブ3マッチに勝つ必要があったが、シングルス2試合で決着はついた。第1試合でストーム・サンダース(オーストラリア)がユリヤ・ハトウカ(ベラルーシ)を6-3 6-3で破ったあと、エース対決でアイラ・トムヤノビッチ(オーストラリア)がアリャクサンドラ・サスノビッチ(ベラルーシ)を4-6 6-2 6-3で振りきった。

「今日はプレーすることができてうれしかったし、何より勝利に貢献できて物凄く幸せな気分よ」とトムヤノビッチはコメントした。

 今大会2勝目を挙げた世界131位のサンダースは試合を通して一度もブレークポイントに直面しなかったが、「今日は間違いなくより大きなプレッシャーを感じたわ」と明かした。彼女は同大会デビュー戦で、世界18位のエリース・メルテンス(ベルギー)を3-6 7-6(5) 6-0で倒す金星を挙げていた。

「少し緊張してはいたけど、私にとってチームメイトが傍にいてくれるのは素晴らしいことだった。仲間たちの応援が間違いなく助けになったわ」

 ビリー ジーン・キング・カップは新フォーマットの採用を決定して本来なら2020年から12ヵ国が一堂に会するファイナルズで優勝国を決めることになっていたが、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによりキャンセルされていた。

 ファイナルズでは12ヵ国が3チームによる4グループに別れて総当たり戦を行い、各グループの1位が決勝トーナメント(準決勝)に進出して優勝チームを決定する。試合はベスト・オブ・3セットマッチで行われ、シングルス2試合とダブルス1試合で争われる。(APライター◎カレル・ヤニチェク/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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